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【教育資金の一括贈与が期限なしに?】贈与税がかからずに相続財産を減らす相続税対策[POSTED]:2018-08-28

【教育資金の一括贈与が期限なしに?】贈与税がかからずに相続財産を減らす相続税対策

教育資金の一括贈与

教育資金の一括贈与は平成25年に導入された。
弁護士・税理士として講師を務める相続セミナーでも紹介する機会があった。
30歳未満の子や孫に教育資金を一括して贈与した場合に、1人あたり1500万円を上限に贈与税がかからない制度である。
手続きが少し面倒で、信託銀行に口座を開設し、教育資金を預け入れる。
実際に学校の入学金や授業料がかかった際に引き出しをする仕組みになっているが、引き出しをする際に領収書などが必要。
教育資金として認めるかどうかについて、信託銀行の窓口で混乱が起きている旨の報道もあった。
平成31年3月31日までの時限措置となっている。

教育資金に贈与税はそもそもかからない

教育資金の一括贈与に対する非課税措置のうまみは、「一括」贈与に対する非課税という点にある。
将来の教育費用も含めて、一括して教育資金を贈与しても非課税になるのが特徴である。
逆に言えば一括でなければ、そもそも教育資金を祖父母や父母が負担することは、扶養義務の履行としてそもそも贈与税がかからない。
大学入学にあたって学費を出してもらった孫が、贈与税申告をする話は聞いたことがないはずである。
贈与税がそもそもかからないからである。
勧められるがままやみくもに教育資金の一括贈与を実行するのではなく、遺言や相続の計画を弁護士や税理士と相談しながら決めたい。

教育資金の一括贈与を利用する意味

贈与税がそもそもかからない教育資金の贈与なのに、面倒な手続きを踏んで非課税措置を受ける意味は何か。
たとえば余命が短い祖父母が、就学前の孫の将来のために一括して贈与をしておく。
今まさに相続が発生しても、1500万円までは非課税措置を受けられる。
必要が生じた都度の贈与では、相続が発生するまでに1500万円もの金額を贈与しきれない。
将来にわたっての一括贈与に対する非課税が、教育資金の一括贈与の最大の意味である。
相続財産が減れば相続税の対象財産が減り、相続税節税になる。
教育資金の一括贈与は相続税対策になる。

教育資金の一括贈与が期限なしに

教育資金の一括贈与は信託銀行にとって、富裕層の預金口座開設を呼び込むのに都合の良い商品である。
報道によれば、文部科学省は平成31年度税制改正要望で、教育資金の一括贈与の恒久化を求めるという。
30歳未満という受贈者の年齢上限の引き上げも検討中とのこと。
利用者にとっては相続税対策・相続税の節税になる。
社会全体としては、高齢者から若い世代への資産移転が進み、子育て世代の若い親の教育費負担が軽くなり、少子化対策にもなる。

教育資金の一括贈与にあたっての注意

教育資金の一括贈与については注意も必要である。
そもそも教育資金の贈与は都度実行しても贈与税がかからない。
教育資金の一括贈与の制度を利用してはじめて、贈与税が非課税になる旨の誤解がないようにしたい。
無理をして教育資金の一括贈与をしてしまうと、老後資金の運用が柔軟にできなくなる。
必要な時にお金がないようでは、子や孫を扶養する前に、自らの老後破産を招きかねない。
信託銀行での円滑な引き出しという実務上の課題も、今後どうなっていくのか注目する必要がある。
そのうえで上手に利用すれば、相続財産を減らすことになり、相続対策・相続税の節税になる。
教育資金の一括贈与を利用する場合、一般の相続財産から漏れてしまわぬように、遺言を作成する際には注意が必要である。
遺言を作成する際に弁護士や税理士に相談してほしい。

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