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【何代にもわたって相続登記が行われていないケースも】相続登記を速やかに行うことの重要性[POSTED]:2018-08-11

【何代にもわたって相続登記が行われていないケースも】相続登記を速やかに行うことの重要性

平成23年3月11日に発生した東日本大震災は、未曾有の大災害でした。
復興庁が平成28年8月に発表した「復興の現状と課題」によると、平成28年7月14日現在の避難者数は約14万8000人で、震災発生当時の47万人からは減少したものの、現在でも多くの方が仮設住宅で生活しておられます。
また、東京電力福島第1原発の事故のため、他の地方への移住を余儀なくされた方も少なくありません。
震災の影響はまだまだ続いています。
私たちはまず、そのことを忘れてはいけません。
今回は、相続制度が被災からの復興を妨げていた、というお話です。
被災地では、海に近い低地が津波による甚大な被害に遭いました。
そこで国は、仮にまた大きな地震による津波が押し寄せたとしても人的な被害を最小限に抑えるよう、大津波の及ばない高台に集落を移す集団移転事業に対する支援制度を設けました。
実際に被災地では、岩手、宮城、福島の3県で合計300余りの地区が移転事業の対象となっています。
しかし、この移転事業がなかなか進まなかったのです。
事業ではまず、集落移転後の跡地に再び住宅などが建てられないよう、自治体が条例で跡地を災害危険区域に指定し、地権者から買い取る必要があります。
ところが、東日本大震災の津波で地権者が死亡してしまった土地については、自治体が亡くなった地権者の相続人を見つけて、土地買収の同意を得なければならず、手続きにかなりの時間がかかってしまいました。
自治体によっては、阪神大震災時に区画整理のための用地買収を担当した兵庫県の自治体から職員派遣を受け入れるなどして手続きを進めています。
ただでさえ時間がかかる手続きがさらに難航する要因があります。
震災発生前に土地の相続登記がされていなかったために、そもそも土地の権利者を特定するのに手間取っているケースもあるようです。
なんと、江戸時代末期生まれの人が死亡して以降の相続登記がされていない。
登記内容から血縁をたどっていくと、相続人が300人を超えてしまう。
土地の買収には、相続人全員の合意が必要となるため、自治体の職員が説明と説得に回る必要があります。
もちろん相続人は、被災地の近隣に住んでいるとは限りません。
国内どころか、海外在住というケースさえあったといいます。
相続登記は、相続した不動産の名義を法務局で変更する手続きです。
例えば、父親から土地を相続したのが確かであったとしても、その土地の所有者であることを公に証明するには、所有権移転登記をして、相続人の名義に変更しておく必要があります。
しかし、登記手続きには期限がないうえ、登記をしないことに対する罰則もないために、放置されてしまうことがあります。
何代にも渡って登記がされていないと、相続人にさらに相続が発生し続けます。
土地を売却したり、不動産を担保にして融資を受けたりしようと思っても、被災地で起きている事例のように、相当数の相続人全員の合意を得なければ、不動産の名義変更ができないなど、トラブルの元になります。
相続登記は、相続の内容が確定した段階で確実にしておく必要があるでしょう。
法務局などが「相続登記はお早めに」とPRしているのは、こうした事情によるのです。

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