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6章 遺言書作成&相続税対策を弁護士に相談[POSTED]:2017-11-17

モメる遺産相続の防ぎ方6章 遺言書作成&相続税対策を弁護士に相談

遺産相続における遺産分割は身近な問題です。

家族関係が話に絡むので、自分の問題に置き換えて考えることができ、身近で分かりやすい問題であるといえます。
しかし遺産分割は同時に、家族内のモメごとというマイナスイメージでとらえられます。
家族内でのモメごとはほかに、離婚が思い浮かびます。
家族間でモメて、財産を巡って争い、調停が用いられるなど、共通点は少なくありません。
しかし遺産分割は一般的に、モメたときのダメージが離婚よりも深刻です。夫婦間の関係だけが基本的には問題となる離婚と違って、家族全員が巻き込まれる可能性があるのです。参加する相続人が一緒に暮らしてきた期間も、離婚する夫婦よりも長いことが多く、家族の歴史の中で溜めてきたものが噴出します。夫婦が離婚により他人になるのに対して、遺産分割でのモメごとが終わった後も、家族関係は切れずに付き合いが続きます。
話としては身近なのですが、モメると深刻な問題になる。
しかも法律での解決方法は独特です。
例えば相続人にとってみれば同じく相続人同士のお金の問題であるにもかかわらず、ある財産が相続財産かどうかでモメた場合には、遺産分割調停とは別に民事訴訟を提起しなければなりません。寄与分にしても、ただ単に被相続人に対して貢献したというだけで認められるわけではなく、裁判所独特の基準があります。相続人に対して親がお金を出していても、特別受益として認められることもあれば、認められないこともあります。
遺産分割事件は通常の裁判以上に見通しが難しいといえます。
各相続人の法律的主張も、確実に認められるかどうかは通常の裁判以上に不透明で、相手方の出方も読みづらい。通常の裁判と比べて、遺産分割では主張立証すべき事実がバラエティに富んでいて細かい印象です。
何とかモメずに済ませられないか。
遺産分割にはモメるパターンが存在しまう。法定相続人の組み合わせや遺言の有無、相続財産の種類、特定の制度を利用できる者の制限、それに人間心理などが組み合わさって、モメるパターンができているのです。
大半のモメる遺産相続は、遺言を作成し、生命保険などを利用することで防げます。

「モメない相続」のために大切なこと6章 遺言書作成&相続税対策を弁護士に相談

「モメない相続」のために、一番重要なことは何でしょうか。

それは、遺産となる財産をもっている「被相続人」が、配偶者や子どもなどの「相続人」についてどのように考えているのかという「想い」を具体的に明確にしておくことです。
どの財産をどのくらい誰に相続させたいのか。
相続人でなくとも、日頃お世話になった人に財産をあげたいのか。
住み慣れた地域に公園などを作りたいなどの考えから社会貢献として市町村などに財産を寄付したいのか。
想っているだけでは伝わりませんし、何も実現できません。「想い」を実現するために、行動することが重要です。
想いを伝えるための行動として、「遺言」や「生前贈与」「生命保険」があるのです。

遺言の種類を知る6章 遺言書作成&相続税対策を弁護士に相談

遺産相続でモメないための方法として、遺言を作成することが挙げられます。

一般的な遺言には、3種類あります。
「自筆証書遺言」 「公正証書遺言」 「秘密証書遺言」
の3つです。それぞれに長所もあれば短所もありますので、十分に理解したうえで遺言を書くことが重要です。

①自筆証書遺言

「自筆証書遺言」はいつでもどこでも簡単に作成できることが最大の特徴です。
ただし、要件を満たさない遺言は無効になる危険性があること、偽造や紛失の可能性が高いこと、遺産分割の前に家庭裁判所にて遺言書の検認の手続が必要なこと、後のトラブルが多いことなどに注意が必要になります。
費用をかけずに、自分だけで作成したい人向きの方式です。自筆証書遺言であれば、遺言を作ったことも内容も秘密にしておけます。

②公正証書遺言

最も安心で確実な遺言の方式が「公正証書遺言」です。
公証役場において、公証人が遺言者の意思を反映させた遺言を作成しますので、要件不備で無効となる危険性がありません。相続開始後も家庭裁判所の検認が不要なので、相続発生後にすぐに相続手続きに入ることができます。
また、万が一遺言が紛失しても公証役場の検索システムを利用して、遺言の作成有無を確認し、かつ存在した場合は謄本の交付が可能です。公証役場に謄本がありますので、変造・偽造のおそれがありません。一番安全な方式といえるでしょう。ただし、費用や証人が必要となります。

③秘密証書遺言

「秘密証書遺言」はあまり一般的ではない遺言の方式です。
秘密証書遺言は遺言の内容を遺言者以外に知られることなく作成できることが最大の特徴です。代筆・ワープロなどによる作成も可能です。
自筆証書遺言より要件は厳しくありませんが、費用や証人の準備が必要となるうえ、相続開始後の検認手続きが必要になるなどのデメリットもあります。自筆証書遺言と同様、要件を満たさない遺言は無効になる危険性があります。

以上のようにそれぞれの遺言にはメリット・デメリットがあります。
一番安全であるのは公正証書遺言です。間違いありません。
また、正しい方式を知らずに作成すれば、せっかく作った遺言も無駄なものになることも十分に考えられます。遺言を書く際には、各方式についてよく調べて、無駄にならないよう、相続発生後に確実に効果を発揮するものを書く必要があるのです。

「付言事項」を書くことが大切6章 遺言書作成&相続税対策を弁護士に相談

遺言に書いたことのうち、法律上の効力を持つのは、法定遺言事項に限られます。

遺言事項以外の記載は、遺言による処分としての法的な効果は持ちません。
もっとも、遺言には原則として何を書いてもかまいません。ですから、遺言を作成するにあたって、「どのような意図があるのか」「何に感謝して財産を残したのか」など、遺言作成の動機、心情、財産配分の理由、相続人らに対する希望や感謝の言葉などの遺言者のメッセージを、「付言事項」として遺言に書くことができます。
例えば、子どもたちの仲があまり良くない場合、遺言に「兄弟仲良く、助け合って生きていってください」と書いてもおいよいのです。ただ、この言葉には、残念ながら法律上の拘束力はありません。守るかどうかは相続人次第になります。しかし、遺言という最後のメッセージに家族への想いを書くことで、被相続人の気持ちは、配偶者や子どもたちに強く伝わります。
また、遺言で不公平な配分をする場合、付言事項にその理由を書いたり、生前に伝えられなかった感謝の言葉を残したりするのもよいでしょう。遺言者の想いが伝われば、遺言どおりの財産分割が円滑に進みやすくなります。ですから、なるべく「付言事項」を書くことをおすすめします。
とはいえ、遺言に書かれた付言事項が、紛争のもとになることもあります。
たとえば、一番介護をしたのは長女なのに、「一番、介護をしてくれたのは長男だから」と書くなど、生前贈与の理由があきらかに客観的な事実と反する場合です。あるいは、一部の相続人に対するいたずらな非難の言葉がある場合も同様です。
こういった内容の付言事項は、モメる原因になりますから避けるのが賢明です。

法定遺言事項
項目遺言事項
身分子の認知遺言者の死亡と同時に効力を生じる。必ず遺言執行者が、その就任から10日以内に、認知に関する遺言の謄本を添付して、認知の届出をしなければならない。
未成年後見人の指定
未成年後見監督人の指定
未成年後見人・未成年後見監督人の指定をすること。遺言者の他に親権者がいる場合はできない。
相続相続人の廃除
廃除の取消し
廃除によって相続権をなくすことができる。必ず、遺言が効力を生じた後、遺言執行者が裁判所に請求しなければならない。廃除は相続人の死亡時に遡って効力を生ずる。
相続分の指定
または指定の委託
法定相続分と違う相続分を指定すること、それを第三者に依頼することができる。ただし、遺留分に反することができない。
遺産分割方法の指定
または指定の委託
各相続人にどんなものを相続させるか指定すること、それを第三者に依頼することができる。
遺産分割の禁止相続開始から5年間にかぎり分割を禁止するよう指定することができる。
特別受益の持ち戻しの免除持ち戻しは、相続人間の衡平を図るために行うものである。被相続人が免除の意思がある場合は、生前贈与分を相続財産に組み入れなくてもよくすることができる。ただし、遺留分に反することができない。
相続人相互の担保責任の指定担保責任の範囲を変更することができる。指定がない場合は、相続分に応じて、担保責任を負うことになる。
遺留分減殺方法の指定遺贈の減殺の順序や割合を決めること。
遺贈相続人以外の人にも財産を残すことができる。遺贈には特定遺贈と包括遺贈がある。
財産処分寄付行為財団法人を設立するための手続きを寄付行為という。
信託の設定信託銀行に財産を管理・運用してもらうこと。
遺言執行者の指定
または指定の委託
遺言執行者を指定すること、それを第三者に依頼すること。
その他祭祀主宰者の指定系譜、祭具、墓などを承継する人を指定できる。
生命保険の受取人の変更生命保険の受取人を変更すること。

遺産を把握して、書き残しておく6章 遺言書作成&相続税対策を弁護士に相談

遺言を残す際は、すべての財産を明記しておくことが大事です。

「預貯金は、どこの金融機関にどれだけあるか」「不動産の所有の有無」「借金の有無や額」などを一覧表にして残しておくのです。
遺産の内容を把握している人がいない場合、遺産の確定のために、相続人らに余分な時間や費用などを使わせることになってしまいます。相続人は、たいてい近しい家族ですが、家族といえども必ずしも被相続人の財産すべてを把握しているとはかぎりません。もしかしたら、見つけだすことができない財産もあるかもしれません。
遺言で財産を明記することは、遺産の探索の手間がかかることを回避することにつながるのです。
一方で、遺言に財産を明記することは、自分の財産について把握する良いきっかけになります。一度整理するつもりで財産目録を作成してみてはいかがでしょうか。

無効になる遺言内容

遺言で書けば何でも有効になるわけではありません。遺言事項以外に関する記載は、無効になります。
たとえば、大切なペットに全財産をあげたいという内容の遺言は無効です。受遺者が人ではない場合は、その遺言は無効なのです(法人は可能)。
「公序良俗」(公の秩序または一般的な倫理のこと)に反した遺言も無効です。例えば、「○○○に痛い思いをさせてくれたら500万円を遺贈する」「○○○を殺してくれたら全財産を相続させる」といった犯罪につながるような内容は無効です。
しかしながら、「公序良俗」に反するとして、不倫関係にあった女性に対する遺贈に対し遺族が遺言の無効を主張したケースでは、遺言は無効になりませんでした。不倫は公序良俗に反する行為ですが、一概にすべてを無効にするわけではありません。具体的事情を総合的に考慮して判断されるのです。

遺言は夫婦で書いてはダメ6章 遺言書作成&相続税対策を弁護士に相談

遺言は、夫婦で一緒に残すことができません。

2人以上の者が同一の証書を用いて遺言をすることを共同遺言といい、共同遺言は民法によって禁止されています。

その理由としては、

①各遺言者の意思が相互に制約され遺言自由の確保が困難であること
②遺言者の一方が死亡した場合に他方がもはや遺言を撤回できなくなるため遺言撤回の自由を妨げること
③遺言の効力発生時期につき問題が生じること
などが挙げられます。
つまり、2人で遺言を書くことによって、遺言の解釈が複雑になってしまうので禁止されているのです。どんなに仲の良い夫婦であっても共同で遺言をすることはできません。
必ず一人ひとりが個別の遺言を残すようにしましょう。

遺言執行者の指定6章 遺言書作成&相続税対策を弁護士に相談

遺言を書くと同時に「遺言執行者」を指定することも重要です。

遺言執行者とは、遺言内容を実現してくれる人のことです。
せっかく作成した遺言も、そのとおり実現されなければ意味がありません。遺言には各相続人以外への遺贈などを含め、財産処分に関する遺言者の意思が書かれています。
遺言者の一方的な遺言によって財産が特定の受遺者の手に渡る遺贈の場合など、その保管や引き渡し、登記といった遺言を執行するためのさまざまな手続きが発生します。そういった手続きを行うのが遺言執行者です。
そうした手続きが必要ない場合には、必ずしも遺言執行者を指定する必要はありませんが、遺言どおり財産処分をしてもらいたい場合は、事前に法律に詳しい信頼のおける人に依頼しておきます。遺言の内容に偏りがある場合などは、遺言執行者となった者が非難を受ける可能性があります。
また法的知識を要する場合もありますので、遺言執行者は相続人やその関係者ではなく、弁護士などの専門家に頼んだほうが安心です。
遺言作成を依頼された弁護士が遺言執行者に指定されることもよくあります。

生前贈与と生命保険について6章 遺言書作成&相続税対策を弁護士に相談

遺産相続でモメないための方法として、生前贈与や生命保険を活用することが挙げられます。

まず、生前贈与についてですが、親が生きているうちに子どもに財産を渡すことです。
「贈与」とは当事者の一方が自己の財産を無償で相手に与える意思を表示し、相手方がこれを承諾することによって成立する契約をいいます。つまり「〇〇をあげます」と言い、「〇〇をいただきます」という意思表示があれば成立する契約です。
生前贈与をすることで、後の遺産分割協議でモメることを避けられます。生前贈与は、いわば「生きているうちにやってしまう遺産分割」です。相続人も被相続人が自分の意思で贈与した事実を重く受け止めるため、モメにくくなります。
贈与をすることで発生する贈与税は、相続税と比べて税率が高く設定されていています。ですから、生きているうちに財産をあげると、結果として税金を多く払うことになります。
もっとも、年間110万円を超えない贈与であれば、贈与税は発生しません。つまり、毎年110万円を超えないかぎりで、10年間、二人の子に対して贈与を行ったとすると、無税で総額2200円のお金を移動させることが可能になるのです。このことから、生前贈与は相続税対策として利用されます。
ただし、相続開始からさかのぼって3年以内の贈与は、110万円を超えていなくても相続税の計算の際に相続財産の中に加算されますので注意が必要です。
贈与と相続は密接な関係にあり、贈与税は相続税を補完する税として位置付けられています。贈与税がなければ、生前贈与で財産すべてを妻子などに贈与してしまうことで、相続の際に相続税が一切かからなくすることが可能になってしまうからです。行き過ぎた相続税対策を規制するために贈与税があります。

また、贈与税と相続税を一体化して精算する「相続時精算課税制度」を利用することもできます。
贈与時に贈与された財産に対して贈与税を支払い(複数年を通した特別控除額があり、2500万円までは贈与税はかかりません)相続後に贈与により取得した財産の価額と相続により取得した財産の価額とを合計した価額を課税価格として計算した相続税額から、すでに支払った相続時精算課税にかかる贈与税の税額を差し引いた金額をもって、その納付すべき相続税額とする方法です。
贈与税と相続税が一体化した制度のため、相続時精算課税制度の下で贈与を受けた財産が、相続税の計算の際に加算されることになります。すでに納めた贈与税については、もちろん相続税から差し引かれますので二重課税はありません。相続税を課した結果、すでに納付した贈与税額が相続税額を上回っているような場合には、その差額が還付されることになります。
適用対象者に年齢制限があり、必ず税務署に申告する必要があるなど、誰もが必ず受けられる制度ではありません。

遺産相続でモメないための方法としては、生命保険の利用も大事です。生命保険は相続と異なり、誰に対しても残しておくことができます(ただし保険金の受取人に対する各保険会社の制約は受けます)。
長男の嫁や孫、あるいは連れ子など、相続人以外の特定の人に財産を残しておきたい場合は、生命保険の受取人に指定しておきましょう。

また生命保険は、遺産相続の調整役や納税資金として必要な現金を用意することができる有効な手段です。納税資金や遺産分割における代償金の準備など、遺産相続には現金が必要となる場面が多くあります。調整役や納税資金としての現金の準備にまで気を付けてあげることが遺産相続においてモメないためのポイントとなります。

借金の整理(借金は先に整理しておくことが大切)6章 遺言書作成&相続税対策を弁護士に相談

借金の整理をしておくことも、遺産相続でモメないための方法として重要です。

可能であれば、生前に弁済しておきましょう。そうすれば相続人が債権者とトラブルになることを防ぐことができます。
仮に戦前に弁済できないとしても、借金について遺言に明記しておきましょう。そうすれば相続人は相続放棄や限定承認すべきなのか、単純承認してよいのか検討することができます。
また、債務額を確認したうえで、特定の相続人に債務を含めた資産を残すこともできます。

プラスの財産ばかりが相続財産とは限りません。相続財産は、被相続人の債務を含めて引き継ぐのが大原則です。限定承認の手続きをとらない限り、プラスの財産は相続するが、借金などのマイナスの財産は相続しないという訳にはいきません。
借金をそのままにしておくと、相続人が借金の山を抱え込むことになりかねません。相続財産の中身を確認し、生前に適切な対応をしておく必要があります。
借金には被相続人が銀行などの金融機関から借り入れていた借金もあれば、事業などでの借金もあります。事業を営んでいる方は特に注意が必要ですが、会社名義の借金でも中小企業の場合は、代表が連帯保証人になっていることも多いようです。このような場合、相続人にとって多大な負担になることがあります。
自分の借金を正確に把握し、もれなく借金をリストアップできるようにしておきましょう。

遺産分割の心得6章 遺言書作成&相続税対策を弁護士に相談

被相続人が亡くなる前に、遺産相続について対策を立てておけば、モメずにすむケースも多いように思われます。

誰であっても「お金の話になると人は変わる」ということは当てはまるのです。被相続人が急に亡くなった場合などは特に、意外なところでモメたりもします。
だから、被相続人の生前に、遺言を作成するなどして対策を講じておくことが重要です。
遺言が残されていなかった場合には遺産分割協議を行うことになりますが、遺産分割協議を行うにあたって、気をつけてほしいことが4つあります。

1.法定相続分にこだわりすぎない

法定相続分を1円単位まできっちり計算して権利主張する相続人がいると、遺産分割協議は紛糾します。「法定」とはいいますが、法定相続分とおりにきっちり分ける義務が課せられているわけではありません。相続人全員が合意すれば、法定相続分を無視した分け方でも、まったく問題はありません。その意味では、法定相続分は、遺産分割における分割基準のひとつの目安でしかありません。
遺産分割協議で法定相続分にこだわりすぎてしまうと、話がまとまらなくなる恐れがあります。

2.議長を決める

物事を決めるのに、議長がいると進みやすいものです。議長は相続人の中から選ぶことも可能ですが、利害関係者から選ぶことで対立が激化してしまう恐れもあります。
相続人の中から議長を選ぶ場合は、議長は自分の主張を抑え気味に主張する覚悟も必要です。
できれば、議長は利害関係者以外から選ぶのが賢明です。弁護士が議長になって進める遺産分割協議も検討してもよいでしょう。第三者に議長を依頼するときは、相続人全員の合意の基に依頼するほうが無難です。

3.外野席の人間に口を出させない

遺産分割協議に実質的に参加している人間は、相続人の数以上にいます。よくあるのが相続人の配偶者が口をはさむケースです。
配偶者は、相続人と一緒に暮らしていますから、別々に暮らす兄弟よりも相続人にとって近しい存在です。しかも利害関係は一致しています。「兄弟姉妹は平等なはずだ」と主張する次男の嫁に対して、長男の嫁は「長男だからたくさんもらって当然」と譲りません。
配偶者が遺産分割協議に口を出してくると、協議はこじれます。
相続人の子どもが口を出してくる場合もあります。親が相続で引き継ぐ財産は、いずれ親が亡くなった時の相続で自分が相続するのだという意識からでしょうか、親にもっと頑張るように発破をかける子どももいます。
地方の古い家ですと、本家や分家の代表を名乗る人間が口を出してくることもあります。
遺産分割における当事者はあくまでも相続人だけです。相続人以外の利害関係者は事実上の利害関係があるだけで、当事者ではありません。
配偶者や周りの人の意見があまりにも強く反映されると、全員合意が必須の遺産分割協議は収拾がつかなくなります。

4.昔の話を持ち出さない

遺産分割協議でよくあるのが、昔の話を持ち出してひっくり返す相続人同士の争いです。相続人のうちの1人が昔の話を持ち出すと、他の相続人も昔の話を蒸し返し始めます。
昔の大学の学費から結婚の際の持参金、マンションの頭金やリフォーム費用、子どもの入学祝、車の頭金まで、次から次へと出てきます。
昔の話をして感情的になっていては、全員合意が必須の遺産分割協議は合意に達することができません。完全な平等など無理なのですから、昔の話を持ち出しすぎずに話を進めることも重要です。

相続税対策6章 遺言書作成&相続税対策を弁護士に相談

遺産相続においてモメる対象は遺産分割だけではありません。

「相続税」も遺産相続で重要な問題です。
相続税の納税を心配している相続人はたくさんいます。
相続税はすべての遺産相続において課税されるわけではありません。財産額が基礎控除額を上回らなければ納税義務は生じないのです。これまで基礎控除額は、5000万円+(1000万円×法定相続人の数)と定められていたのですが、相続税に関する法改正がなされ、2015年1月1日以後に発生する相続については基礎控除額が3000万円+(600万円×法定相続人の数)となりました。相続税の基礎控除額が引き下げられたことにより、改正前は「相続税とは無縁」と考えていた人も、改正後は課税対象者になる可能性が出てきました。こうした相続税増税の動きを受けて、相続税に関心を持つ人は多いのです。相続税については間違えてしまうと後で修正ができないという緊張感を持って考えていることもあるからでしょうか。

まずは相続税が課されるかどうかを調べておくことが大切です。
相続税は、遺産である財産の金額に対して課税されます。したがって、遺産である財産がどれだけあるのか、全体像を把握する必要があります。
預貯金でしたら預金通帳に残高が書いてありますので、すぐに把握できます。株式などは、新聞に銘柄の終値が書いてありますので、単純に「終値×株数」で現在の価値がわかると思います。不動産についても、路線価などからおおよその計算をしておくとよいでしょう。
現在の財産がいくらあるのかを把握すれば、相続税対策が必要かどうかを判断することができます。

納税資金確保の重要性

なぜ、相続税が科されるかどうか調べておく必要があるのでしょうか。
それは、相続税の納税資金を確保する必要があるからです。
相続税だけでなく税金は原則として、現金一括で納めなければなりません。しかも、相続税が発生するような相続の場合、相続税は数百万円、数千万円など高額になる可能性が非常に高いのです。
もちろん「相続で遺産をもらえるから、そこから税金を納めれば心配ないのでは?」と考える人もいるのではないかと思います。
しかしながら、国税庁の統計によりますと、平成26年に発生した相続において、遺産のうち現金・預貯金の割合は26.6%に過ぎません。その他の財産として、不動産が46.9%、有価証券が15.3%ほど。遺産のほとんどが土地か家屋などの不動産であり、現金は少ないのです。
特に農家の方やマンション経営をされている方は、遺産のほとんどが自宅と田や畑、あるいは、マンションや土地と建物といった不動産であることも考えられます。場合によっては、現金をほとんどもっていないということも大いに考えられます。
相続税を納めるだけの現金がないとしたら、最悪の場合、マイホームを売却してでも現金を作らないといけません。
ここに、相続税の納税資金を確保する必要性があるのです。
相続税が発生することがわかったら、次に納税資金確保のための対策を考えます。納税資金対策が成功すれば、先祖代々の土地を相続税の支払いのために売却をするといったことを防ぐことができます。

相続税対策は長期の準備が必要6章 遺言書作成&相続税対策を弁護士に相談

相続税の問題は、問題が起きた時に対応すればよいものではありません。

相続税問題はいつから対策を始めたらよいのでしょうか。
相続税対策としてすべきことはたくさんあります。しかしそのほとんどは生前から始める必要があり、相続が始まってからあわてて対策を始めても遅いのです。
たとえば年間110万円までの生前贈与をすることによって相続財産を減らす方法は、相続開始前3年間からは相続税がかかってしまいます。
相続財産の評価額を下げるために更地に建物を建てて賃貸に出そうと思っても、時間がかかる話です。
相続時精算課税制度を利用しようとすれば、生前に計算をして手続きをする必要があります。
相続税問題は計画的に対策を立てる必要があるのです。
個人経営者であれば後継者問題などを家族間で話し合う必要がそもそもあるでしょう。
税金の側面からも遺産相続において対策を立てる必要があります。税金の側面からの対策は時間をかけて行う必要がありますから、今すぐ行動を起こすのがよいでしょう。

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