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    [CATEGORY]:事業承継紛争・お家騒動の実例

クーデターを成功させないために【エイベックス】[POSTED]:2019-10-08

会社の生命線を掌握する

社内クーデターを成功させないためのポイントは、アーティストの掌握である。
ヒット次第で業績が上下する「水モノ商売」の音楽ビジネスにおいて、アーティストは利益の源泉である。特に固定ファンを多く抱える人気アーティストは、ドル箱的存在であり企業の生命線。松浦氏らの突然の退社に対して、浜崎あゆみ氏ら人気アーティストが「松浦氏がいないエイベックスは終焉」とコメントし、反旗を翻した時には、エイベックスはさぞ肝を冷やしただろう。
制作部門を指揮するヒットメーカーの松浦氏の存在は大きく、また、アーティストたちの信頼も厚い。そのため、アーティスト掌握になくてはならない松浦氏をうまく抱え込んでおくことは必須だった。千葉氏の問題処理にあたって、松浦氏にクーデターのきっかけを与えてしまったのが最大の敗因。

エイベックスの騒動は、モノ作りの会社において、モノ作りを担う者がいかに重要なのかがわかる事例であり、同時に、株による経営の支配だけでは経営者としての地位が安泰ではないことも学ぶことができる。
元々「アーティスト寄り」の松浦氏と「経営第一」の依田氏の間で、徐々に経営方針の違いが表れていたという。クラシックへの進出など多様化を志向し、ネット配信に慎重であった依田氏に対し、松浦氏など若手経営陣はネット配信も含めた新ビジネスモデルへの進出に前向きであった。

ベンチャーとして創業した当時は仲間意識が強く、全員同じ方向に向かって突き進んでいるため、摩擦や衝突は起こりづらい。しかし、会社が成長し大きくなるにつれ、それぞれの思惑が交錯し、内部対立が起こりやすくなる。
依田氏は当時18%超を保有する筆頭株主だったが、このクーデターをきっかけに、筆頭株主の座をUSENに譲ることになり、最終的にエイベックスから追い出されることとなった。
経営者として、人材をうまく扱うことも大事な能力。松浦氏に関係する事項は、特に慎重に扱うべきだった。株主総会でも人気アーティストによる株主専用ライブを行うほど、アーティストの力を前面に押し出して経営していたエイベックス。

人気アーティストが公の場で経営に口出すことは、評価が分かれるところだろうが、利益を生み出すアーティストをコントロールし切れなかったことが、松浦氏によるクーデターを可能にさせ、自らの首を絞めることになった。

アーティストの対外活動を掌握

このような事態を避けるための解決策の一つとして、アーティストのマネジメント子会社の掌握が挙げられる。エイベックスは、レコード会社としては珍しくマネジメント会社まで持ち、アーティストのマネジメントまで一手に行っていた。その点を活かしてアーティストのマネジメント面を握り、対外的な活動を掌握することで、アーティストを増長させないようハンドリングすることも可能だったかもしれない。

株の買い増しも検討

一方で、仮に一時的に経営を譲ったとしても、のちに戻ってこられるだけの力を付けておくことも重要。
依田氏は当時、筆頭株主だったが、保有比率が18%超であり、経営の絶対的支配権を握るまでではなかった。議決権ベースで過半数となるよう株を買い増しし、裏から松浦氏を操れるほどの力を持っておくことも検討できたはずだ。

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