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    [CATEGORY]:会社支配権争い

社長交代劇の仕組み【大塚家具】[POSTED]:2019-07-29

事業承継でのポイントである社長交代劇

勝久氏と久美子氏の間では、これまで三度も社長交代劇が行われている。
お家騒動での転換点となる社長交代劇。社長の選任・解任の仕組みについて説明しておく。社長とは、株式会社を代表して業務を執り行う権限(代表権)を持つ取締役のことで、一般的には社長が代表取締役に就任する。

取締役会のある会社の社長は、株主総会で選任された取締役の中から選ばれる。

通常、取締役の選任議案が可決された株主総会後に、速やかに取締役会が開催され、新たな取締役の中から代表取締役が多数決で選出される。
逆に、代表取締役の解任(社長から代表権のない取締役への降格)も、取締役会で多数決により決定する。

つまり、取締役会の多数派を味方につければ、現社長を降ろし、新たに社長になることができる。これが社長交代劇・クーデターの仕組みである。

自社株の過半数を持つことが重要

しかし、取締役会の多数派を押さえても、社長の地位は必ずしも安泰ではない。
代表取締役は取締役でなければならず、その取締役の選任は株主総会において出席株主の議決権の過半数の賛成を要する。
つまり、反社長派が、議決権ベースで過半数を超える持株比率を押さえれば、株主総会で社長を引きずり降ろすことも可能になる。

社長がその地位を確固たるものにするには、社長自身が議決権ベースで過半数を超える自社株を持ち、かつ、取締役会の多数派であることが必要だ。
取締役会は、株主が参加する株主総会と違い、密室で取締役のみが出席して行われる。そのため通常、社長交代劇やクーデターでの当事者の間での応酬を一般の人が見聞きすることはできない。大塚家具の事例は、記者会見や株主総会を通じて実際の親子同士の言い争いが公開された非常に稀なケースであり、国民の注目を集めたお家騒動となった。

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  • 2019-07-29
  • [CATEGORY]: 会社支配権争い
  • [AUTHOR]:遺産相続の弁護士・税理士 永田町法律税務事務所

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