【遺言者本人の意向確認】遺言無効確認訴訟を検討したい

【遺言者本人の意向確認】遺言無効確認訴訟を検討したい

[投稿日]: [投稿者]:
[サブカテゴリ]:

【遺言者本人の意向確認】遺言無効確認訴訟を検討したい

相談者からの相談内容

父が亡くなり、兄と相続でもめています。 父の遺言が見つかったのですが、生前に聞いていた父の意向とは大きくかけ離れています。 不動産を私に相続させると言っていたにもかかわらず、実際には遺言で兄が相続することになっています。 また相続財産のほとんどを兄が相続する内容の遺言になっています。 遺言は公正証書遺言です。 父が認知症になっていたと思われる時期に書かれており、遺言無効確認訴訟を提起することを考えています。 公正証書遺言に対する遺言無効確認訴訟は勝ち目が薄いとも聞くので、当たりをつけたいのですが調査段階で当たれることはありますか。
弁護士からの
一言アドバイス
「学ぶ」コーナーでまずは勉強 頃合を見計らって弁護士に依頼 状況によって弁護士に依頼 至急弁護士に依頼することが望ましい 今すぐ弁護士に依頼することが望ましい
今すぐ弁護士度
簡単に解決できる見込み やや簡単に解決できる見込み 解決できる見込みあり 解決するのがやや難しい 解決するのが難しい
解決難易度

公正証書遺言の履歴、公正証書遺言の署名、認知症状況

公正証書遺言というと、印字されているので遺言者本人の残した痕跡がなかなか残りません。
しかし唯一、署名欄については原本に残っていることがあります。
公正証書遺言は公証人が署名を代筆できるので、必ず残っているとは限りませんが、正本で確認して原本に遺言者本人の署名が残っているかを確かめましょう。
原本に遺言者の署名が残っているのであれば、原本の謄写をします。
原本は公証役場に保管してあるので、公正証書遺言が保管されている公証役場に問い合わせます。
また公正証書遺言は必ずしも1通しか残っていないとは限りません。
複数の公正証書遺言が残っている場合は、内容の変遷に合理的理由があるかどうかも問題になります。
公正証書遺言の作成時期の間隔はどの程度になっているのか。
あまりにも詰まっていて内容が180度違っているのであれば、場合によっては遺言の有効性に疑義を生じさせる可能性があります。
過去の公正証書遺言の作成履歴については、全国のどの公証役場においても確認ができます。
公正証書遺言の原本の署名とは異なり、公正証書遺言を作成した公証役場でなくても確認できます。
遺言能力を問題にする場合、認知症と遺言能力の欠如は異なる概念ではありますが、まずは認知症についての確認をすることになります。
カルテや診断書、診断記録、看護記録、認知症テストは医療機関に、介護認定調査票は実施した自治体に問い合わせます。
相続人であれば対応するはずですが、まれに対応してもらえないことがあります。
この場合には弁護士を通じて照会をすることになります。
初めから弁護士からの照会をすると、逆に弁護士からの照会には応じない医療機関もあります。

ここがポイント!

公証役場にて原本の署名確認

その他の公正証書遺言の有無についてはどこの公証役場でも確認可能。

[投稿日]: [投稿者]:永田町法律税務事務所

この記事が参考になった方はクリック!

同じカテゴリーの相続相談事例 [カテゴリー:遺言編]

2019-08-20[カテゴリー]:
書き直された遺言の有効性を争いたい。
祖父が亡くなりました。 祖父には3人の子どもがいましたが、長男である私の父は既に他界しています。祖母は20年前に亡くなっているので、祖父の相続人は、二男とそして孫である私たち兄弟の3人です。 私の家系は代々医師として医療に携わっており、祖父は病院を経営していました。ちなみに、私も…[サブカテゴリー]:
2019-08-20[カテゴリー]:
認知症の祖父との贈与契約
認知症の祖父との間で贈与契約を締結しました。 その後まもなく祖父は亡くなり、相続が発生しています。 祖父が亡くなったことで相続人となったおじが、祖父との間で交わした贈与契約の有効性を問題にしています。 遺言の有効性が問題になることはよくありますが、贈与契約も問題になるのでしょうか…[サブカテゴリー]:
2019-08-20[カテゴリー]:
なんと遺言は2通あった!2通目の遺言の有効性が怪しい。
先日、父が亡くなりました。母は10年前に亡くなっていますので、相続人は長女である私、次女(妹)、長男(弟)の3人です。 母が亡くなった直後、私は父から遺言を作ったと聞きました。 長年連れ添った母が亡くなり、これからのことが不安になったため、遺言を作成したとのことでした。 そ…[サブカテゴリー]:
O家の事例:家系図参考になった!8
2019-08-20[カテゴリー]:
遺言無効確認訴訟の勝訴見込【吟味すべき証拠】
父が亡くなり、遺産分割調停を母と兄が申し立ててきましたが、取り下げられました。 取り下げる際に、唐突に遺言の存在を明かされました。 自筆証書遺言で、不動産について母に相続させるというものです。 筆跡は確かに父のもののように見えるのですが、おぼつかない筆跡です。 主治医は自分で判断…[サブカテゴリー]:
2019-10-29[カテゴリー]:,
【金持ちの令嬢必見?】結婚前の相続対策【相続させない方法】
家業を営んでいます。1人娘が結婚するのですが正直、私たちの家の財産が目当てなのではないかと思えて仕方がありません。こんなことを言わずに、素直に喜ぶべきかと思うのですが、もともとお金に困っていそうな方なので、今後のことが心配です。この前も一緒に食事をした時には、うちの会社があたかも…[サブカテゴリー]:

参考にしたい相続関連記事

2019-08-19
熟慮期間の伸長 -相続の放棄と承認
熟慮期間の伸長相続の放棄と承認 相続放棄も限定承認も、自己のために相続の開始があったこと知ったときから3か月以内(熟慮期間)に行わなくてはなりません。しかしながら被相続…
2019-08-28
二つの「K」【キタムラ】
同じ横浜元町に存在する2つの「K」 キタムラブランドを示す「K」マークを使用したバッグで有名な老舗企業「キタムラ」における「K」を巡る仁義なき戦いについて紹介しよう。1882年に北村商店と…
2019-02-13
【相続税の申告期限を徒過してしまうデメリットも】遺産分割で時には時間を稼ぐ弁護士
遺産分割には締切りがない 弁護士は遺産分割事件を早く解決する責務を負っているといえるでしょう。訴訟経済といって、時間的に合理的な訴訟を行うことが民事訴訟では要請されています。昔の裁判はひど…
2017-07-24
火葬~
火葬~ 納めの式 火葬場へ向かう車には、喪主は位牌を、遺族は遺影を持って乗ります。火葬場へ到着した際に、まず管理事務所へ火葬許可証を提出し…
2017-11-21
遺産相続モメるベスト10 [6~10位]
遺産相続でモメる原因の6位から10位をご紹介します。仲の良かった家族でもトラブルになってしまう相続問題。正しい知識を身につけて、上手に対処しましょう。 …
2018-07-06
【円滑な事業承継のためには遺留分制度を見直すべき】事業承継で足かせになる遺留分
遺留分が主張されることについて共感が得られやすい典型例は、長年夫を支えてきた妻子がいるにもかかわらず、夫が死の直前に若い愛人を作ってしまい、「自分の死後は愛人に全財産を与える」という遺言を残…
ページトップへ

カテゴリ別 相続相談一覧これまで弁護士に寄せられたカテゴリ別相続問題

遺 言
遺言無効を争う
遺留分を争う
  • 遺言無効
    確認訴訟
  • 遺留分
    減殺請求
  • 遺言執行者
    解任
だましうちで遺言を書かせる。財産の不正操作の常とう手段です。遺言無効確認の訴えや、遺留分減殺請求などにより、財産の不正操作と戦います。
遺産分割
財産の不正操作に
要注意!
  • 預金の
    無断引出
  • 名義の
    無断書換
預金を勝手に引き出したり、不動産の名義を勝手に書き換える。財産の不正操作と徹底的に戦う覚悟がある方のお力になります。
不動産相続
評価や分け方で
モメる不動産相続
  • 評 価
    トラブル
  • 分 割
    トラブル
  • 不動産の
    不正操作
分けられない財産の典型である不動産。不動産の評価について相続人間でモメます。そもそも不動産が相続財産かどうかも問題になります。不動産を独り占めする財産の不正操作と最後まで戦います。
事業承継
同族会社の
内部紛争に勝つ!
  • 取締役の
    不正追及
  • 株主総会
    の形骸化
同族会社の内部紛争や支配権争いでお悩みの方のお手伝いをします。事業を営む方の相続問題は通常の相続以上に複雑です。会社の支配権を勝ちとり、事業を守り抜きます。
国際相続
国外財産があると
どうなるの?
  • 海外財産
  • 海外在住
  • 国際結婚
相続財産が海外にある場合、手続きが複雑になります。国内財産の分け方も絡む紛争を総合的に解決します。
相続税
節税対策の
ポイントを知りたい
  • 税務調査
  • 税務訴訟
  • 相続税の
    還付
生前にどれだけ詳細にシミュレーションすることができたかで、相続税対策は決まります。遺言内容にも影響しますので、多方面からの検討をする意味でも弁護士兼税理士にお任せ下さい。