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相続税の課税のしくみ相続税の税理士

相続税の課税のしくみ

相続税には大きく分けて遺産課税方式と遺産取得課税方式という二つの課税方式があります。

課税方式と納税義務者
相続税課税方式納税義務者
日本法定相続分課税方式相続人/受遺者/受贈者
アメリカ
イギリス
遺産課税方式遺言執行人
ドイツ
フランス
遺産取得課税方式相続人
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遺産課税方式

課税の公平が保たれる方式

遺産課税方式とは、相続人の数や遺産分割の内容に関係なく、亡くなった人(被相続人)の遺産に焦点を当て、被相続人の遺産そのものに課税する方式です。
流れとしては、先に被相続人の遺産全体に対して相続税を課し、課税した後の残った遺産を共同相続人で分割します。この方式ですと、相続人の間でどのような割合で遺産の分割を行っても、被相続の遺産に対して課税される相続税額が左右されるようなことがありません。
例えば、「被相続人の遺産の総額が5億円ならば、相続人たちでどのように遺産分割をしても相続税は○○円」というように。この結果、「課税の公平」が保たれるというメリットがあります。

アメリカやイギリスでは、この遺産課税方式を採用しています。この方式の場合、相続税の納税義務者は「相続財産の遺言執行人」となります。

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遺産取得課税方式

各相続人の公平が保たれる方式

遺産取得課税方式とは、各相続人等が引き継ぐ遺産に焦点を当てた、相続によって財産を取得した相続人に対して課税する方式です。
流れとしては、被相続人の遺産分割を行って、相続人ごとが実際に取得した財産に対して、各相続人が相続税を支払います。相続税においては、超過累進税率が適用されるため、相続した財産の額が高ければ高いほど、相続税の額は高くなります。つまり、遺産取得課税方式の場合では、たくさん財産をもらった人はたくさん税金を支払う、少ない財産しかもらわなかった人は税金も少なく・・・というように「各相続人の公平」が保たれるという長所があります。また結果として富の集中化が押さえられることになります。
ただし、この方式ですと、遺産分割の仕方で、本件相続にかかる相続税の総額が違ってくることになります。例えば、遺産額が10億円で共同相続人が2人の場合。2人が財産を等分して5億ずつ取得した場合と、Aが8億円、Bが2億円に分割した場合では、各人が相続した額にかかる税率が異なることで、結果として本件相続に対して支払う相続税の総額が違ってくることになります。

ドイツやフランスでは、この遺産取得課税方式が採用されています。この方式の場合、相続税の納税義務者は「各相続人」となります。

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日本の課税方式

複雑な課税方式

日本の課税方式は、遺産取得課税方式を基礎とした法定相続分課税方式が採られています。
遺産取得課税方式には「相続人間の税負担の公平を保てる」という長所があるといいました。一方で、この法式では偽装した遺産分割によって相続税を少なくすることも可能という、国にとってはデメリットな部分もあります。そこで、両方カバーが出来る方法がないかと検討した結果、遺産取得課税方式の建前を基礎とした「法定相続分課税方式」が採られるようになりました。この結果、遺産分割の仕方によって相続税の総額が違ってくる点を、回避することができるようになりました。

法定相続分課税方式は、まず、被相続人の遺産を各相続人の法定相続分で取得したと仮定し、各人が取得する遺産額から各人の相続税を計算します。各人の相続税額を合算することで、その被相続人の遺産全体に対する「相続税の総額」を求めます。次に、相続税の総額を、実際に行った遺産分割の割合で、各人が負担する税額を求めます。
この方式ですと、同じ遺産総額、同じ法定相続人の数の相続においては、その後に遺産分割でどのように分割しても「相続税の総額」は変わりませんので課税の公平が保たれます。また実際に相続した財産に応じて各人の相続税が累進課税で計算されますので、各相続人の公平が保つことができます。

一方、同じ法定相続人でも、異なる遺産総額の相続の場合には、遺産分割の結果、同じ金額を相続することになっても負担する相続税額も違うことになります。
例えば、法定相続人がA、Bの2人で、各人が次のとおり相続財産を取得するとします。

  • ①「遺産総額が6億円で、相続人Aが1億円、相続人Bが5億円相続する場合」
  • ②「遺産総額が1億円で、相続人Aが1億円全額、相続人Bはゼロ円の場合」

上記の場合いずれのケースも、相続人Aが「1億円」を相続することには変わりません。
しかし、納付しなければいけない相続税の金額は違います。単純に計算しますと、
①の場合の相続税は約3150万円、②の場合の相続税は約770万円になります。

※この計算は税額控除などを考慮せずに計算しています。

「1億円」を相続するという事実は変わらないものの、遺産総額によって、支払う相続税の額が全く違うことがわかります。
1億円を相続した相続人の相続額がいくらになるのかという相談に対して、それだけでは、簡単に「〇〇〇万円です」と答えることはできません。

日本の場合は、もともとアメリカやイギリスのように「遺産課税方式」が採られていましたが、昭和25年に「遺産取得課税方式」に改められ、昭和33年には遺産取得課税方式を基礎とした「法定相続分課税方式」を採用して、今日に至っています。
なお、現在の課税方式では、計算が複雑であることから、日本では「遺産取得課税方式」への見直しが検討されています。相続税の大幅見直しが注目されています。

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