sozoku.com相続専門の弁護士・税理士による
ワンストップサービス

相続Q&A 遺産相続の弁護士・税理士相談はお任せ下さい|sozoku.com

Q15.相続税を安くしたい[POSTED]:2019-08-25

相続税の仕組みを知る。相続財産を減らす。評価を下げる。特例を利用する。

相続税を低く抑えたいという思いは強いようである

実際に、相談者の中で相続税がかかる方が増えた。
昔はもめ事は弁護士に、相続税は税理士にというすみわけ意識があったが、1つの事件でもめていてなおかつ相続税も支払うケースは多い。

相続税の納税義務が広く課されるようになったからなのだが、相続税を安くしたいというリクエストをよく聞く。
相続税が課される仕組みを理解すれば、相続税を安くするにはどうすればよいのかが分かる。

まず相続税は相続財産に対して課される。
厳密には相続財産そのものではないものの、相続財産に準じるみなし相続財産に対しても相続財産は課される。
相続税が課される対象が少なくなれば、当然、相続税額は低くなる。
つまり解決策の1つは、相続財産を減らす。
相続税が課される対象としての相続財産を減らすことで当然、相続税額は低くなる。

ただし減らす方法が贈与になると、一定額以上の贈与には贈与税がかかる。
通常の暦年贈与の方法であれば年間110万円を超えた額に対して贈与税がかかる。
贈与税の税額は一般的に、相続税よりも高いので、相続税を安くするために贈与をすることで本末転倒になってしまう可能性もある。
ただし贈与税は受贈者が払うものなので、複数の受贈者に贈与することによって、贈与税がかからない範囲で少なくない財産を相続財産から減らすことができる。
どういうことかというと、贈与税がかからない限度額は1人の受贈者について110万円。
息子に加えて嫁や孫にも合計3人に贈与をすると、330万円までは贈与税がかからない。子供や孫が複数いれば、年間あたりの贈与税がかからずに贈与できる限度額は意外に大きくなる。

通常の贈与である暦年贈与に代えて相続時精算課税制度を利用することで、2500万円まで限度額は上がるが、こちらは後で相続発生時に支払うことにするものなので、純粋な非課税枠ではないことに注意が必要である。

相続財産を減らすこと以外にできることは評価を下げること。相続財産を減らすことが量的な圧縮ならば、いわば質的な圧縮をするということである。
評価を下げるというのは簡単に言うと、相続税評価額の評価基準が有利な財産に組み替えるということである。
具体的には現金や預金を不動産に組み替える。

不動産は相続財産の評価方法において、現金に比べると圧倒的に有利な計算になる。土地は路線価で計算するのだが、路線価評価は時価の約8割になる。現金を更地に組み替えるだけで約2割も評価が下がる。さらに人に貸し出すと、借地権の分だけ評価が下がる。結果、更地の3割程度の評価になる。もともと1億円の現金が更地を買っただけで8000万円に、さらに人に貸し出すと2400万円に評価が下がる計算になる。
マンションも減価率が大きく、相続税評価において有利である。マンションのような区分所有について単純にいうと、1戸当たりの評価は、土地については土地全体に対する専有面積割合を持っていることになり、建物についてはやはり全体の面積に対して専有面積に応じた割合を持っていることになる。

わかりやすい極端なケースとしてタワーマンションが引き合いに出される。おびただしい数の区分所有者が建物の高さに比して狭小に過ぎる土地を共有しているので、1戸当たりの土地の面積は極めて小さくなるという理屈である。
タワーマンションは市場価格が割高なので購入時に出ていく現金と、手にするマンションの評価額とのギャップはおびただしい。
上層階ほど割高なため、相続時評価額と時価との差は開きやすい。
結果、相続税評価額が市場価格の約2割になるケースは珍しくない。
タワーマンション節税に対して歯止めをかけるべく、2017年4月以降に売買契約が結ばれ、2018年1月1日以降に引渡しがはじまる地上60メートル以上のタワーマンションについて、固定資産税評価額について低層階を低く高層階を高く評価する修正がなされた。

タワーマンションのような極端なモデルを引き合いに出すまでもなく、低層マンションでも圧縮効果は十分に得られる。
タワーマンションについては大規模修繕についての不確実性等が指摘されているが、不安ならば低層マンションでも十分に評価の圧縮はできる。

相続財産の量的質的圧縮を実現する以外には、各種特例を利用すること。
配偶者などの一定の身分関係にあることを利用する特例や、不動産について一定の利用条件に係る小規模宅地等の特例などがある。

相続税がどのようにしてかかるのかを考えると、相続税対策は以下の3つに分類できる。
相続財産を量的に減らす。
相続財産を質的に下げる。
各種特例を利用する。
相続税対策はいろいろあるが、基本的な原理はこの3つしかなく、全ての相続税対策はこの3つのうちのどれかに当てはまる。

この記事と
関連性の高いページはこちら

不動産相続の弁護士.com

不動産相続のことなら『不動産相続の弁護士.com』

分けられない財産の典型である不動産。不動産の評価について相続人間でモメます。そもそも不動産が相続財産かどうかも問題になります。不動産を独り占めする財産の不正操作と最後まで戦います。

相続税の税理士.com

相続税のことなら『相続税の税理士.com』

生前にどれだけ詳細にシミュレーションすることができたかで、相続税対策は決まります。遺言内容にも影響しますので、多方面からの検討をする意味でも弁護士兼税理士にお任せ下さい。

ページトップへ戻る

相続Q&A』のその他の記事

Q79.ルーズでレスが遅い当事者が多数いる。どうしたらいいか
代償分割を活用する 相続手続きは当事者が多数いるため、ただでさえ時間がかかる 銀行に銀行口座の解約を申し出る、証券会社に証券口座の解約を申し出るなど、そのたびに委任状が必要になる。金融機関特有の委任状が求められることもあります。また、担当者が不慣れなときなど、必要書類がころころと変わることもある。いずれも、仲が良く、普段からコミュニケーションをとっている家族同士であれば問題はないかもしれないが、弁護士事務所に来ている時点で、少なくとも潜在的には問題を抱えている方が多いと考え…
2020-04-16 [ 相続Q&A ]
Q78.遺産分割調停で、相続財産の調査や開示命令がなされることはあるか
基本はないので、開示せざるを得ないように追い込む 遺産分割調停に持ち込む事件のうち、すべてが証拠は完璧に揃っているわけではない むしろ証拠が硬くないからこそ裁判ではなく遺産分割調停という手段を選択するという事件もある。 証拠がかたくない事件において裁判をすると、証明責任を負う通常は原告が敗訴をする。証拠がかたくない事件において調停を申し立てると、相手が妥協をしない限りやはり不調停に終わる。当たり前だが、裁判制度は本当にあった真実を映し出す鏡ではない。あくまでも証拠で…
2020-04-13 [ 相続Q&A ]
Q77.不正出金を追及する方法
銀行調査・異なる申告による税務調査 不正出金を追求する方法はないのか 生前に被相続人の預金口座から多額の出金がなされている。なんとか追求したいがどんな方法があるのかという相談を受けることは多い。 全体として銀行口座の調査ができるのは、被相続人の口座のみである。不正出金をしたと疑っている人間の口座を調査することはできない。弁護士による調査方法には限界があることを相談者には説明をしているが、不正出金をした人間の口座を直接調査ができると思っている相談者は多い。相続税の税務調査に…
2020-04-10 [ 相続Q&A ]
Q76.複数の相続人が1人の弁護士を代理人とすることはできるか
できるしそのほうが効率的 昔、弁護士が全くいないかいても一人しかいない地域をゼロワン地域と言った 弁護士会はゼロワン地域の解消を提唱し、弁護士の増加とともにゼロワン地域は減っていった。ゼロワン地域は現在、存在しない。どうしてゼロワン地域は存在してはいけないのだろうか。 まず弁護士が0の地域は、司法サービスが行き届いていないということになり、そのこと自体が問題になるということはわかる。ただ一人しか弁護士がいないゼロワンのワンの地域はどうしてまずいのだろうか。弁護士が一人しか…
2020-04-07 [ 相続Q&A ]
Q75.不動産の評価額について合意が取れなかった場合はどうするか
鑑定士による評価に。コストがかかるので怖気づく当事者がほとんど。 遺産分割において不動産の評価額は争いが起きるポイントの一つである 不動産を取得するものはできるだけ不動産価格を低く評価する。逆に不動産を取得しないものは、不動産をできるだけ高く評価することによって、代償金を多く受け取ろうとしたり、不動産を取得したものに対し他の財産を取得させないようにするだろう。 不動産の評価額は相続税申告において路線価に基づく一点の計算式が確立している。ところが相続税申告の相続税評価額にお…
2020-04-04 [ 相続Q&A ]
ページトップへ戻る
他にはないサービス。無料相談は原則、受け付けません。

無料相談を掲げる法律事務所とは一線を画し、価格競争には参加せず、報酬に見合う良質なサービスを提供しています。他の弁護士事務所にできないミッションを達成し、紛争解決に集中してリソースを割くために、相談対象を紛争性がある相続事件に限定しています。
「内容証明が届いた」「対立当事者に弁護士が就いた」「調停・裁判中」「調停・裁判目前」「弁護士を替えることを検討中」など、紛争性が顕在化している方は電話相談(初回15分)・メール相談(1往復のみ)・土日夜間の電話相談(初回15分)で対応します。

相続税を納める必要があり、
かつ遺産分割でもめている方は相談無料

来所ビデオ通話電話・メール・土日夜間
相続税の納税義務があり、
かつ遺産分割でもめている事件
無 料1時間:62,000円税別電話:初回15分
メール:初回1往復
土日夜間:初回15分
無 料
内容証明が届いた事件1時間:12,000円税別
※来所困難な方に限り、
1時間30,000円税別にて
電話相談に応じます。
対立当事者に弁護士が就いた事件
調停・裁判中、調停・裁判目前の事件
弁護士を替えることを検討中の事件
その他、紛争性がある事件
(潜在的なものも含めて)
非対応
税務に関する法律相談1時間:50,000円~税別1時間:100,000円~税別
国際法務・国際税務に関する法律相談1時間:100,000円~税別1時間:150,000円~税別
来所ビデオ通話電話・メール・土日夜間
内容証明が届いた事件1時間:
12,000円(税別)
※来所困難な方に限り、1時間30,000円(税別)にて電話相談に応じます。
電話:初回15分
メール:初回1往復
土日夜間:初回15分
無 料
対立当事者に弁護士が就いた事件
調停・裁判中、調停・裁判目前の事件
弁護士を替えることを検討中の事件
その他、紛争性がある事件
(潜在的なものも含めて)
非対応
税務に関する法律相談1時間:
50,000円~(税別)
国際法務・国際税務に関する法律相談1時間:
100,000円~(税別)
来所予約・お問い合わせ
03-5532-1112 9:00~18:00 土日祝日除く※お電話又は予約フォームにて法律相談のご予約をお取り下さい。
※小さなお子様の同伴はご遠慮ください。
商標登録を行いました「磯野家の相続」