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Q16.もめてほしくない[POSTED]:2019-08-25

モメを完全に封じることは不可能。100%は目指さない。最低限守りたいものを見極める。

相続についてのもめごとが面倒なことになることを聞いて、自分の家だけはもめごとを防ぎたいと考える方がいる。
事前に策を打てるのであれば打っておいたほうがいい。
もめることが分かっていて、何も対策をとらないという選択肢はない。

もめごとを完全に封じることができるか。
よくいうもめ対策としては、遺言を書くこと。
遺言を書くことでもめごとを封じることができるといわれている。
ところが遺言を書くことだけではもめごとは封じることができない。

遺言の内容がそもそも不平等である場合は、不公平感を感じた相続人が不服を申し立てる。
遺言能力がなかったとして遺言無効確認訴訟を申し立てる。
遺留分が侵害されたとして遺留分減殺請求訴訟を申し立てる。
そして遺言が有効であったとしても、遺留分の計算についてまたもめる。
上記以外にも特別受益や寄与分、不明財産をめぐる訴訟が起こされる。
相続に関する裁判は、2重3重に重なることがあり、全ての紛争が片付くまでに数年越しやひどいケースだと十年以上も裁判をしている兄弟がいる。

遺留分に関する紛争を引き起こさないためにも、遺留分を侵害しないように計算して遺言を書いた場合はどうか。
この場合ももめごとになってしまうことがある。
むしろ遺留分を計算していることが技巧的に見えてしまい、受益相続人がすべて計算して計ったことが強調されて見えることもある。
遺言無効確認訴訟を起こされないように、公正証書遺言で遺言が作成されていることが多いのだが、それでも遺言無効確認訴訟プラス遺留分減殺請求訴訟のフルコースになってしまうことがある。
むしろ遺留分に手当をしている分、遺言に書かれていない隠し財産を掘り起こそうという気持ちに火をつけることもある。

自分がやられたらどう思うかということを考えれば、ちょうど遺留分程度の申し訳程度の財産のみを残す内容の遺言が、きっちりと公正証書遺言で残されていた場合、被相続人も含めて全員に本当に裏切られた気持ちになってしまうのではないだろうか。憤懣やるかたない気持ちから、訴訟で徹底的に真相を究明しようという気持ちになる方もいる。せめて遺留分すら残されていない遺言であれば、書かされた遺言であると思い、遺言者には罪はないと考えるかもしれない。どちらにせよ争いにはなるのだが。

遺言の内容が法定相続人間で不平等が生じないように調整したものであった場合はどうか。そもそもこのような遺言はあまり書く意味がない。特定の財産の帰属をはっきりとさせるという点では意味があるのだが、むしろ相続人間で不平等を生じる内容の遺言であるからこそ、作成する意味がある。極端な話、法定相続分通りという遺言では作成する意味がない。結局は遺産分割協議で話し合う必要があるからである。

相続人間で財産的価値に差があまり生じさせず、特定の財産の分け方を指定する内容の遺言であれば、争いは生じにくい。ただしあまりみないケースで、勝ちに差がない財産を法定相続人に合理的に分けられる財産構成で持っている相続人はあまりいない。
このような状態、つまり自分の財産構成を再検討して合理的に分けられる遺言を作成することこそが、もめにくい相続対策になる。

ただしもめ対策を盤石に行うことは不可能である。
相続財産の範囲や隠し財産についての争いが勃発すれば、遺言作成だけでは封じられない。
推定相続人が相続発生前に親の財産について口を出せないことと同様に、亡くなった後の相続人が裁判をすることについては口を出すことはできない。

相続税の計算のシミュレーションは数字で出せる。
ところがもめリスクはなかなか難しい。
人間の気持ちの問題が大きく左右するからである。
一時はもめるつもりがなかったが、対立する相続人のちょっとした言動で裁判を起こすことを決意したというケースも多い。
自分の死後のことも含めて対策をすることは不可能である。
もめないために対策をすることが重要だが、完全解はない。

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  • 2019-08-25
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  • [AUTHOR]:遺産相続の弁護士・税理士 永田町法律税務事務所

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