sozoku.com相続専門の弁護士・税理士による
ワンストップサービス

相続Q&A 遺産相続の弁護士・税理士相談はお任せ下さい|sozoku.com

Q44.遺言内容は事前に開示すべきか[POSTED]:2019-12-31

開示すべきではない。後でもめ始めるか。今からもめ始めるかの違い。遺言とはそもそも推定相続人のご機嫌を伺いながら書くものではない。生前の財産はそもそも自由に処分出来るもの。

相続財産が相続発生まで被相続人のものであることは間違いない

どう使おうが。被相続人の自由である。
当たり前のことである。
相続人の相続発生までは、相続財産について一切口を出さない。

よくある相談で、お父さんの浪費が激しい。
相続でいずれ自分の財産になるのであるから、浪費を何とかして辞めさせたい、というものがあるが、方法はない。
お父さんの精神状態に問題があって、後見開始の申し立てができるということであれば別であるが、健全な精神状態であれば、親の財産に対して口を出すことができない。
たとえ推定相続人であるとしても、相続はするまではなんら具体的な権利があるわけではないのだ。

相続発生することを条件に、一種の期待権を持っているということで説明される。
これは当たり前の話で親よりも先に子供が亡くなることもあるわけだから、子供が親の相続に対する具体的な権利を持っていない。

相続が発生するまでは親の財産は親のものである。
子どもというのも口は出せない。
親としては、自分で築き上げた財産である以上、子供に遠慮する必要はない。
自分の財産を生前は自分の意思で自由に処分できる以上、遺言の内容を子供に知らせる必要はないだろう。

遺言内容を子供に知らせる必要がないということは、必要がないと言うことだけではない。
弊害すらあるのだ。

相続コンサルタントがテレビで言っていた。
遺言を事前に作成した上で、遺言内容を家族の場合で堂々と発表するべきであると。
内緒にするのは水臭いし、下手に秘密にするからこそ相続発生後にもめる。
もめないためには相続発生前に、家族で話し合うことが重要である。
家族で話し合う。
そう聞くと、実際に家族でとことん話し合ってみたくなる。
平和な世界に導いてくれる魔法の言葉のようにも聞こえる。

実際にテレビ番組で、コンサルタントの主導で遺言が作成され、家族で話し合いが行われた。
遺言で相続財産を少なくされた推定相続人は、納得がいかないようです。
このようなナレーションでVTRは終わり、皆さんで考えましょうと言わんばかりにコーナーはフェードアウトして終わる。
私が思ったのは、この家族はこの後どうなってしまうのだろうかということである。

おそらくこの家族の間には、相続発生前から争いが起きるのではないか。
裁判になるかならないかはともかくとして、心情的なしこりは残る。
それがマグマのような形でどこかのタイミングで噴出する。
もめごとは弁護士の独占業務であるため、相続コンサルタントは関与できない分野である。
知らないからこそ弁護士以外はもめごとに対して楽観的過ぎるところがある。

遺言を書いたこと自体は公開してもよいだろう。
むしろ公開しておかないと、遺言の存在自体が闇に葬られてしまう。
ところが遺言内容は公開すべきではない。
最後の最後まで、相続発生後まで秘密にしておくべきものであると考える。
納得させるためのメッセージは、遺言の付言事項として書き記しておく。
あくまでも著者の見解であるが、家族間の紛争を多く見ている立場として確信していることである。

なお以上のことは、遺言内容が不平等な分割をしていることを前提としている。
逆に言うと、遺言内容が「みんな仲良く3等分に」などの内容である場合は、もちろん公開しても構わない。
ただしそのような内容の遺言、つまり法定相続分に従って仲良くという内容の遺言であれば、特に遺言を書く必要はない

遺言は不平等な分け方をすることが大前提にあって初めて意味を持つ

法定相続分に従ってという遺言であれば、わざわざ遺言を書く必要もない。
遺言を書いても、どのみち遺産分割協議で話し合わなければならなくなり、被相続人の意向に従ってバッサリ決めるという遺言作成の本来の目的は達成できない。

遺言で不平等な分け方をすることに対して、無慈悲だとか、一方的だとかという躊躇を覚える方も多いかと思う。
ところが相続財産は、そもそも相続発生のその時まで、自分の意志だけで自由に処分ができる財産である。
自分自身が一生をかけて築いた財産なのであるから、遠慮もいらない。
どの財産を誰が承継するのか。
高齢者の方はなかなか決断ができない傾向にあるが、それをきっぱりと決断するのが遺言作成である。

この記事と
関連性の高いページはこちら

遺言の弁護士.com

遺言のことなら『遺言の弁護士.com』

だましうちで遺言を書かせる。財産の不正操作の常とう手段です。遺言無効確認の訴えや、遺留分減殺請求などにより、財産の不正操作と戦います。

遺産分割の弁護士.com

遺産分割のことなら『遺産分割の弁護士.com』

預金を勝手に引き出したり、不動産の名義を勝手に書き換える。財産の不正操作と徹底的に戦う覚悟がある方のお力になります。

ページトップへ戻る

相続Q&A』のその他の記事

Q79.ルーズでレスが遅い当事者が多数いる。どうしたらいいか
代償分割を活用する 相続手続きは当事者が多数いるため、ただでさえ時間がかかる 銀行に銀行口座の解約を申し出る、証券会社に証券口座の解約を申し出るなど、そのたびに委任状が必要になる。金融機関特有の委任状が求められることもあります。また、担当者が不慣れなときなど、必要書類がころころと変わることもある。いずれも、仲が良く、普段からコミュニケーションをとっている家族同士であれば問題はないかもしれないが、弁護士事務所に来ている時点で、少なくとも潜在的には問題を抱えている方が多いと考え…
2020-04-16 [ 相続Q&A ]
Q78.遺産分割調停で、相続財産の調査や開示命令がなされることはあるか
基本はないので、開示せざるを得ないように追い込む 遺産分割調停に持ち込む事件のうち、すべてが証拠は完璧に揃っているわけではない むしろ証拠が硬くないからこそ裁判ではなく遺産分割調停という手段を選択するという事件もある。 証拠がかたくない事件において裁判をすると、証明責任を負う通常は原告が敗訴をする。証拠がかたくない事件において調停を申し立てると、相手が妥協をしない限りやはり不調停に終わる。当たり前だが、裁判制度は本当にあった真実を映し出す鏡ではない。あくまでも証拠で…
2020-04-13 [ 相続Q&A ]
Q77.不正出金を追及する方法
銀行調査・異なる申告による税務調査 不正出金を追求する方法はないのか 生前に被相続人の預金口座から多額の出金がなされている。なんとか追求したいがどんな方法があるのかという相談を受けることは多い。 全体として銀行口座の調査ができるのは、被相続人の口座のみである。不正出金をしたと疑っている人間の口座を調査することはできない。弁護士による調査方法には限界があることを相談者には説明をしているが、不正出金をした人間の口座を直接調査ができると思っている相談者は多い。相続税の税務調査に…
2020-04-10 [ 相続Q&A ]
Q76.複数の相続人が1人の弁護士を代理人とすることはできるか
できるしそのほうが効率的 昔、弁護士が全くいないかいても一人しかいない地域をゼロワン地域と言った 弁護士会はゼロワン地域の解消を提唱し、弁護士の増加とともにゼロワン地域は減っていった。ゼロワン地域は現在、存在しない。どうしてゼロワン地域は存在してはいけないのだろうか。 まず弁護士が0の地域は、司法サービスが行き届いていないということになり、そのこと自体が問題になるということはわかる。ただ一人しか弁護士がいないゼロワンのワンの地域はどうしてまずいのだろうか。弁護士が一人しか…
2020-04-07 [ 相続Q&A ]
Q75.不動産の評価額について合意が取れなかった場合はどうするか
鑑定士による評価に。コストがかかるので怖気づく当事者がほとんど。 遺産分割において不動産の評価額は争いが起きるポイントの一つである 不動産を取得するものはできるだけ不動産価格を低く評価する。逆に不動産を取得しないものは、不動産をできるだけ高く評価することによって、代償金を多く受け取ろうとしたり、不動産を取得したものに対し他の財産を取得させないようにするだろう。 不動産の評価額は相続税申告において路線価に基づく一点の計算式が確立している。ところが相続税申告の相続税評価額にお…
2020-04-04 [ 相続Q&A ]
ページトップへ戻る
他にはないサービス。無料相談は原則、受け付けません。

無料相談を掲げる法律事務所とは一線を画し、価格競争には参加せず、報酬に見合う良質なサービスを提供しています。他の弁護士事務所にできないミッションを達成し、紛争解決に集中してリソースを割くために、相談対象を紛争性がある相続事件に限定しています。
「内容証明が届いた」「対立当事者に弁護士が就いた」「調停・裁判中」「調停・裁判目前」「弁護士を替えることを検討中」など、紛争性が顕在化している方は電話相談(初回15分)・メール相談(1往復のみ)・土日夜間の電話相談(初回15分)で対応します。

相続税を納める必要があり、
かつ遺産分割でもめている方は相談無料

来所ビデオ通話電話・メール・土日夜間
相続税の納税義務があり、
かつ遺産分割でもめている事件
無 料1時間:62,000円税別電話:初回15分
メール:初回1往復
土日夜間:初回15分
無 料
内容証明が届いた事件1時間:12,000円税別
※来所困難な方に限り、
1時間30,000円税別にて
電話相談に応じます。
対立当事者に弁護士が就いた事件
調停・裁判中、調停・裁判目前の事件
弁護士を替えることを検討中の事件
その他、紛争性がある事件
(潜在的なものも含めて)
非対応
税務に関する法律相談1時間:50,000円~税別1時間:100,000円~税別
国際法務・国際税務に関する法律相談1時間:100,000円~税別1時間:150,000円~税別
来所ビデオ通話電話・メール・土日夜間
内容証明が届いた事件1時間:
12,000円(税別)
※来所困難な方に限り、1時間30,000円(税別)にて電話相談に応じます。
電話:初回15分
メール:初回1往復
土日夜間:初回15分
無 料
対立当事者に弁護士が就いた事件
調停・裁判中、調停・裁判目前の事件
弁護士を替えることを検討中の事件
その他、紛争性がある事件
(潜在的なものも含めて)
非対応
税務に関する法律相談1時間:
50,000円~(税別)
国際法務・国際税務に関する法律相談1時間:
100,000円~(税別)
来所予約・お問い合わせ
03-5532-1112 9:00~18:00 土日祝日除く※お電話又は予約フォームにて法律相談のご予約をお取り下さい。
※小さなお子様の同伴はご遠慮ください。
商標登録を行いました「磯野家の相続」