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ウルトラマンの身売り【円谷プロ】[POSTED]:2019-09-27
映像制作会社の孫会社となった円谷プロ
ウルトラマンシリーズで有名なテレビ番組や劇場用映画の製作会社である円谷プロダクション(円谷プロ)。「特撮の神様」と呼ばれた円谷英二氏が創業。
円谷プロは創業当時、英二氏の出身会社である東宝との結びつきが強く、東宝の出資を受けて法人化。円谷プロは東宝の子会社となった。
その後、ウルトラマンが大ヒット。
3代目円谷皐氏(英二氏の二男)がオーナーとして円谷プロの経営にあたった。
円谷一夫氏が4代目社長を継いだが、その後、円谷家で経営権を巡ってお家騒動が勃発。その一方、ウルトラマンという圧倒的なコンテンツのロイヤルティを当てにして製作費がかさみ、放漫経営が続いて、円谷プロは慢性的な赤字となっていた。
2007年10月、円谷プロは作品の製作費がかさみ、約30億円にまで膨らんだ有利子負債が重荷となったため、映像制作会社大手のティー・ワイ・オー(TYO)から出資を仰ぎ、経営を立て直すことになった。
円谷プロ株の45.5%を持ち、円谷家が筆頭株主である円谷エンタープライズが、TYOを引受先とする第三者割当増資を実施。TYOは約8000万円を出資し、円谷エンタープライズ株の80%を取得する。
また、一夫会長兼社長が、自身の持つ円谷プロ株 22・5 %を4500万円で円谷エンタープライズに譲渡した。
TYOはこの結果、円谷エンタープライズ株の 80 %を保有することで子会社化し、円谷エンタープライズが円谷プロ株の68%を保有(TYOが円谷プロ株の 54.4 %を実質的に支配)することで、TYOが円谷プロを孫会社化した。
創業家一族が経営から排除された
TYOはその後、円谷エンタープライズ株を追加取得し、100%保有の完全子会社化。その後の紆余曲折を経て、円谷エンタープライズも円谷プロ株を追加取得し、完全子会社化。最終的に2008年1月7日、円谷エンタープライズと円谷プロはTYOの子会社と共に、円谷プロを存続会社として合併した。
TYOはその後、合併後の存続会社である円谷プロ株式を100%保有し完全子会社化に成功した。
しかしその後、円谷プロにとって想定外の出来事が起きる。TYOが2008年に、バンダイナムコグループと資本業務提携を実施したのだ。
- ①TYOは、バンダイナムコホールディングスに円谷プロ株33.4 %を譲渡。
- ②その後 2009年に更に 15・6 %の株を譲渡し、バンダイは円谷プロ株の49%を取得。
- ③また、2010年には、TYOが遊技機販売会社のフィールズに残りの51%を売却。 当時8代目社長となっていた一夫氏は、円谷プロの名誉会長に祭り上げられた挙句、2009年に退任。円谷一族は、円谷プロの経営から一切排除された。円谷一族の追放にウルトラマンは何を思うのだろうか。
- 2019-09-27
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