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クーデター前に旧経営陣を排除【佐川急便】[POSTED]:2019-10-25
クーデターを事前に察知していた
佐川急便の事例は、社長側が事前に反社長派のクーデターを察知していたと思われるクーデターの失敗例。クーデター失敗(仕返し)により、清氏に仕えていた旧経営陣が一掃され、栗和田体制が強固なものとなった。秘密裏にクーデターを準備することの難しさがわかる。
クーデターを事前に察知していたという点で、社長側は経営者として優秀であった。栗和田氏は清氏と経営方針で対立していたようで、栗和田氏からすれば、邪魔な存在である旧経営陣を含めた佐川一族の影響力を一掃したかったのではないかと思われる。
クーデター前に不満分子を取り除く
ただ、クーデターなど社内のゴタゴタは、企業のレピュテーションを毀損し、本業への影響も懸念される。
ベストなシナリオとしては、クーデターを発生させる前に、クーデターを起こす不満分子を全て取り除くことだ。
一つの方法は、株主総会で旧経営陣を取締役から解任すること。しかし、解任には議決権ベースで過半数の賛成を要する。そして佐川一族は20%超の株式を保有しており、株主総会では旧経営陣が有利な状況であった。場合によっては、旧経営陣との委任状争奪戦に発展する可能性もある。
別の方法としては、定年制の導入だ。副社長だった境氏は当時既に60歳を超えており、定年に達しさえすれば自動的に経営陣から排除できる。注意すべき点は、自らものちに定年制に縛られることになるというジレンマだ。特に、佐川一族の光氏は栗和田氏よりも若い。制度設計を間違えると、足元をすくわれかねない。
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