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会社支配のための株買い占めの目安[POSTED]:2019-08-18
事業承継対策で問題となる株保有率
「34 51 67 90」
株主の会社への影響力を把握するうえで、覚えておきたい数字だ。
「34」は、株の持株比率「34%」のこと。自己保有株が強制的に買い取られないためのボーダーラインだ。 企業買収や組織再編の際に、大株主が全部取得条項付種類株式を利用し、残りの株式を強制的に買い上げることができる制度を紹介したが、その買い上げには3分の2以上( 67 %)の株が必要。そのため、 67 %を持たせないために、自らが34%を保有しておけば、強制買取を未然に防ぐことができる。ただし第三者割当増資によって自らの持株比率が低下し、 34%を割り込む可能性もあるので、注意が必要だ。
「51%」は、経営権を奪われないためのボーダーラインだ。代表取締役が株主総会でその地位を追われるのは、自分や自分の味方が取締役として選任されない時。つまり、自らが提案する取締役案が必ず可決される状況を作り出せば、経営権を奪われずに済む。可決に必要な議決権は過半数なので、 51 %を握っておけば確実だ。
「67%」は、全部取得条項付種類株式を利用して他の株式を買い上げる「スクイーズ・アウト」が可能となるライン。67%以上保有すれば、敵対する株主がいても自らの意思で追い出せる。
「90%」は、2014年の会社法改正により新たに創設された株式等売渡請求制度を利用して、 90 %以上を保有する特別支配株主が、残り10%未満の株式を買い上げることが可能になるライン。全部取得条項付種類株式を利用する場合と比較し、株主総会での決議が不要となるなど、手続きが複雑ではなく、手間を減らすことができる。
総議決権ベースで考えておく方が安全
なお、株主総会の普通決議及び特別決議には、〝出席株主〟の議決権の過半数または3分の2以上さえ確保すればよい。議決権を行使できる株主が全員出席することが考えにくい場合もあり、実際に総議決権数の過半数または3分の2まで確保する必要はないともいえる。
しかし、出席割合を事前に正確に予想することは難しいため、総議決権ベースで考えておく方が安全であり、本サイトはその考え方に従っている。また、数字は便宜上のものであり、例えば、「 51 」のケースでは、本来過半数であればよいので、 50・1%でもいい。わかりやすく「 51 %」としている。
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