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円谷一族がウルトラマンを守るためには【円谷プロ】[POSTED]:2019-09-29
第三者割当増資の引受先の思惑を把握
経営上の問題から、第三者による経営参画を認めざるを得ない状況に追い込まれる場合もあるが、第三者を入れるとしても、やってはいけないパターンがある。
円谷プロの事例での間違いは2点。
まず、第三者割当増資の引受先との交渉の中で、引受先の思惑を把握できていなかったこと。
第三者割当先のTYOは、フィールズとバンダイに円谷プロ株をそれぞれ51%と49%を売却し、その収益を自社の運転資金に回していたという。株式を発行する場合には、のちに株式を譲渡され、予期せぬ第三者が経営に参画してくる恐れもある。「※譲渡制限株式」を発行したり、完全無議決権株式を割り当てたりするなどのリスクヘッジが必要である。
持株比率に注意
次に、持株比率80%にあたる普通株をTYOに割り当てることにより、経営権を完全に握られ、円谷一族が追い出される危険を認識していなかったこと。
割当株式の比率からして、この行為は身売りに等しい。身売りした先の経営方針によっては、いとも簡単に創業家が排除されうる。80%もの持株比率を与えてしまっては、譲渡制限株式の防御策も無力になってしまう。
円谷プロの事例では、創業家以外の株主はTYOだけだったが、仮に他に既存の大株主がいた場合、その既存株主とTYOの関係にも注意する必要がある。既存株主と協力して経営を乗っ取る可能性があるからだ。
※ 譲渡制限株式…定款で定めることを条件として、株式の譲渡に会社の承認を必要とする株式。
ページトップへ戻る- 2019-09-29
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