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大株主としての地位を維持するために【雪国まいたけ】[POSTED]:2019-10-13
不祥事があった以上、一線から退くべき
大平氏は、不祥事により経営の前線に立てなくなった以上、経営陣に経営を任せるべきであった。不祥事直後に形式上、前線から退くことはよくあるが、塩梅よく操り人形を操っていればいいものを、口を出しすぎたばかりに経営陣から反撃を食らってしまった。
大平氏は不祥事で経営から退陣した以上、自ら選んだ経営陣に経営を任せ、倒産の危機などのピンチにならない限り、一歩引いたところから経営を見守る姿勢で対応すべきだったのではないか。経営を近くで見守りたいのであれば、相談役や顧問など会社との関係を少しでも残した形で継続的に関与するなど、別の方法はいくらでもあったであろう。
子飼いを連れてこられるかどうかも実力のうち。株主が「オーナー」と称して、毎日のように経営会議に出席する会社もある。きちんと言うことを聞く人間を見つけて、普段から経営会議に出席するなどしておけば、取締役になどならなくとも会社を支配できる。
大株主としての地位を盤石に
大株主としての力しかないのであれば、まずは大株主としての地位を盤石にすることに注力すべきだった。例えば、大株主としての地位の根拠である雪国まいたけ株は融資元に担保として差し出されていたのだから、メインバンクからの借入金を返済して株を取り戻すなど、他にやるべきことがあったはずだ。
「会社はあくまで自分のものであり、他の誰のものでもない」という創業者の思い込みのせいで、大株主としての地位を揺るがないものとする対応を怠っていたのではないか。上場会社である以上、会社のオーナーたる地位は状況次第でいくらでも脅かされうるということを肝に銘じるべきだ。
また、経営者が自ら保有する自社株式を担保に、銀行から資金援助を受けることはあり得ることだが、その融資元の銀行との関係を良好に保つ努力を怠ると痛い目にあう。融資元の銀行との良好な関係を維持するためには、経営陣を入れ替えた株主総会での「※緊急動議」についても、事前に相談すべきだったといえる。
※緊急動議…株主総会で審議できるのは予め決まった議案であって、それ以外の議案を取り上げることはできない。 ただ、議長不信任案として株主総会の議長を変える緊急動議を提案することはできる。通常、株主総会の議長は代 表取締役が行っているため、緊急動議というのは代表取締役が株主総会の議長にふさわしくないことを糾弾する解任動議であることが多い。
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