会社支配権争い 遺産相続の弁護士・税理士相談はお任せ下さい|sozoku.com
- [CATEGORY]:会社支配権争い
絶対王政の確立【フジテレビ】[POSTED]:2019-11-06
経営者としての地位の盤石化
創業家のカリスマ経営者であった信隆氏や春雄氏とは違い、銀行出身の宏明氏は、グループ経営陣との人間関係が希薄であった。宏明氏としては、グループ内での経営者の地位を盤石にし、株主として経営の支配権を強化し、反会長派に反乱の気さえ起こさせない体制を築く必要があった。
当時、創業家はフジサンケイグループの株による支配の「肝」であったニッポン放送株の筆頭株主ではあったものの、実質的な株式保有比率は13%程度で、安泰というには程遠い状況であった。そのため、中核企業であるフジテレビの筆頭株主であったニッポン放送に対し、MBOなどを仕掛けて買収する選択肢もあった。
買収資金の調達方法
ここで、「経営者に一企業を買収する資金があるのか」という問題に直面する。当然ながら、多くの経営者はそれほどの巨額な資金を持ち合わせていないことが多い。そこで、経営者は資金調達する必要がある。
MBO(マネジメントバイアウト、経営陣が参加する買収)について説明しよう。
代表的なMBOスキームでは、以下の3ステップを踏む。
- ①対象会社の株式を取得するための特別目的会社(SPC)を設立
- ②SPCが対象会社の株式を取得
- ③対象会社とSPCが合併
このスキームでのポイントは、SPCの設立にあたっての資金調達をどう行うかである。
まず、自己資金でいくら用意できるのかを検討する。経営陣は自前で用意できる金額を考え、それでも足りない場合はファンドや友好的な事業会社と協調して資金を用意。特にファンドと協調する場合、経営にファンドの意向が反映され、経営の自由度が低くなることがあるので、慎重に検討すべきだ。
自己資金の不足を補うには
自己資金の不足分については、金融機関からの借入金(シニアローン)やメザニンで補う。
メザニンとは、元利払いの優先度がもっとも劣後する資本(エクイティ)ともっとも高いシニアローンの中間的な資金のこと。借入金よりも返済順位や会社清算時の配当順位が劣る代わりに、金利が高めに設定される劣後ローンや、一般的には議決権がない半面、普通株式よりも配当順位や清算時の残余財産分配権が優先する優先株式などをいう。その利用方法は具体的な案件により異なる。MBOは経営陣にとって、経営の自由度の向上や、短期的業績にとらわれない抜本的改革の断行、敵対的買収に対する防衛など、様々な場面で利用価値のある方法である。
一方、MBO自体が目的化して、本来MBOで実現したい経営を犠牲にしてしまったケースや、ファンドの提案をきっかけとしてあまり本質的な意味を理解せずに安易にMBOに走ったケースでは、業績が低迷したり事業が回らなくなったりして、買収した会社を手放すことにもなりかねない。MBOの利用にあたっては、十分注意が必要だ。
ページトップへ戻る- 2019-11-06
- [CATEGORY]: 会社支配権争い
『会社支配権争い』のその他の記事
- 情報過多の時代における弁護士業務
- 法律知識は調査済み ここ数年間、相談内容のレベルが上がっている。かつては条文を読めばすぐに解決できる内容の質問を受けることが多かったが、最近は事前にしっかりと勉強をされている方が多い。 相続についていえば、相続税法改正をきっかけとした相続ブームの影響かもしれない。 テレビや雑誌であれだけ取り上げられれば、関心を集めるのも当然だろうが、知識にアクセスしやすくなったせいもあると思う。インターネッ…
- 配偶者選びは慎重に【グッチ】
- 事業承継において将来の経営者の最有力候補は配偶者 グッチ家の最後の経営者マウリツィオ・グッチ氏の妻、パトリツィア氏は、元々貧困家庭の出身であったが、上昇志向が殊のほか強かったという。その美貌で、グッチ家の相続人になる見込みだったマウリツィオ氏に近づき、マウリツィオ氏はグッチ家の猛烈な反対を押し切って結婚。パトリツィア氏は夫をそそのかして操り、グッチ株の過半数を取得させて乗っ取ったものの、財産目当…
- 商標権の怖さ【グッチ】
- 商標権侵害となる行為 「G U C C I 」はイタリアの G U C C I O G U C C I 社の登録商標であり、例えば権利者以外がカバンに「 G U C C I 」と付けると商標権侵害となる。仮に、グッチを離れたパオロ氏やロベルト氏が新たにカバンの製造・販売を始めようとする場合、自らのファミリーネームである「 G U C C I 」や自らの氏名を商品に表示することは可能だろうか。 G…
他にはないサービス。無料相談は原則、受け付けません。
無料相談を掲げる法律事務所とは一線を画し、価格競争には参加せず、報酬に見合う良質なサービスを提供しています。他の弁護士事務所にできないミッションを達成し、紛争解決に集中してリソースを割くために、相談対象を紛争性がある相続事件に限定しています。
「内容証明が届いた」「対立当事者に弁護士が就いた」「調停・裁判中」「調停・裁判目前」「弁護士を替えることを検討中」など、紛争性が顕在化している方は電話相談(初回15分)・メール相談(1往復のみ)・土日夜間の電話相談(初回15分)で対応します。
相続税を納める必要があり、
かつ遺産分割でもめている方は相談無料
来所 | ビデオ通話 | 電話・メール・土日夜間 | |
---|---|---|---|
相続税の納税義務があり、 かつ遺産分割でもめている事件 | 無 料 | 1時間:62,000円税別 | 電話:初回15分 メール:初回1往復 土日夜間:初回15分 無 料 |
内容証明が届いた事件 | 1時間:12,000円税別 ※来所困難な方に限り、 1時間30,000円税別にて 電話相談に応じます。 | ||
対立当事者に弁護士が就いた事件 | |||
調停・裁判中、調停・裁判目前の事件 | |||
弁護士を替えることを検討中の事件 | |||
その他、紛争性がある事件 (潜在的なものも含めて) | 非対応 | ||
税務に関する法律相談 | 1時間:50,000円~税別 | 1時間:100,000円~税別 | |
国際法務・国際税務に関する法律相談 | 1時間:100,000円~税別 | 1時間:150,000円~税別 |
来所 | ビデオ通話 | 電話・メール・土日夜間 | |
---|---|---|---|
内容証明が届いた事件 | 1時間: 12,000円(税別) ※来所困難な方に限り、1時間30,000円(税別)にて電話相談に応じます。 | 電話:初回15分 メール:初回1往復 土日夜間:初回15分 無 料 |
|
対立当事者に弁護士が就いた事件 | |||
調停・裁判中、調停・裁判目前の事件 | |||
弁護士を替えることを検討中の事件 | |||
その他、紛争性がある事件 (潜在的なものも含めて) | 非対応 | ||
税務に関する法律相談 | 1時間: 50,000円~(税別) | ||
国際法務・国際税務に関する法律相談 | 1時間: 100,000円~(税別) |
- ※お電話やメール、土日夜間の電話相談は、「内容証明が届いた」「対立当事者に弁護士が就いた」「調停・裁判中」「調停・裁判目前」「弁護士を替えることを検討中」など、紛争性が顕在化している相続事件に限定して、簡略なアドバイスを差し上げる限度で提供しています。メール相談、電話相談または土日夜間の電話相談よりお問い合わせください。
- ※一般的な相続知識については、お電話やメールでのお問い合わせを受け付けておりません。
一般的な相続知識に関する情報は弊所の各サイトでご案内していますので、こちらをご利用ください。
- 来所予約・お問い合わせ
- 03-5532-1112 9:00~18:00 土日祝日除く※お電話又は予約フォームにて法律相談のご予約をお取り下さい。
※小さなお子様の同伴はご遠慮ください。