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裏側も楽しくなければテレビじゃない【フジテレビ】[POSTED]:2019-11-04
創業家による経営支配を一掃
フジテレビは、日本初の認定放送持株会社であるフジ・メディア・ホールディングスを中心に、フジテレビ、ニッポン放送、産業経済新聞社などから構成される日本有数のメディア・コングロマリットの一つ。
実質的な創業者は鹿内信隆氏。フジサンケイグループ会議の初代議長を務め、グループ内で絶大なる権力を振るった。
信隆氏の長男の春雄氏は信隆氏の跡を継ぎ、フジサンケイグループ会議議長を務めたが、1988年に急死。信隆氏は、二女厚子氏の夫である佐藤宏明氏と養子縁組し、宏明氏に鹿内姓を名乗らせた。宏明氏は当初、議長代行であったが、1989年に議長に昇格し、権力を掌握した。
鹿内家は、ニッポン放送の株式を 13.1%保有し、筆頭株主として君臨。ニッポン放送は、フジテレビ株の過半数を保有していた。
宏明氏のワンマン経営ぶりが目に余るようになり、1992年に、フジテレビ社長の日枝久氏や産経新聞社社長の羽佐間重彰氏ら反会長派がクーデターを企てる。
1992年7月21日、産経新聞社の取締役会で宏明氏の会長解任の解任動議が提出され、可決。宏明氏は突如会長を解任された。
宏明氏は翌日に日枝氏らと話し合いを持ったようである。その後、宏明氏は記者会見を開き、ニッポン放送、フジテレビの会長職とフジサンケイグループ会議議長を辞任すると自ら発表。宏明氏は最終的に、フジサンケイグループ本社の取締役の職も辞任し、宏明氏がグループの総合戦略を立てる参謀本部の機能を持たせたグループ本社も機能が大幅に縮小された。鹿内家による経営支配は一掃された。
筆頭株主として復権を目指すも
宏明氏は失脚後も、ニッポン放送の筆頭株主として復権を目指していたようである。
しかし、1996年のニッポン放送の上場により、鹿内家のニッポン放送株の持株比率が 13.1%から約10%まで希釈化。また、ニッポン放送のフジテレビ株における株式保有比率も 30%強まで低下。翌年にはフジテレビも上場を果たしたが、その狙いは宏明氏の影響力排除にあった。しかしこれにより、フジサンケイグループは外部からの買収脅威という新たな火種を抱えることになる。
その後宏明氏は、保有するニッポン放送株の殆どを売却。フジサンケイグループに対する鹿内家の株主としての影響力もなくなった。
- 2019-11-04
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