4.土地の状態によって相続税の評価額が左右不動産相続の弁護士
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4.土地の状態によって相続税の評価額が左右不動産にかかる相続税
現金100万円という場合、一万円札100枚か1円玉100万枚かといった違いはあるかもしれませんが、100万円という価値に違いはありません。
一方、400㎡の土地といった場合、縦20m×横20mの正方形かもしれませんし、幅5メートル奥行き80mのウナギの寝床のような長方形かもしれませんし、はたまた50×16の三角形かもしれません。縦横20mの正方形であれば使いやすいですが、ウナギの寝床や三角形などのような土地では使いにくいものです。
面積が同じだからと言って同じ評価だというのでは、不便な土地を相続した人にとっては不公平に感じることでしょう。さらに形が整っていない(不整形地)、生活環境が悪い、利用制限がある、などの理由から使いにくい不便な土地は相続税評価において、低く評価されます。
形が整っていない(不整形地)
正方形や長方形などの形が整っていない土地を不整形地といいます。
いびつな形をした土地は使用しにくいことから、最大で40%の評価減がされます。
狭い道路に面している
建築基準法では公道は原則として最低限4mの幅が必要とされています。最近建てられた建物の場合、その点を考慮して作られていますが、古い建物でここ最近建替えを行っていない場合には、面する公道が4m未満であることがよくあります。このような土地については、道路用に土地の一部の提供を求められる可能性があります。
具体的には、道路の中心から2mのラインまで敷地を後退させなければならず、その分所有する土地が減少してしまいます。この後退部分のことをセットバックといい、セットバックが必要な部分については、70%の評価減となります。
セットバック
道路に面していない
公道に全く接していない土地を無道路地といいます。公道に出るためには、他人の土地上に公道まで通じる通路を作らせてもらわなければなりません。無道路地を評価する際には、路線価に基づき不整形地として評価した価格に、相当と認める金額を控除(最大40%)して評価します。
利用制限がある土地
高圧線が通っている土地は、利用制限があります。電力会社の高圧線が土地の上空を通っている場合には、木造の建物を建てることができなかったり、場合によっては材質によらず、いかなる建物も建てることができないことがあります。それ以外にも、景観阻害や心理的圧迫感、電波障害、電磁波による健康被害の不安感といった不利益を被ることになります。こうした点を考慮して、評価額が減額されます。
利用価値が著しく低い土地
生活環境の悪い土地は評価額が下がります。評価の際には、問題の大きさを客観的な基準で計測して数値化し、問題の影響を受けない付近の土地と比較することで、どれぐらい悪影響があるかを判断します。その悪影響の大きさによって評価減の割合が決定されます。
具体的には、次のような土地が生活環境が悪いと判断されます。
- 著しく高低差がある
- 地盤にはなはだしい凸凹がある
- 激しい振動がある
- 線路や空港が近く騒音が激しい
- 日当たりが悪い
- 臭気が漂う
- 土地の取引に不利な条件がある(隣に墓地があるなど)
土壌が汚染されている可能性がある土地
公害などの影響を受けた土地はもちろん過去にガソリンスタンドや工場として使われていた土地は、土壌が汚染されている可能性があります。土壌が汚染されていること自体はもちろん、そのために生じる心理的な不安も土地の評価においてはマイナス要素となります。評価方法としては、汚染がない状態の評価額や汚染状態を改善するための処理にかかる作業の見積等を考慮して、評価減がなされます。
広すぎる土地
著しく広い宅地を広大地といいます。一般的には三大都市圏の500㎡以上の土地で、都市計画法での開発行為を行った場合に道路などが必要な土地をいいます。広い土地をそのまま売却してもなかなか買い手が付かないというのが現状で、通常は区画整備をして道路を通してからでないと売却は難しい。広大地は面積100%を活用できるわけではないので、その分を考慮して評価され、最大65%評価減となります。
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分けられない財産の典型である不動産。不動産の評価について相続人間でモメます。そもそも不動産が相続財産かどうかも問題になります。不動産を独り占めする財産の不正操作と最後まで戦います。
- 2019-08-19
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