不動産相続の弁護士相続専門の弁護士・税理士による
ワンストップサービス

7.海外の不動産と日本の不動産はどちらが得か不動産相続の弁護士

7.海外の不動産と日本の不動産はどちらが得か不動産を利用した節税対策

日本にある土地は、路線価方式や倍率方式によって評価されます。
路線価は公示価格の約80%で計算されますので、通常は時価よりも低く設定されています。
また、小規模宅地等の特例を適用することができれば、一気に評価額を下げることができます。さらに、広大地や崖地、不整形地など、使いにくい土地については評価が下がります。
建物についても、建築費用の約50%~70%とされている固定資産税評価額で評価されるので、時価よりも価額を下げることができます。
相続税対策に利用されるだけあって、日本の不動産については大幅な控除が期待できます。

海外の不動産の評価

海外の不動産はどのように評価するのでしょうか。
財産評価基本通達によると、「国外財産についても、この通達(財産評価基本通達)に定める方法により評価する」とされています。つまり、国内の不動産と同様に、路線価や倍率方式、固定資産税評価額によって評価するということです。

外国には路線価などという考え方はありませんので、国内財産と全く同様に評価するということは不可能です。そこで国税庁は、「原則として、売買実例価額、地価の公示制度に基づく価格及び算定評価額等を参酌して評価する」及び「課税上弊害がない限り、取得価額または譲渡価額に、時点修正するための合理的な価額変動率を乗じて評価すること」としています。実際には、売買実例価額や精通者意見価格等を考慮するため、鑑定士等に評価してもらうことが多いようです。

ちなみに、韓国では、標準地公示価格が示されているので、韓国に不動産を持っている場合にはこの公示価格を利用して評価額を計算することになるでしょう。ただし、あくまでも「公示価格」なので、日本の不動産に比べると評価額は高くなると考えられます。

【コラム】 アメリカの相続手続

アメリカでは、人が亡くなるとプロベートと呼ばれる検認裁判の手続きが行われます。被相続人が遺言を残していればその遺言書を裁判所に提出し、遺言書がない場合には申請書のみを裁判所に提出することで、手続きが開始されます。
アメリカでは遺言を遺す人がとても多く、遺言執行の制度がしっかり整備されています。被相続人の意思が尊重されるため、日本の遺留分のような考え方は基本的になく、執行者によって遺言通りに財産の分配が行われます。遺言により遺言執行者が指定されている場合にはその人が、指定されていない場合には裁判所が執行人を任命します。

日本の場合、相続が開始したと同時に被相続人の財産が相続人全員の共有となりますが、アメリカでは、裁判所の監視の下、遺言執行者が管理します。
遺言執行人が被相続人の財産のうち、共同所有財産や信託されているものを除いたものから税金や債務、裁判費用、弁護士費用などを差し引き、遺産を分配します。「相続人全員の共有」という考え方がアメリカにはありません。清算が終わった後に、裁判所から相続財産の分配について許可が出され、この許可を受けて初めて、相続人は財産を受け取ることができるのです。

なぜこのような手続きが必要なのかというと、アメリカの場合、亡くなってもなお被相続人が自分の相続を行い、正当な相続人に財産を配分しなければならないと考えられています。
しかし亡くなってしまった人には権利能力がなく、財産を分配することはできません。
そこで、被相続人の財産を管理し、被相続人の意思に従ってその財産を処理する人が必要なのです。また、アメリカの場合、相続税や贈与税を支払うのは相続を受けた人(相続人)や贈与を受けた人ではなく、相続をした人(被相続人)や贈与をした人です。亡くなった人が税金を支払うことはできませんので、相続税を支払うためにも、被相続人の財産を管理する人が必要ということでしょう。

プロベートの手続きは、短い場合には5~6カ月、長い場合には1年~3年程度の期間がかかります。
どの州で行うか、財産の種類や相続人によっても異なりますが、長期化してしまう一番の理由は、遺言執行者にあるかもしれません。
被相続人の財産をよく把握している人が執行人になった場合には、財産リストを作成するにしても、どこを調べればよいかが分かりますが、そうでない場合には、どれだけどこに財産があるかを把握するだけでも時間がかかってしまいます。また、仕事をしている執行人の場合、自分の仕事の合間をぬって執行人としての仕事をしなければならないので、どうしても執行人としての仕事が後回しになってしまうのかもしれません。

この記事と
関連性の高いページはこちら

不動産相続の弁護士.com

不動産相続のことなら『不動産相続の弁護士.com』

分けられない財産の典型である不動産。不動産の評価について相続人間でモメます。そもそも不動産が相続財産かどうかも問題になります。不動産を独り占めする財産の不正操作と最後まで戦います。

ページトップへ戻る

不動産相続の弁護士 』のその他の記事

知識の解説
不動産相続トラブルのポイントや不動産相続に関する法律用語の解説を紹介しています。 相続における不動産の重要性 弁護士が扱う相続トラブルは、ほぼ100%不動産が関係しています。資産構成や評価の複雑さ、思い入れや賃貸借権、換金性など、相続における不動産特有の問題点について解説します。 1.なぜ相続で不動産が重要なのか 2.相続財産のほとんどが不動産の理由 3.不動産の評…
2019-08-19 [ 不動産相続の弁護士 ]
5.重要事項説明書の説明
5.重要事項説明書の説明不動産を相続した時の各種手続 宅地建物取引業法では、宅地・建物の売買契約を締結するまでの間に、不動産会社は購入予定者に対して物件と取引について重要事項の説明をしなければならないとされています。重要事項説明は宅地建物取引主任者が宅地建物取引主任者証を見せ、内容を記載した書面を交付した上で、口頭で説明を行います。重要事項説明書の最後には、購入予定者が署名・押印する欄が設けられています。この署名・押印は「確かに説明を受けました」ということを示すにすぎませんの…
2019-08-19 [ 不動産相続の弁護士 ]
4.不動産売買の仲介手数料
4.不動産売買の仲介手数料不動産を相続した時の各種手続 仲介手数料とは、不動産業者を通して不動産を売買あるいは賃借する場合に、不動産業者に報酬として支払うお金をいいます。媒介手数料もしくは媒介報酬ともいいます。仲介手数料は、売買もしくは賃貸借の成約時に成功報酬として支払うもので、依頼や申込み段階では発生しませんし、契約が無効・取消しとなったときも、不動産業者は請求することはできません。 売買の仲介手数料は宅地建物取引業法で定められており、売買価格が200万円以下の…
2019-08-19 [ 不動産相続の弁護士 ]
3.不動産業者との媒介契約
3.不動産業者との媒介契約不動産を相続した時の各種手続 遺産分割協議で取得した不動産を売却する、あるいは換価分割で不動産を売却する場合には、不動産業者との媒介契約を締結することになります。媒介契約とは、宅地建物取引業者が、宅地建物の売買や交換の仲介の依頼を受ける際、依頼者との間で締結する契約をいいます。この媒介契約には専属専任媒介契約、専任媒介契約、一般媒介契約の3種類があります。どの形態の契約を選ぶ事が適切かを検討するときの参考にしてみて下さい。 専属専任媒介契…
2019-08-19 [ 不動産相続の弁護士 ]
2.土地の権利証
2.土地の権利証不動産を相続した時の各種手続 土地の権利証とは、不動産について登記が完了したことを証する登記済証、法務局の印鑑を押した書類をいいます。権利証自体は、登記手続きが終わったことを証するものであり、本来は不動産の所有者が誰かということの証明書ではありません。登記の申請人が登記名義人本人であることを確認するための確認手段の1つにすぎません。ただし、権利証を持っていることが、不動産の所有者としての判断材料のひとつと考えられ、次に売却などで権利を移転したり抵当権を設定し…
2019-08-19 [ 不動産相続の弁護士 ]
ページトップへ戻る
他にはないサービス。無料相談は原則、受け付けません。

無料相談を掲げる法律事務所とは一線を画し、価格競争には参加せず、報酬に見合う良質なサービスを提供しています。他の弁護士事務所にできないミッションを達成し、紛争解決に集中してリソースを割くために、相談対象を紛争性がある相続事件に限定しています。
「内容証明が届いた」「対立当事者に弁護士が就いた」「調停・裁判中」「調停・裁判目前」「弁護士を替えることを検討中」など、紛争性が顕在化している方は電話相談(初回15分)・メール相談(1往復のみ)・土日夜間の電話相談(初回15分)で対応します。

相続税を納める必要があり、
かつ遺産分割でもめている方は相談無料

来所ビデオ通話電話・メール・土日夜間
相続税の納税義務があり、
かつ遺産分割でもめている事件
無 料1時間:62,000円税別電話:初回15分
メール:初回1往復
土日夜間:初回15分
無 料
内容証明が届いた事件1時間:12,000円税別
※来所困難な方に限り、
1時間30,000円税別にて
電話相談に応じます。
対立当事者に弁護士が就いた事件
調停・裁判中、調停・裁判目前の事件
弁護士を替えることを検討中の事件
その他、紛争性がある事件
(潜在的なものも含めて)
非対応
税務に関する法律相談1時間:50,000円~税別1時間:100,000円~税別
国際法務・国際税務に関する法律相談1時間:100,000円~税別1時間:150,000円~税別
来所ビデオ通話電話・メール・土日夜間
内容証明が届いた事件1時間:
12,000円(税別)
※来所困難な方に限り、1時間30,000円(税別)にて電話相談に応じます。
電話:初回15分
メール:初回1往復
土日夜間:初回15分
無 料
対立当事者に弁護士が就いた事件
調停・裁判中、調停・裁判目前の事件
弁護士を替えることを検討中の事件
その他、紛争性がある事件
(潜在的なものも含めて)
非対応
税務に関する法律相談1時間:
50,000円~(税別)
国際法務・国際税務に関する法律相談1時間:
100,000円~(税別)
来所予約・お問い合わせ
03-5532-1112 9:00~18:00 土日祝日除く※お電話又は予約フォームにて法律相談のご予約をお取り下さい。
※小さなお子様の同伴はご遠慮ください。
商標登録を行いました「磯野家の相続」