相続税の申告と納税相続税の税理士
どこに、どのように申告するのか
納税義務者自らが申告する
相続税は、納税義務者が自ら申告することで納税額が確定する「申告納税方式」です。
申告納税方式に対して、税務署などが税額を決定して納税者に通知する方法を賦課課税方式といいます。例えば、住民税や固定資産税、自動車税などが賦課課税方式に該当します。
申告納税方式は、納税義務者が税法に従って税額を計算し、自ら申告することで行います。
賦課課税方式のように、税務署の人が勝手に計算して「あなたは相続税を支払う必要があります。あなたの相続税は●●万円です、●月●日までに支払って下さい。」と言われる親切なものではありません。申告に必要な申告書も相続開始とともに税務署から自動的に送られてくるものではなく、近くの税務署に出向くなどして自ら入手する必要があります。
もちろん、自己申告だからといいって、申告義務があるにもかかわらず、期限間瀬に申告をしなかったり、虚偽の申告をしたりした場合等には罰則の対象となります。
申告書の提出先は、被相続人の死亡時における住所地を管轄する税務署です。申告義務者(相続人)の住所地を管轄する税務署と勘違いして提出される場合がありますので注意しましょう。
共同申告が一般的
相続税の申告は、一般的に、財産を取得した相続人等全員で行います。
相続税が発生するような相続でも、ある者には相続税の納付義務があるが、その他の者には納付税額がない、ということもあり得ます。相続税の申告は、相続税の支払義務が生じた者だけが行えばよいのですが、実務上は全員の連名で行った方が、申告手続としては分かりやすいとされています。支払義務がない人も連名で申告することで、「支払義務がない」ということを税務署に対して、明らかにすることができるからです。もちろん、そもそも相続税の申告は、納付義務が生じた者だけが行えばよいものですので、各人がそれぞれ単独で行うことも可能です。
相続人に胎児がいるような場合は、相続税法上は、胎児はまだ生まれていないものとして扱い、後日生まれた時点で申告を行います。胎児の出生、新生児の申告にともなって、他の相続人等の申告額が変更となりますので、その場合は、修正申告等を行うことになります。
なお「遺産分割」(民法上)においては、胎児はすでに生まれた者としてみなされ、遺産分割に参加することができます。「胎児」については、民法上と税法上で取り扱いが違いますので注意しましょう。
いつまでに申告・納付しなければいけないのか
相続開始から10ヵ月以内に申告
相続税の申告書の提出期限(以下「申告期限」といいます。)は相続の開始があったことを知った日(通常は被相続人が死亡した日)の翌日から計算して10ヶ月以内です。
例えば、12月1日に亡くなった場合は、申告と納税は翌年の10月1日までにしなければいけません。この期限が土曜日、日曜日、祝日などに当たるときは、これらの日の翌日が期限となります。
申告期限までに納付
相続税の納付は、原則として、相続の開始があったことを知った翌日から10ヵ月以内に現金一括で納めなければいけません。申告期限が納付期限となりますので、相続税の申告をしたからといって、それだけで安心してはいけません。
申告期限までに申告しても納税を忘れたような場合は、本税(本来支払う相続税)の他に利息にあたる「延滞税」が課せられます。
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