特別受益、寄与分について -よくある質問 遺産分割Q&A遺産分割の弁護士
- [CATEGORY]:
- よくある質問 遺言Q&A 知識の解説
- [TAG]:遺産分割,特別受益
相続分に影響するもの(特別受益・寄与分)よくある質問 遺言Q&A
特別受益者とは何ですか?
特別受益者とは、被相続人から遺贈を受けたり、相続開始前に被相続人から結婚、大学入学などの際に贈与を受けたりして、特別に受益を得た相続人のことです。
特別受益にあたる贈与とはどのようなものですか?
生前贈与については、持参金、新居、道具類、高額の結納、高額の新婚旅行費用などの婚姻のための贈与、養子縁組のための費用、高等教育の学費、家など、生計の資本としての費用だけが特別受益にあたります。
結婚資金なども特別受益にあたりますか?
生前贈与については、持参金、新居、道具類、高額の結納、高額の新婚旅行費用などの婚姻のための贈与、養子縁組のための費用、高等教育の学費、家など、生計の資本としての費用だけが特別受益にあたります。
大学進学費用は特別受益にあたりますか?
学費に関しては、特に1人だけに高等教育を受けさせる場合は特別受益となるものの、大学進学率が高い現在の状況下では特別高額の場合を除いて、大学の学士程度であれば特別受益に当たらないと考えられています。もっとも、特別受益として認められた例もあります。
生命保険金の受取人が相続人の1人に指定されていましたが、特別受益にあたりますか?
生命保険金については、特別受益になるのかどうか見解が分かれています。
相続人とその他の共同相続人と間に生じる不公平が著しい場合には、保険金の額や遺産総額に占める比率、同居の有無、被相続人の介護などに対する貢献の度合いなどを総合考慮して、特別受益にあたることがあるとされています。
相続分のないことの証明書とは何ですか?
「相続分のないことの証明書」(相続分皆無証明書)とは、相続による所有権移転の登記の際に、相続人の中に遺贈や生前贈与を受けた人がいる場合に、その相続人が、自己の相続分以上に遺贈または生前贈与を受けているため、自分には相続分がないということを証明する書面のことをいいます。相続分のないことの証明書は、相続分のない人が署名・押印し印鑑証明書を添付して作成します。
寄与分とは何ですか?
寄与分とは、被相続人の生前に、その財産の維持または増加に特別の寄与貢献をした相続人に与えられるものです。寄与分は遺産分割の対象である相続財産には含まれないので、寄与分がある場合は、相続財産の中から寄与分を別個に切り離して、残りの財産を分割して相続することになります。寄与分が認められた相続人は、遺産分割による相続分に加えて、寄与分を受け取ることができます。
寄与分制度の目的は何ですか?
遺産分割にあたって法定または指定相続分にかかわらず被相続人の財産の維持または増加に特別の寄与(貢献)をした相続人に対して、貢献に応じて、相当する額の財産を取得させることで、共同相続人間の実質的な公平を図ることが目的です。
どのような行為が寄与分として認められますか?
寄与分は通常の寄与ではなく、特別の寄与があった場合に認められます。
寄与分として認められるのは、(1)事業に関する労務の提供や事業に関する財産上の給付、(2)病気の被相続人の看護、(3)その他これらに匹敵するレベルのものです。
労務の提供として認められるのは、正当な給料をもらわずに仕事を手伝った場合や、特別な負担をもって看病をした場合など、通常期待されている範囲を超えるレベルの場合です。
夫に対する長年の看病なども寄与としてみなされますか?
妻の通常の家事労働や妻としての夫に対する看病は特別の寄与とはいえず、寄与分にはあたりません。看病が寄与分として認められるには、扶養義務を超えた著しい程度の療養看護が必要とされます。
30年間夫の母の介護を見てきた嫁には寄与分をもらう権利がありますか?
寄与分が認められるのは相続人だけです。
これは、相続人以外の者も含めると、相続人以外の者が遺産分割の話し合いに加わることになり、話し合いが複雑になるためです。
相続人でない嫁には寄与分はありませんが、夫の相続分としての考慮がなされて相続分が増える余地はあります。
寄与分はどのように決定するのですか?
寄与分の存在をそもそも認めるかどうか、認めるとして、どの程度の価値になるかは相続人間の話し合いで決定します。寄与分は遺産分割の前提になることですから、遺産分割協議の際に合わせて決定することになります。
相続人間で話し合いがつかないときは家庭裁判所に寄与分を定める審判を申し立て、裁判所の判断によって決定します。
この記事と
関連性の高いページはこちら
遺産分割のことなら『遺産分割の弁護士.com』
預金を勝手に引き出したり、不動産の名義を勝手に書き換える。財産の不正操作と徹底的に戦う覚悟がある方のお力になります。
- 2019-08-19
- [CATEGORY]: よくある質問 遺言Q&A,知識の解説
- [TAG]:遺産分割,特別受益
『 遺産分割の弁護士 』のその他の記事
- 遺言による遺産分割
- 遺言による遺産分割遺産分割の方法 1 遺言は遺産分割に優先 2 遺言の種類と調査方法 3 遺言の検認手続 4 遺言の有効性を争う場合 5 遺言による遺産分割についての問題 遺言は遺産分割に優先 被相続人の遺言が見つかった場合は、遺言が遺産分割協議に優先します。遺言によって、法定相続分とは異なった相続分の指定をすることができますし…
- 遺産分割対象にならない場合がある財産 -相続財産の確定
- 遺産分割対象にならない場合がある財産相続財産の確定 株式 ゴルフ会員権 生命保険死亡退職金形見分けの品 生前贈与 株式 株式は必ずしも遺産分割協議の対象にはなりません。 株式も預貯金債権と同様、相続分に応じて分割され、必ずしも遺産分割協議の対象にはなりませんが、預貯金債権と同様に一般的には遺産分割協議の中で分割されます。 株式の評価 株式のうち上場株は、取引相場がありますので、客…
- 遺産分割の対象にならない財産 -相続財産の確定
- 遺産分割の対象にならない財産相続財産の確定 年金受給権 公営住宅の使用権 墓地などの祭祀承継 年金受給権 年金受給権は遺産分割の対象となりません。 被相続人が掛け金または保険料を負担した後に被相続人が死亡し、相続後にその遺族が年金の支払いを受けることがありますが、それが公的年金であっても、私的年金であっても、その受給権は遺族が原始的に取得するものであって、遺産分割の対象に…
他にはないサービス。無料相談は原則、受け付けません。
無料相談を掲げる法律事務所とは一線を画し、価格競争には参加せず、報酬に見合う良質なサービスを提供しています。他の弁護士事務所にできないミッションを達成し、紛争解決に集中してリソースを割くために、相談対象を紛争性がある相続事件に限定しています。
「内容証明が届いた」「対立当事者に弁護士が就いた」「調停・裁判中」「調停・裁判目前」「弁護士を替えることを検討中」など、紛争性が顕在化している方は電話相談(初回15分)・メール相談(1往復のみ)・土日夜間の電話相談(初回15分)で対応します。
相続税を納める必要があり、
かつ遺産分割でもめている方は相談無料
来所 | ビデオ通話 | 電話・メール・土日夜間 | |
---|---|---|---|
相続税の納税義務があり、 かつ遺産分割でもめている事件 | 無 料 | 1時間:62,000円税別 | 電話:初回15分 メール:初回1往復 土日夜間:初回15分 無 料 |
内容証明が届いた事件 | 1時間:12,000円税別 ※来所困難な方に限り、 1時間30,000円税別にて 電話相談に応じます。 | ||
対立当事者に弁護士が就いた事件 | |||
調停・裁判中、調停・裁判目前の事件 | |||
弁護士を替えることを検討中の事件 | |||
その他、紛争性がある事件 (潜在的なものも含めて) | 非対応 | ||
税務に関する法律相談 | 1時間:50,000円~税別 | 1時間:100,000円~税別 | |
国際法務・国際税務に関する法律相談 | 1時間:100,000円~税別 | 1時間:150,000円~税別 |
来所 | ビデオ通話 | 電話・メール・土日夜間 | |
---|---|---|---|
内容証明が届いた事件 | 1時間: 12,000円(税別) ※来所困難な方に限り、1時間30,000円(税別)にて電話相談に応じます。 | 電話:初回15分 メール:初回1往復 土日夜間:初回15分 無 料 |
|
対立当事者に弁護士が就いた事件 | |||
調停・裁判中、調停・裁判目前の事件 | |||
弁護士を替えることを検討中の事件 | |||
その他、紛争性がある事件 (潜在的なものも含めて) | 非対応 | ||
税務に関する法律相談 | 1時間: 50,000円~(税別) | ||
国際法務・国際税務に関する法律相談 | 1時間: 100,000円~(税別) |
- ※お電話やメール、土日夜間の電話相談は、「内容証明が届いた」「対立当事者に弁護士が就いた」「調停・裁判中」「調停・裁判目前」「弁護士を替えることを検討中」など、紛争性が顕在化している相続事件に限定して、簡略なアドバイスを差し上げる限度で提供しています。メール相談、電話相談または土日夜間の電話相談よりお問い合わせください。
- ※一般的な相続知識については、お電話やメールでのお問い合わせを受け付けておりません。
一般的な相続知識に関する情報は弊所の各サイトでご案内していますので、こちらをご利用ください。
- 来所予約・お問い合わせ
- 03-5532-1112 9:00~18:00 土日祝日除く※お電話又は予約フォームにて法律相談のご予約をお取り下さい。
※小さなお子様の同伴はご遠慮ください。
