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法定相続について -よくある質問 遺産分割Q&A遺産分割の弁護士

法定相続についてよくある質問 遺言Q&A

相続とは何ですか?

ある人(被相続人)が死亡した時に、「死亡」という事実を理由として、その人の財産に属した権利義務や地位を法律で定められた人(法定相続人)が承継することをいいます。

いつ相続が開始しますか?

被相続人の死亡と同時に相続が開始します。

誰が相続人になりますか?

誰が相続人になるかは民法で決まっています。
被相続人が死亡した場合における民法で定められた承継人を法定相続人といいます。
法定相続人となる第1順位は被相続人の子、第2順位は相続人の直系尊属、第3順位は被相続人の兄弟姉妹です。被相続人の配偶者は常に法定相続人となりますが、内縁の妻などは法定相続人にあたりません。

なお、被相続人の子が被相続人より先に死亡したときは、被相続人の子の子(被相続人の孫)が子に代わって相続人となります。

直系尊属、直系卑属とは何ですか?

父母、祖父母、曾祖父母・・・などを直系尊属(ちょっけいそんぞく)といいます。
子、孫、ひ孫・・・などを直系卑属(ちょっけいひぞく)といいます。

事実婚の配偶者も相続人になりますか?

相続人になりません。法定相続人となる配偶者とは、正式な婚姻関係がある者に限られます。

被相続人の前妻は相続人になりますか?

相続人になりません。離婚した前の配偶者は相続人にはなりません。

婚姻期間が何十年あったとしても、相続開始時に離婚していれば相続人になりません。逆に、婚姻期間が1日であっても、相続開始時に婚姻関係にあれば相続人になります。

前妻との間の子には相続権がありますか?

もちろん、あります。前妻との間の子であっても、被相続人の子には違いありませんので、相続権があります。相続分も後妻との間の子と同じです。

愛人の子に相続権はありますか?

「愛人の子」が、婚姻関係のない男女から生まれた子だとすると、その子は嫡出でない子(非嫡出子)と呼ばれます。嫡出でない子も、父から認知されれば、子として父の相続人となります。

認知とは何ですか?

認知とは、父または母がその婚姻外の子を自分の子と認めて法律上親子関係を生じさせる行為をいいます。認知は、認知者の生前行為として届出で行うことができますが、遺言によって行うこともできます。
成年に達した子を認知する場合は本人の承諾、胎児の場合は母親の承諾が必要です。

相続開始時に胎児であっても遺産を受け取ることができますか?

胎児にも相続権がありますので、相続することができます。
ただし、死産となった場合には、胎児は初めからいなかったものとして扱われます。

養子にも相続権がありますか?

もちろん、あります。
養子は実子と同じ相続分を相続することができます。

なお、養子(特別養子は含まない)は実親との関係も続きますので、実親からも相続することができます。例えば、被相続人に養子に出した子がいる場合も、その子も被相続人の相続人となります。

普通養子と特別養子の違いは何でしょうか?

養子には、普通養子と特別養子があります。
普通養子とは実親の血族との親族関係が終了しない養子縁組で、特別養子とは実親の血族との親族関係が終了する養子縁組です。
普通養子は実親との関係も続きますので、養親からも実親からも相続します。特別養子の場合は、実親と親族関係を断絶しますので、実親との親子関係はなくなり、養父母の財産のみを相続することになります。

相続人の二重資格とは何でしょうか?

例えば、被相続人が、長男の子(被相続人にとっては孫)を養子にしたとします。長男が、被相続人の死亡前に死亡した場合、長男の子(孫)は、養子としての資格と代襲相続人としての資格とで二重に相続することができます。これを二重資格といいます。

被相続人の父母が相続人になる場合とは、どのような場合ですか?

被相続人に子どもや代襲相続人(孫)がいない場合です。

被相続人の兄弟姉妹が相続人になる場合とは、どのような場合ですか?

被相続人に子どもやその代襲相続人(孫)がおらず、かつ父母(直系尊属も含む)もいない場合に、はじめて第三順位の推定相続人である兄弟姉妹が相続人となります。

代襲相続とは何でしょうか?

被相続人の死亡の前に相続人となるべき者がすでに死亡している場合などに、その相続人となるべき者の子が親に代わって相続することを代襲相続といいます。
例えば、相続開始前に被相続人の長男が死亡している場合に、長男の子ら(被相続人の孫)が長男に代わって相続することです。

代襲相続できるのはどのような人ですか?

直系卑属の場合は、子が亡くなっている場合は孫、ひ孫…と永遠に再代襲相続します。
兄弟姉妹が亡くなっている場合は、甥姪が代襲相続しますが、甥姪も亡くなっている場合は、それ以上の代襲(再代襲)はしません。
直系尊属には代襲相続はありません。

相続放棄をした父の代わりに代襲相続することができますか?

代襲相続することはできません。
代襲相続ができるのは、相続人となるべき者が被相続人の相続開始前に死亡した場合、相続人が相続欠格や廃除によって相続権が奪われた場合のみです。

相続放棄は代襲原因ではありませんので、相続放棄をした者の子は代襲相続することはできません。

相続人がいない場合は、財産はどうなりますか?

相続人が全くいないからといって法的手当を講じず、そのままにしておくと、相続財産は所有者がないまま宙に浮いた状態となってしまいます。相続人がいない場合は、相続財産を相続財産法人とし、財産の管理、相続人の捜索等の手続きを経て、被相続人の特別縁故者の申請があればその者にその財産の全部または一部が分与されることになります。

特別縁故者の申請がなければ、財産は国庫に帰属することになります。

相続人がいないとはどのような場合ですか?

相続人がいない場合とは、戸籍を調査した上で相続人が全く存在しない場合と、戸籍上は相続人が存在するが相続の放棄、相続欠格、相続廃除によって相続人がいない場合とが考えられます。

特別縁故者はどのような者のことをいうのでしょうか?

特別縁故者とは、被相続人と生計を同じくしていた者、被相続人の療養看護に努めた者、その他被相続人と特別に縁故があった者とされています。被相続人の内縁の配偶者、同一生計であった親族、未認知の非嫡出子、被相続人の子の配偶者などが特別縁故者にあたります。特別縁故者は血縁関係者に限られません。

特別縁故者として財産を分与してもらうにはどうすればよいでしょうか?

特別縁故者が財産の分与を求めるには、家庭裁判所に対して書面による請求をする必要があります。
特別縁故者が申請できるのは被相続人に相続人がいない場合です。また特別縁故者に当たるかどうかの判断は家庭裁判所がしますので、自分が特別縁故者だと思っていたとしても当然に財産を受け取れるわけではありません。

法定相続分とは何ですか?

法定相続分とは、遺言で相続分が指定されていない場合に、法定相続人が受け取ることができる財産の割合です。法定相続分は相続開始時の相続人の関係で変わってきます。

法定相続分はどのような割合ですか?

相続人が配偶者と子の場合はそれぞれ2分の1、相続人が配偶者と直系尊属の場合は配偶者3分の2、直系尊属3分の1、相続人が配偶者と兄弟姉妹の場合には配偶者4分の3、兄弟姉妹4分の1です。

法定相続分は絶対ですか?

法定相続分は法律で決まっていますが、被相続人は遺言で、法定相続分と異なった相続分を指定することができます。遺言の指定は法定相続分に優先しますので、法定相続分と違うからといってその部分が無効になるわけではありません。
遺産分割においても、共同相続人全員の合意があれば、どのような割合で遺産分割が成立しても構わず、必ず法定相続分どおりに分割しなければいけないわけではありません。

家族に秘密にしている隠し子がいます。その子の相続分はどのようになりますか?

隠し子が婚姻関係のない相手との間の子であれば、非嫡出子となります。
認知さえしていれば相続権は発生し、相続分は嫡出子と同じになります。

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