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遺産分割成立まででよくあるトラブル -よくある質問 遺産分割Q&A遺産分割の弁護士

よくあるトラブル(遺産分割成立まで)よくある質問 遺言Q&A

遺言が2つ出てきた場合はどうすればよいですか?

原則として、遺言者の死亡した時点に一番近い時期に作成された遺言が効力を持つとされ、前後2通の遺言で同じ事柄について、異なる処分をしている場合には、後の遺言で前の遺言が変更されたとみなされます。この場合抵触する部分についてのみ取消されただけで、前の遺言の全てが取消されるわけではありません。また前後2通の遺言で、異なる事柄について処分している場合は、作成時期の異なる数通の遺言であっても、いずれの遺言も効力があることになります。
自筆証書・公正証書・秘密証書などの方式の違いによる効力の優劣はありません。

相続人の1人に痴ほう症の者がいる場合はどうすればよいですか?

相続人の1人が痴ほう症になっている場合は、特別な配慮が必要です。

重い痴ほう症で意思能力がないような場合は、遺産分割協議に参加させても、意思無能力を理由に分割協議が後で無効とされる可能性があります。
遺産分割の結果を後で無効にされないためには、遺産分割協議をする前に、当該相続人に対して家庭裁判所で後見開始の審判と成年後見人を選任してもらう必要があります。

成年後見人とは何ですか?

成年被後見人(意思能力がない者)の保護者のような立場の者をいいます。
成年後見人は成年被後見人(相続人)に代わって遺産分割協議に参加しますが、成年後見人は成年被後見人にとって不利な協議はできませんので、法定相続分に相当する財産は確保する必要があります。

行方不明な相続人を無視して遺産分割を始めてよいですか?

相続人のうちの1人が行方不明であるからといって、当該相続人を無視した遺産分割協議を行うことはできません。相続人が1人でも欠けた遺産分割協議は無効ですので、相続手続を進めることができないということになります。

生死そのものが不明な相続人がいる場合はどうすればよいですか?

失踪宣告の手続を行います。
失踪宣告の手続により、不在者を死亡したものとみなし、遺産分割の手続きを進めることが出来ます。

一般に不在者の生死が7年以上明らかでないときに、利害関係人が家庭裁判所に請求することで、失踪宣告が下されます。不在者は失踪期間満了の時に死亡したものとみなされます。

なお、失踪宣告によって、代襲相続が発生する場合は、その代襲相続人を遺言分割協議に加える必要がありますので、注意しましょう。

失踪宣告とは、どのような手続きですか?

失踪宣告制度とは、生死不明となっている場合に、利害関係人から家庭裁判所に対する申立、審判によって、不在者が死亡したものとみなして、不在者をめぐる法律関係を安定させる制度です。失踪宣告には、特別宣告と普通宣告とがあります。普通失踪の場合の失踪期間は7年とされています。

まったく連絡がつかない相続人がいる場合はどうすればよいですか?

相続人の1人の行方不明によって遺産分割が保留になるのは、他の相続人にとって不利益となりますので、不在者のために財産管理人を置き、財産管理人が遺産分割協議に参加することで、遺産分割手続きを進めることができます。

利害関係人または検察官の請求により、家庭裁判所が不在者に対して財産管理人を選任します。財産管理人は、不在者のために財産目録の調整、財産状況報告・管理計算の報告などを行います。財産管理人は遺産分割などのように処分行為といえるレベルのことをするときは家庭裁判所の許可が必要になりますので、遺産分割協議に参加する場合は、改めて家庭裁判所の許可が必要となります。

未成年でも遺産分割協議に参加することができますか?

法律行為一般において、未成年の行う法律行為は親権者の同意が必要とされ、遺産分割協議も法定代理人の同意が必要な行為です。
一般的に親権者である法定代理人が未成年を代理します。
ただし、遺産分割の場合は、利益相反関係になる可能性がありますので、当然に代理できるわけではありません。

利益相反関係とはどのような関係でしょうか?

遺産分割において、未成年者もその親権者も相続人となる場合、親子が同じ被相続人の遺産を分け合うという点で、利害が対立していることになります。この関係を利益相反関係といいます。

例えば、夫が死亡して妻と未成年の子数人が相続することになったとします。未成年の子の財産上の行為について妻は単独親権者として法定代理人になりますが、当該相続のように母と子の間に利益が相反する場合、母は未成年の子らの法定代理人としてその遺産分割協議を成立させることはできません。出来るとすると、母がすべての財産を独り占めする可能性があるからです。

親が子2人の代理人になることは問題ないのでしょうか?

親権者が共同相続人である数人の子を代理して遺産分割の協議をすることは、親権者に不公平にする意図がなくとも、親権者の代理行為の結果数人の子の間に利害の対立が生じなくても、利益相反行為にあたるとされ、この場合の遺産分割協議は原則無効とされています。親権者は、一方のために特別代理人の選任を請求する必要があります。

母が子の相続放棄について代理することも利益相反行為になりますか?

共同相続人の一部が相続放棄をすると、他の相続人の相続分が増加しますので、両者の間の行為は利益相反の関係にあるとされています。親権者である母も子も相続人である場合、未成年の子が相続を放棄する場合は、親権者母と未成年の子との間に利益相反の関係が生じることになりますので、特別代理人の選任が必要です。

利益相反行為にあたるかどうかの基準はありますか?

その行為が利益相反の行為に当たるかどうかについては、行為の外形的・客観的観点から判断するべきで、親権者の意図やその行為の実質的な点を問題にすべきではないとされています。

特別代理人はどのように選ばれるのですか?

特別代理人は、親権者や未成年の親族や利害関係人が、未成年者の子の住所地を管轄する家庭裁判所に選任の申立てをし、選任してもらいます。

おなかの中に被相続人の子がいる場合の遺産分割はどうすればよいですか?

胎児であっても生まれた者とみなして相続人になることができます。

相続開始時にまだ出生していなくても、出生したら相続人として遺産分割に参加することができます。もっとも胎児は死産の可能性もありますので、実際に生まれてから遺産分割協議をするのが無難とされています。

なぜ遺産分割にあたって戸籍謄本等を取り寄せる必要があるのでしょうか?

戸籍謄本から相続資格のある者を確定し、その相続資格のある者が現在も生存しているかを確認することができます。実は養子に出した子がいたり、前妻との間に子がいたり、被相続人が認知している子がいたり、など予想外の相続人が現れることは珍しくありません。遺産分割をやり直さなくてもよいように、必ず戸籍謄本を取り寄せ、相続人を確定してから、遺産分割を行います。

相続人がいない場合とは、どのような場合でしょうか?

相続人が存在しないといわれる状況には、戸籍を調査した上で相続人が存在しない場合と、戸籍上は相続人が存在するが相続の放棄、相続欠格、相続廃除によって相続人がいない場合とがあります。

相続人が誰もいない場合の相続財産は誰のものですか?

遺言もなく、特別縁故者の申請がない場合は、国の財産となります。

相続人の存在が明らかでない場合、相続財産は相続財産法人となり、相続財産の管理人の選任・公告、相続人捜索の公告等を経て、それでも相続人が現れない場合は、特別縁故者からの請求を受けたときに限って、相続財産の全部又は一部を与えることができ、残余財産がある場合は国庫に帰属します。

特別縁故者とはどのような人たちですか?

被相続人と生計を同じくしていた者、被相続人の療養看護に努めた者、その他被相続人と特別に縁故があった者で、被相続人の内縁の配偶者、同一生計であった親族、未認知の非嫡出子、被相続人の子の配偶者などが特別縁故者にあたります。

財産の一部が抜けたままなされた遺産分割は無効でしょうか?

原則遺産分割協議を無効とするまでの必要性がなく、一部分割の場合の残余財産の分割を準用して、未分割遺産のみを分割すれば足りるとされています。

抜けていた遺産が重要で、かつ当事者がその遺産のあることを知っていたらこのような分割協議はなされなかったであろうと考えられた場合などは錯誤による無効を主張される場合があります。

遺産分割協議書は必ず作成しなくてはいけないものですか?

遺産分割協議書の作成は義務ではありませんが、後日の遺産分割協議の有無や内容に関する争いを避けるためにも必ず作成しましょう。

各相続人の意思を明確化できますし、遺産分割協議の内容に従って不動産の相続登記をする場合などは、実印の押印された遺産分割協議書を登記申請書に添付する必要があるからです。

遺産分割協議書にも作成のルールがありますか?

遺産分割協議書の様式には決まりがありません。

自由に作成して大丈夫ですが、その遺産分割協議書をもって、預貯金の名義書換や不動産の登記手続きなどを行いますので、相続人や相続する財産が間違いなく記載されていることを確認しましょう。不明確な場合は、手続きが行えない場合もあります。

相続分がゼロの場合、遺産分割協議書に参加する必要がありますか?

相続放棄をしていない限り、相続人には違いありませんので、相続分がない場合であっても、遺産分割協議の作成の際は、署名・押印をする必要があります。後の手続きの際に、有効な遺産分割協議書として認められず、手続きが進められない場合があります。

脅されて署名、押印した遺産分割協議書は有効でしょうか?

詐欺・脅迫による場合や錯誤による場合には、無効・取消しの主張ができます。

相手と争いがある場合は、家事審判または民事訴訟で争うことになります。

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