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遺言と遺産分割の関係 -よくある質問 遺産分割Q&A遺産分割の弁護士

遺言と遺産分割の関係よくある質問 遺言Q&A

遺産分割にあたって、まず何から行えばよいですか?

まず、遺言があるかどうかを確認します。

遺言の有無やその内容によって遺産分割の内容が全く違ってきますので、必ず初めに遺言の有無を確認しましょう。

紛失した遺言を捜し出すことはできますか?

遺言者が公正証書で遺言を作成していた場合は公証役場の検索システムで捜すことができます。

遺言は公証役場でいつまで保管されていますか?

公正証書遺言は、遺言者が100歳に達するまでは保存するというのが公証人役場における一般的な取扱いです。ただ、100歳に達したら直ちに廃棄されるというわけではなく、さらにその先も相当長期にわたって保存されているようです。

公正証書遺言の保管については、盗難や火災、偽造や破棄などの心配がなく安心といえます。

自筆証書遺言が見つかったら、どうすればよいですか?

まず、検認手続を行います。
見つかった遺言が自筆証書遺言や秘密証書遺言の場合は、検認手続が必要です。検認手続を経て初めて遺産分割を始めることができます。

検認手続とは、相続人に対して遺言の存在と内容を知らせるとともに、遺言の形状、加除訂正の状態、日付、署名など検認の日現在における遺言の内容を明確にして、遺言の偽造、変造を防ぐ手続きです。
遺言の内容を実現するには検認手続は不可欠で、例えば、検認手続を経ていない自筆証書遺言に基づいて不動産の登記をしようとしても、法務局では受付けてもらえません。

封印された遺言が見つかりました。開封してもよいですか?

封印された遺言のうち自筆証書遺言と秘密証書遺言の場合は、家庭裁判所に提出して開封手続をすることになります。開封手続を家庭裁判所で義務付けているのは、遺言の偽造、変造を未然に防止し、遺言者の最終意思を確保するためです。開封手続の必要があるのは封印のある遺言のみですので、単に封筒に入れただけで封印のない自筆証書遺言や封印が要件とされていない公正証書遺言は家庭裁判所の開封手続をとる必要はありません。

本人が書いた遺言かどうかよくわからない場合はどうしたらよいでしょうか?

自筆証書遺言の場合、遺言者本人の自筆でない場合は無効です。
本人の筆記かどうか疑問がある場合は、遺言の内容に不服のある相続人から、自筆でないことを理由に遺言の無効を主張される可能性があります。
自筆証書遺言の筆跡が遺言者本人の自筆か疑わしい場合は、遺言の効力および今後の遺産分割に影響する重大な問題となりますので、遺言者本人の自筆かどうか確認する必要があります。

無理矢理書かされたような遺言は無効でしょうか?

強迫によって書かされた遺言は無効です。
遺言は、遺言者の意思を尊重し、遺言者の死後にその内容を実現するための制度ですから、遺言者に遺言の意思が存在しない遺言は無効です。無理矢理させられた遺言の効力について、相続人、受遺者、遺言執行者など利害関係人の間で争いがある場合には、遺言が無効であることの確認を求める訴訟を提起することができます。

なお、強迫によって被相続人に遺言をさせた人は、相続欠格者として相続することができなくなります。

遺言がある場合は、遺産分割は不要ですか?

そうとも限りません。

遺言がある場合でも、遺言で相続分しか指定していないような場合は、その遺言指定の相続分に従って、相続人が具体的に遺産分割を行う必要があります。
遺産分割の指定かつ遺言執行者の指定がある場合は、遺産分割のために相続人が集まる必要もありませんし、手続き等は遺言執行者が行います。

法定相続分より多い相続分が指定されていましたが、無効ですか?

遺言で、法定相続分より多い相続分を指定することができます。法定相続分と違うからといってその部分が無効になるわけではありません。

私の相続分だけがゼロでした。不公平な内容の遺言は無効ですか?

遺言で相続分を自由に指定することが出来ますので相続分をゼロにすることも可能で、無効ではありません。ただ、遺留分権利者である場合は、侵害されている遺留分について遺留分減殺を請求することができます。

相続人以外の者に財産を遺贈するという内容がありましたが、有効ですか?

もちろん、有効です。
遺言によって、相続人以外の人、例えばお世話になったお嫁さんや友人などにも財産を残すことができます。これを遺贈といいます。ただし、その遺贈が、相続人の遺留分を侵害している場合は、侵害されている部分について遺留分減殺請求ができます。

遺贈にはどのような種類がありますか?

遺贈には、特定遺贈と包括遺贈があります。

特定遺贈とは、相続財産の中の特定財産を無償で譲与することをいいます。特定遺贈がされていれば、遺言の効力発生と同時に、受遺者がその財産を取得することになります。
包括遺贈には、相続財産を1人の者に全部遺贈する包括遺贈と、分数的割合をもって遺贈される割合的包括遺贈があります。包括受遺者は相続人と同一の権利義務を有しますので、受遺者が相続人と一緒に遺産分割協議に参加することになります。

負担付遺贈とは何ですか?

何かをさせることを条件に遺贈をすることです。
例えば、特定の人にペットの世話という義務を果たしてもらう代わりに財産を遺贈するということができます。負担付遺贈は放棄できますので、受遺者が拒否することもできます。

条件付遺贈とは何ですか?

条件付遺贈とは、遺贈の効力の発生、変更が不確定な事実の成否にかかった遺贈のことです。条件付遺贈には、停止条件付遺贈と解除条件付遺贈があります。
停止条件付遺贈とは、受遺者が遺言者の死亡時に停止条件付権利を取得する遺贈で、条件が成就した時に遺贈の効力が生じます。

解除条件付遺贈とは、受遺者が遺言者の死亡時に解除条件付権利を取得する遺贈です。

遺贈は放棄できますか?

遺贈は放棄することができます。

遺贈とは、遺産の全部または一部を無償で他に与えることです。受ける側の同意や承諾を得なくても、遺言者の死亡によって直ちに効力を生じますので、遺贈を望まない人にとっては、遺贈を強制されることになりそうです。しかし受遺者にも、遺贈を受けるかどうかを選択する権利があります。もらいたくない場合は、遺言者の死亡後、いつでも遺贈の放棄をすることができます。

内縁の妻に財産を残すような内容の遺言は無効ですか?

内縁の妻は法的に正式な配偶者ではありませんので相続権はありませんが、遺言による遺贈や死因贈与契約によって被相続人から財産を受け取ることができます。
内縁の妻に財産を残す内容の遺言は無効にはならず、相続人の遺留分を侵害している場合は、侵害されている部分について相続人が遺留分減殺請求をすることができるにとどまります。

死因贈与契約とは何ですか?

贈与者が死亡した時に、財産が贈与者から受贈者に移転することを約束して成立する契約をいいます。
原則として契約は、当事者双方の合意によって成立しますので、法律または契約で特に定めた場合を除き、当事者の一方が解除することはできません。しかし、死因贈与契約は、遺贈と同様に贈与者の最終意思を尊重するべきなので、死因贈与契約の取消しは、原則として自由であると考えられています。

遺贈と死因贈与は何が違うのでしょうか?

遺贈と死因贈与契約とは、遺言者または贈与者の死亡の時に効力が発生する点では同じです。遺贈は単独行為で、死因贈与契約は当事者の契約(双方行為)である点でまったく別の法律行為になります。

遺贈は単独行為ですから、遺言者が一方的に取り消すことができます。一方契約は、当事者双方の合意によって成立しますから、原則として、法律または契約で定めた場合を除き、当事者の一方が解除することはできません。しかし、死因贈与契約は、遺贈と同様に、贈与者の最終意思を尊重するのが妥当ですから、死因贈与契約の取消しは、原則として自由であると考えられています。

遺言で認知された子にも相続権がありますか?

遺言で認知は可能です。

隠し子を生前に認知していた場合、または遺言で認知している場合、その子にも相続権が発生します。

認知とは何ですか?

認知とは、父または母がその婚姻外の子を自分の子と認めて法律上親子関係を生じさせる行為をいいます。認知は、認知者の生前行為として届出で行うことができますが、遺言によってもできます。成年に達した子を認知する場合は本人の承諾、胎児の場合は母親の承諾が必要です。

特別受益の持戻しの免除とは何ですか?

被相続人から遺贈または特別な贈与を受けた者の相続分は、本来的相続分からその遺贈等を控除して計算されますが(特別受益の持戻し)、遺言によって特別受益の持戻しを免除することができます。ただし遺留分を侵害しない範囲に限られます。

遺言で廃除の指定がされている相続人を外して遺産分割を始めて構いませんか?

遺言で廃除の意思表示がされていても、当然に廃除が認められるわけではありません。
廃除は家庭裁判所への申立、決定が必要となります。廃除が認められない場合も考えられますので、遺産分割協議は、廃除の認否が決定してから行います。

遺産分割を禁止する意味とは何ですか?

相続開始から5年間に限り、遺産分割を禁止するよう指定することができます。

例えば、相続人の間の仲がよくないような状況で、すぐに遺産分割が始まってしまうと衝突してしまうことが想像できます。しばらくの間、遺産分割を保留にさせることで、冷静になった相続人たちが、無駄な争いなく遺産分割を行うことが期待できます。未成年者があと数年で成年になるような場合等にも、相続人全員が成人になってから行わせることができます。なお、あまり保留にし過ぎてはいけないという理由で、5年間に限りとされています。

遺言執行者とは何ですか?

遺言によって、遺言を実行する人を遺言執行者といいます。

遺言による認知や廃除など、遺言の内容を実行するのに必ず遺言執行者が必要な場合があります。

相続人が遺言執行者を選任することはできますか?

遺言で遺言執行者が指定されていない場合は、相続人などの関係者の請求によって家庭裁判所が遺言執行者を指定することができます。

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