遺産分割が成立しているのかどうかが不明

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遺産分割が成立しているのかどうかが不明

相談者からの相談内容

父が経営している会社の株式についての相談です。 かなり前に母が亡くなったことによって私が一部を相続していて、申告書上は配当金ももらっていることになっているのですが、 実際にはお金をもらっていることはありません。 父とはいろいろなことがあって、もめています。 会社の後継者として私ではなく、兄を考えているようで、私が株式を相続することになると父は困るはずです。 申告書上通り、自分が株式をもらっていると主張したいのですが、遺産分割は未了であると言われます。 特に株式が欲しいわけではありません。 ただ配当金をもらったことになっているにもかかわらず、実際にはもらっていませんし、 釈然としません どのように進めていけばよいでしょうか。
弁護士からの
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解決難易度

会社株式の相続は複雑

会社株式の相続はなかなか一筋縄にはいきません。
長い社史において、会社株式が譲渡され、贈与され、相続される。
その度に株主構成が変わっていくので、特別決議の要件を満たさなくなったり、事業承継計画が途中で変わったりすると株式分配に困ることになります。
問題なのは小規模閉鎖会社においては、株式名簿がきちんと作成されていないために、今現在の株主が一体誰なのか、誰が何株持っているのかが不明になっていることもあります。
そのような状況でお家騒動が起きると、株式構成を巡って訴訟になります。
訴訟では贈与税の申告が行われているか、税理士に対して代表者が指示をしているか、株主総会議事録への決済の有無などが証拠として見られます。
税申告の有無は事実認定において、必ずしも絶対的なものにならないこともあります。
ろくに確認もせずに書類に判を押していることもありますし、代表者本人ではなく経理が代表印を押印していることもあり、本当に決済があったのかどうかも問題になります。
会社法独自の論点も絡みます。
定款で株式発行会社とされているにもかかわらず、株式を発行していない会社は、果たして意思表示だけで株式を譲渡できるのか。
譲渡制限会社の株式譲渡にも拘らず、株主総会が開かれていない。
後から振り返るといろいろな法的問題が出てくるのですが、事後的に法的問題を持ち出して争うことになるのです。
ご相談者の方も、株式相続があったかどうかという一点を気にされていますが、訴訟になるとこれ以外に会社のそもそもの株主構成がどのようなものだったのかが問題になり得ます。
今は問題になっていないポイントが、たくさん出てきますので、裁判は長丁場になる可能性があります。
また複数の裁判を経ないと解決にたどり着けない可能性もあります。
場合によっては自分にとって不利な証拠も出てくるので、任意交渉で妥結できる結論を探る方法もあり得ます。

ここがポイント!

裁判にするならば長丁場は覚悟する必要

会社法の問題がたくさん出てくるので、裁判は長く複数に渡る可能性がある。

[投稿日]: [投稿者]:永田町法律税務事務所

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