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Q56.遺言能力の判断基準[POSTED]:2020-02-07

遺言能力≠認知症

遺言能力の判断基準は認知症の診断基準とイコールでないことはすでに述べた。
では遺言能力の判断基準とはどのようなものなのだろうか。
遺言能力とはどういうものであるかということを積極的に定義をするよりも、遺言能力の有無はどのようにして判断するのかということを考えた方が 合理的である。
そして 遺言能力は、遺言作成者の状況や作成する遺言の内容との相関関係で決まるものである。

遺言作成者の状況というのはもちろん、遺言作成者の年齢や精神状態、健康状態、認知症にかかっているかどうかということも含めて、総合的な遺言作成者の個性が問題になってくる。
ついついこの点だけが注目されがちで、遺言能力を争う訴訟においては、認知症に関する医学的な観点からの争いに終始しがちであるが、その点は遺言能力を決める一つの要素でしかない。

例えば、数字にあまり強くない高齢者が、多数の不動産を購入し、節税スキームも合わせて長男に対してだけ集中的に相続させ、長男の方が先に死亡した場合には長男の嫁や長男の子供に対して相続させる旨の条件付遺言を作成した場合。
例えば、今まで長男に 冷遇をされ続けてきた高齢者が、次男に全て相続させるとだけ書いた単純な内容の遺言を作成した場合。
仮に高齢者の精神状態があまり芳しくなかったとしても、後者の遺言であれば作成に至った動機も理解ができ、内容も極めて単純なものであって、遺言者本人の意向であることが明らかであると言えなくもないだろう。
ただし前者の遺言に対しては、どうしてこの時期に急に不動産を買い始めたのか。
しかも一つではなく複数の不動産を。
長男にだけ相続をさせ、しかも長男が先に亡くなった場合のことまで備えて、長男の家族に優遇をしている。
高齢者の精神状態が芳しくなかった場合には、遺言作成者本人の意向なのかどうなのかが疑わしいということになってもおかしくはない。

遺言能力の話と言うと、とかく遺言作成者の個性、つまり年齢や精神状態、認知症の罹患の有無などが注目されがちである。
そのこと自体は間違いではないが、一方でどんな遺言を作成したのかという遺言作成者の個性以外の要素も考えなければならない。

遺言作成者の主観的な事情だけではなく、遺言作成者以外の客観的な事情。
書かれた遺言の内容。
書かれた遺言が公正証書なのかどうか、特に公正証書の場合、公証人の出張によって書かれているのか、公証役場にて作成されているのか。

数の遺言が書かれている場合に、遺言内容の変遷の有無とそれを裏付ける合理的な理由の有無。
家族の状況。
遺言によって優遇されている受益相続人との関係やこれまでの経緯。
遺言作成者の遺言作成当時における、資産の処分状況。
急に今までやってこなかったことを始めていないか。
これらのことにも注目し、遺言作成者の主観的な事情との相関関係によって遺言能力が判断されるということは知っておいても良いだろう。

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