一方的に突き付けられた遺産分割協議書。出戻りには権利なし?
[投稿日]:2019-08-20 [投稿者]:
[サブカテゴリ]:遺産分割
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一方的に突き付けられた遺産分割協議書。出戻りには権利なし?
相談者からの相談内容
実家の相続のことで相談です。 田舎から出てきて30年が経ちますが、父に続いて母が亡くなりました。 相続人は兄と私の2人ですが、兄が実家に立ち入らせてくれず、一方的に遺産分割協議書を作成して署名を要求してきました。 内容は私の取り分がごくわずかで、家屋敷や大部分の金融資産を兄が相続するというものです。 私は離婚経験があるのですが、「出戻り」とののしられ、1回家を出たという理由で家の財産は基本的に引き継ぐ立場にないことを強調されました。 実家は人口数万人の地方都市で男尊女卑の風習が強く残っていることもあって兄の様な考え方をする人間も珍しくなく、私が声を上げることで親せきなども敵に回してしまいそうです。 本当はお金にこだわりたくはないのですが、娘が私立の学校に通っておりこれからの大学進学も考えると、権利として主張できるものはもらいたいと思うに至りました。 ほかの弁護士さんに相談し、弁護士に相談済みであることを告げたうえで法的にもらうことのできる分を主張したところ、ごくわずかですが、兄が譲歩してきました。 ですが法的な取り分には程遠く、その弁護士さんは頼りが無いので戦ってくれる弁護士を探しています。 弁護士さんが代理人として入ることでどのように進められるかご相談に乗ってください。- 弁護士からの
一言アドバイス - 「学ぶ」コーナーでまずは勉強 頃合を見計らって弁護士に依頼 状況によって弁護士に依頼 至急弁護士に依頼することが望ましい 今すぐ弁護士に依頼することが望ましい
- 今すぐ弁護士度
- 簡単に解決できる見込み やや簡単に解決できる見込み 解決できる見込みあり 解決するのがやや難しい 解決するのが難しい
- 解決難易度
実家に立ち入りできないということですから、財産調査をする必要があります。亡くなったお母様の口座からでも、不正に現金が引き出されていることがありえます。
お兄様の交渉態度からして、早期に裁判手続きを利用する方がいいと思います。任意での交渉は書面で何往復までと決めておくべきでしょう。
話し合いで決着がつくようであれば一番良いのですが、弁護士の意見を突き付けられてもなお自分の主張をあまり変えない相手方には、余り長々と交渉をしても意味が無いことが多いようです。経験上、頑なな相手との交渉をご自身でやり切ろうと思われた方でも、何か月後かに、疲れ果てた様子で再度、事務所にいらっしゃいます。任意交渉を諦めて弁護士に依頼することを決断するまでに時間がかかることが、相続事件の特徴です。
交渉ごとは、最後の譲れないラインを一度決めたら、絶対にぶれないことが重要です。身内なので争いたくない気持ちは理解できるのですが、ダラダラと交渉を重ねることは意味がありません。
どこまでであれば妥協できるのか、真剣に検討することが重要です。
ここがポイント!
頑なな態度の相手方と交渉する場合には、交渉期限と最後の譲れないラインを設定して臨みましょう。期限内に話し合いがまとまらないようでしたら、早急に遺産分割調停を申し立てるべきです。
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