共同相続人は連絡先も知らない甥たち。相続財産は自宅のみ。

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相談者からの相談内容

父の相続について相談があります。 母は既に他界していますので、相続人は私と、亡き兄の子ども3人で、合計4人です。 相続財産は、横浜の実家不動産と預貯金6000万円です。 私は実家で父と同居していたのですが、父は晩年、腰を痛めて日常生活を送るのも不自由するようになり、最終的には寝たきりとなってしましました。 兄は10年以上も前に亡くなっており、甥たちとも交流はありませんでした。 正直言って、どこに住んで何をしているのかさえわかりません。甥たちが幼かった頃は、お互いの家を行き来していたのですが、兄が他界してからはさっぱりです。 もう何年も会っていないので、何と言って甥たちと連絡すればよいのかもわからず困惑しています。 何年も会っていないのに、突然連絡して、甥たちとお金の話をするのは難しいです。   実家は横浜でも高級住宅街と呼ばれるところにあり、2億円程度の価値はあるのですが、実家不動産以外にめぼしい財産はありません。 私には実家以外に住むところがないので、実家を手放したくないと考えています。 実家不動産を売却するということになると、私は住む場所を失ってしまいますし、子どもの頃から住み慣れた実家には愛着がありますので、このまま住み続けたいという気持ちが強いです。 また、正直なところ、父の面倒を看てきたのは私だけですし、父の世話など一切していない甥たちに財産を渡すことには抵抗があります。 甥たちに声をかけずに遺産分割の話を進めるわけにもいかないと思うのですが、どうすればよいでしょうか。 弁護士に依頼して、甥たちの連絡先を調べてもらい、交渉してもらいたいです。
弁護士からの
一言アドバイス
「学ぶ」コーナーでまずは勉強 頃合を見計らって弁護士に依頼 状況によって弁護士に依頼 至急弁護士に依頼することが望ましい 今すぐ弁護士に依頼することが望ましい
今すぐ弁護士度
簡単に解決できる見込み やや簡単に解決できる見込み 解決できる見込みあり 解決するのがやや難しい 解決するのが難しい
解決難易度

まずは、甥御さんたちの連絡先を調べましょう。ご相談者も理解されているとおり、どんなに疎遠であったとしても、甥御さんたちを外して遺産分割を進めることはできません。甥御さんたちの住民票を取り寄せ、早速連絡します。

住民票記載の住所が現住所ではない場合もありますので、現住所を突き止めるまでに時間がかかる可能性もあります。相手方に連絡をとることが、交渉の第一歩ですから、すぐに取り掛かるべきです。

法定相続分に従いますと、ご相談者が2分の1、甥御さんたちが6分の1ずつということになります。ご相談者のご希望は実家を相続したいとのことですから、ご相談者のご希望とおりに分割するとなると、甥御さんたちが手にする額は法定相続分を下回ることになってしまいます。甥御さんたちも黙ってはいないでしょうから、交渉や合理的な提案が必要となりますね。甥御さんたちに主張できることはないか検討しましょう。たとえば、お父様から甥御さんたちにお金が流れていないか、預金通帳を調べます。生前贈与された痕跡はないか調べるのです。交渉ごとは駆け引きが重要となりますので、いつどのような主張をすれば効果的なのか、あえて言わない方がよいことなのか、検討を重ねる必要があります。

ここがポイント!

日頃から交流のない親族と相続に関する話し合いを進めるためには、早期に現住所を突き止め、交渉をスタートする必要があります。

[投稿日]: [投稿者]:永田町法律税務事務所

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