海外在住の被相続人。相続人の一部は行方不明で手続きが難航!
[サブカテゴリ]:国際相続
海外在住の被相続人。相続人の一部は行方不明で手続きが難航!
相談者からの相談内容
アメリカ在住の母が亡くなりました。 母は父と離婚後、アメリカに移住しました。 相続人は私たち姉妹の2人と思っていたのですが、母の遺品を整理していたところ、前の結婚の際の子ども(長男)宛ての手紙を見つけました。 どうやら北海道に住んでいるようですが、現住所はわかりません。 この長男にも連絡をする必要があるのでしょうか。 また、母の同居人と名乗る男性から連絡がありました。 母が、自宅不動産を担保に銀行からお金を借りていたようで、その借金の後始末をしなければならないとのことでした。 言葉の壁もあり、銀行の手続きにも不慣れなので、その男性に銀行とのやりとりをお願いしてしまいました。 数日後、その男性から依頼を受けたアメリカの弁護士から連絡があり、必要書類にサインするよう求められました。 どのような書類なのか、父の借金はどのような状況だったのかについて説明を求めても、曖昧な回答しか返ってきません。 しかも、何回か弁護士と連絡を取るうちに、弁護士の話も変わってきました。 当初は、借金を返済して残ったお金は私たちがもらえるという話でしたが、同居人の男性や法律事務所に対してそれぞれいくらかの費用を支払わなければならないとのことです。 どの程度の費用がかかるのか確認しても詳細については教えてもらえず、必要書類へのサインを催促されるのみです。 同居人の男性に連絡し状況を確認したところ、母がこれまで集めてきた美術品や宝石などを売却して換金していることがわかりました。 母との思い出の品を勝手に処分されていることを知り、ショックを受けました。 私たちが手出しできないところで、好き勝手に進められているようなので、不安で仕方ありません。 誰を信じてよいのかわからず、何から手を付ければよいのかもわかりません。 どのように進めていけばよいのでしょうか。- 弁護士からの
一言アドバイス - 「学ぶ」コーナーでまずは勉強 頃合を見計らって弁護士に依頼 状況によって弁護士に依頼 至急弁護士に依頼することが望ましい 今すぐ弁護士に依頼することが望ましい
- 今すぐ弁護士度
- 簡単に解決できる見込み やや簡単に解決できる見込み 解決できる見込みあり 解決するのがやや難しい 解決するのが難しい
- 解決難易度
ご相談者は①国際相続に関する問題についてどのように対処すればよいのか、
②腹違いのご兄弟についてどのように対処すればよいのか、
という2つの問題を抱えていらっしゃるようです。
まず、①国際相続に関する問題についてですが、海外在住の方の相続や海外所在の財産にまつわる相続問題を解決ためには、
ⅰどの国の法律を適用するかという視点、
ⅱ手続きをどの国で行うのかという視点、
ⅲどの国において税金を支払わなければならないのかという視点
という3つの視点から検討する必要があります。
亡くなられたお母様は日本国籍のままであるのか、あるいはアメリカ国籍を取得しているのかによって結論も異なりますから、まずお母様の国籍を確認する必要があります。
また、アメリカは州ごとに法律が異なりますから、お母様が住んでいらっしゃった州を確認し、当該州の法律を調査する必要があります。
同居人の男性や弁護士が勝手に手続きを進めているとのことで、不安に感じていらっしゃるようですね。
相続の手続きや金融機関との契約等は複雑で、スムーズに対処するには経験と実績が必要となりますから、ご相談者自身も経験豊富な専門家に依頼して代理人を立て、その代理人を通じてコミュニケーションを図るのがよろしいかと考えます。
次に、②腹違いのご兄弟に関する問題ですが、たとえば日本の法律に従って遺産分割を行う場合、遺産分割協議には相続人全員が参加する必要があります。
たとえ疎遠な関係の腹違いの兄弟であっても、相続人である以上、その方を遺産分割協議に参加させなければならないのです。
ご相談者の場合、現住所が不明とのことですから、まずは連絡を取るだけでも時間がかかってしまうと考えられます。
戸籍等の必要書類を取り寄せて確認していくことになりますが、複雑で手間のかかる作業ですから、専門家に依頼することをお勧めします。
ここがポイント!
海外在住の方の相続や海外所在の財産にまつわる相続問題を解決ためには、
複数の視点から問題を検討する必要があります。
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