実家不動産をもらったことにしている兄から相続分をもらいたい。
[サブカテゴリ]:遺産分割
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実家不動産をもらったことにしている兄から相続分をもらいたい。
相談者からの相談内容
持病が悪化して母が闘病生活の後に亡くなってから2年後に、父も亡くなりました。 母が亡くなった時にすでに、父も体調を壊していたこともあり、母の遺産は全く手付かずの状態です。 父が亡くなったことから、両親の遺産について分割をする必要が生じました。 相続人は私と兄の2人なのですが、兄とは非常に関係が悪く、父のお葬式の席でも一言も口を聞いていない状態です。 今回両親の遺産分割をするに当たって、兄と話し合いをしなければならないと考えるだけで憂鬱な気持ちになってしまいます。 できればもう2度と会いたくないのです。 もともとはそれなりに仲の良い兄妹だったのですが、母が亡くなる約2年前に兄と口論になった際、兄から暴力を受けて大怪我を負わされたことをきっかけに、険悪な関係になりました。また兄が結婚した当初から、兄嫁との関係も悪く、今回の遺産分割についても口を挟んでくると思います。 両親の具体的な遺産は、実家不動産と預貯金です。 私としては、法定相続分に従って2分の1相当額をもらいたいと考えているのですが、実家で家業の喫茶店を営んでいる兄は、実家不動産は渡さないと主張しており、一歩も譲りません。 兄は、父から実家不動産の贈与を受けたと主張しているのですが、その根拠となる父の手紙もあるのですが、どのように反論すればよいのかと途方に暮れています。 私はアメリカに住んでおり、日本に帰国する機会は少ないのですが、弁護士に依頼することはできますでしょうか。- 弁護士からの
一言アドバイス - 「学ぶ」コーナーでまずは勉強 頃合を見計らって弁護士に依頼 状況によって弁護士に依頼 至急弁護士に依頼することが望ましい 今すぐ弁護士に依頼することが望ましい
- 今すぐ弁護士度
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海外在住の方でも、メール等でご連絡・ご報告を差し上げることはできますので、ご依頼いただくことについて全く問題ございません。ご安心ください。
相続人間の関係が悪い場合、当事者同士で遺産分割に関する話し合いを進めようと思っても、一向に進まないでしょう。それどころか、遺産分割とは関係のない問題まで持ち出して口論になってしまいかねません。身内だと遠慮も何もなくなるので、一回、何でもアリの状態になってしまうと、他人同士以上にこじれます。このような場合は第三者が間に入って、遺産分割を迅速に進めていく必要があります。また、任意の交渉に期待するのではなく、ただちに調停を申立てるのが得策と考えます。
遺産分割の話し合いの中では、実家不動産が相続財産に含まれるのかがポイントとなってきます。この論点については調停の中では解決しませんので、遺産の範囲確認請求訴訟を別途提起する必要があります。今回の場合、お父様が書いたとされる手紙の解釈が主な争点となり、手紙の内容が贈与の意思表示に当たるかどうかを争うことになります。手紙作成日の前後のお父様の言動を振り返り、贈与の意思表示と矛盾するような点はないか検討します。
遺産の範囲確認請求訴訟において、実家不動産も遺産に含まれるとされた場合、今度は再び遺産分割調停を行うことになるでしょう。実家不動産を売却せず、代償金を支払う方法で分割する場合には、不動産の評価額が問題となります。
このように、解決に至るまでには多くの手続きを経る必要があり、時間がかかることが予想されますので、できるだけ早く遺産分割調停を申立てるべきでしょう。
ここがポイント!
相続財産の範囲が問題となっている場合、遺産分割調停の前提として民事訴訟を提起する必要がありますので、早期に準備に取り掛かりましょう。
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