相続人ではない弟の妻が口を出してくる。

相続人ではない弟の妻が口を出してくる。

[投稿日]: [投稿者]:
[サブカテゴリ]:
相続人ではない弟の妻が口を出してくる。

相続人ではない弟の妻が口を出してくる。

相談者からの相談内容

父の相続について兄弟間でもめています。 私の家は代々続く地主で、神奈川県に不動産を多数所有しており、貸しビル業も営んでいます。 相続人は私と弟の2人なのですが、何かにつけ弟の妻が口を挟んできます。 特に遺言はありません。 金融資産もあるのですが、相続税の支払いや今後の経営のことを考えると、一部の不動産を売却し、その売却代金を相続税の納税資金に充てたいと考えています。 ところが、弟及び弟の妻は、私が売却を考えている不動産について、「思い入れがあるから売却したくない」と主張し、話し合いに応じません。 一向に話し合いが進まないので、私の方から譲歩して、他の不動産を売却する案を提示しましたが、やはり弟らは、「その不動産も思い入れがあるから売却したくない」と言い、首を縦に振りません。 弟の妻は相続人ではないと思いますので、できれば話し合いに参加してもらいたくないと考えています。 弟の態度を見ていますと、妻が主導権を握っているようで、今回の相続に関する話し合いについても、弟の妻の意見の影響が強いと感じています。 どのようにすれば弟のみとの話し合いを進めることができるのでしょうか。 また、私の主張を納得してもらうためにはどうすればよいでしょうか。
弁護士からの
一言アドバイス
「学ぶ」コーナーでまずは勉強 頃合を見計らって弁護士に依頼 状況によって弁護士に依頼 至急弁護士に依頼することが望ましい 今すぐ弁護士に依頼することが望ましい
今すぐ弁護士度
簡単に解決できる見込み やや簡単に解決できる見込み 解決できる見込みあり 解決するのがやや難しい 解決するのが難しい
解決難易度

 

相続人以外の人物が暗躍して、遺産分割協議が紛糾してしまうというトラブルは非常によくあります。

相続人以外の人物を話し合いの場に登場させないためには、家庭裁判所における遺産分割調停にて解決するとよいでしょう。

調停の場においては、相続人以下の人物が同席することはできません。

したがいまして、弟さんの奥様の影響を受けずに、弟さんの率直な意見を聞くことができます。

 

もっとも、遺産分割調停は、訴訟とは異なる手続きです。

訴訟は、事実を確定して、それに法律(判断基準)を適用し、結論を出す手続きです。

他方、調停は、調停委員や裁判官の関与のもと、申立人と相手方が話し合いを行い、合意を成立させる手続きです。

したがって、調停においては、「事実に法律(判断基準)を適用するとこのような結論になる」と裁判官が判断・指示してくれるものではなく、すべて当事者間の話し合いで決まるものです。

どれだけ理路整然と主張しても、相手方が首を縦に振らなければ認められないことになります。

 

そうしますと、調停は法律(判断基準)に基づいて結論を出す手続きではなく、当事者同士の話し合いである以上、調停の場において主張する際のポイントは、相手方を納得させるということになります。

また、調停委員や裁判官を味方につけることも重要です。

当事者同士の話し合いといっても、調停委員や裁判官が仲裁役を務めたり、解決案を提示したりしてくれます。

ご相談者ご自身のご希望について、理由をはっきりと明示して主張し、反対に譲るところは譲るという姿勢を示せば、調停委員や裁判官も合理的な解決案を提示してくれたり、相手方を説得してくれたりするでしょう。

一定程度の譲歩の態度を見せたり、交換条件を提示したりするなどして、調停委員や裁判官を味方につけたうえで、相手方の譲歩を引き出し、ご自身のご希望に沿った合意の成立を目指すことが重要です。

 

ここがポイント!

相続人以外の人物が暗躍しているケースでは、遺産分割調停における解決を目指すことになります。

調停委員や裁判官を味方につけ、相手方の譲歩を引き出すことができるような主張を検討しましょう。

 

[投稿日]: [投稿者]:永田町法律税務事務所

この記事が参考になった方はクリック!

同じカテゴリーの相続相談事例 [カテゴリー:不動産相続編]

2019-08-20[カテゴリー]:
預金の無断引き出しを問題にする方法
両親が残してくれた不動産について兄弟でもめています。 父は17年前に亡くなりました。 その際の相続では、父の遺産である鎌倉の実家家屋を母が相続し、実家土地を兄と私の2人で相続しました。 自宅土地は兄と私が2分の1ずつ共有ということになりました。 父の死後、母は一人暮らしを…[サブカテゴリー]:
T家の事例:家系図参考になった!10
2019-08-20[カテゴリー]:
海外在住のため、遺産相続の話し合いを進めるのが難しいうえ、共同相続人の1人が話し…
15年前に亡くなった父の遺産分割がまだ解決していません。 父は、16年前に金融機関から約8億円の借り入れをして、横浜にマンションを建設しました。その1年後に父は亡くなったのですが、現在に至るまで遺産分割協議もまともにできておらず、マンションは相続人である母、兄、私の3人の共…[サブカテゴリー]:
N家の事例:家系図参考になった!16
2019-08-20[カテゴリー]:
共同相続人は連絡先も知らない甥たち。相続財産は自宅のみ。
父の相続について相談があります。 母は既に他界していますので、相続人は私と、亡き兄の子ども3人で、合計4人です。 相続財産は、横浜の実家不動産と預貯金6000万円です。 私は実家で父と同居していたのですが、父は晩年、腰を痛めて日常生活を送るのも不自由するようにな…[サブカテゴリー]:
O家の事例:家系図参考になった!2
2019-08-20[カテゴリー]:
亡夫のお金で購入した息子名義の財産について、相続財産に含まれることを認めさせたい…
夫が亡くなって相続が発生したのですが、息子と対立しています。 相続人は妻の私と息子、娘なのですが、息子と私たち母娘は仲が悪く、対立しています。 息子名義の不動産などの財産があるのですが、実際はお金を私たち両親がねん出していました。 最初は息子も不動産は自分のもの…[サブカテゴリー]:
T家の事例:家系図参考になった!6
2019-08-20[カテゴリー]:
【私道部分が相続できない!】遺産分割協議書の相続財産目録から漏れた不動産
遺産分割で長い間もめていたにもかかわらず、先日やっと遺産分割協議がまとまりました。 安心していたのですが、不動産の登記をしようとしたときに大きな問題が見つかりました。 なんと遺産分割協議書で記載していた財産目録のうち、不動産について私道部分の漏れていたのです。 このまま相続登記を…[サブカテゴリー]:

参考にしたい相続関連記事

2019-10-21
【戸建て・譲渡所得税・小規模宅地等の特例】相続・遺産分割で不動産評価が複雑なわけ
不動産が相続財産に含まれていると、遺産分割はもめる。不動産が相続財産に入っているだけで、遺産分割の話し合いは長引く。不動産は相続税対策において節税アイテムとして珍重されるが、なぜ遺産分割にな…
2017-12-21
[相続クイズ]:生前贈与編
生前贈与についてよくある問題が相続クイズで分かる! 孫や子供に生活費を渡す場合も贈与税ってあるって本当!?生前贈与の調整に時効がある?税負担無く、生前贈与で相続財産を減らすことができるのは…
2019-08-19
遺産分割後に遺言がみつかった場合 -遺産分割の問題
遺産分割後に遺言がみつかった場合遺産分割の問題 遺産分割協議で遺産分割をし、相続手続きを済ませた後に、被相続人の遺言が判明し、トラブルになることがあります。出てきた遺言が有効…
2018-07-19
【家族ではあるが相続人にはなれないペットの将来】ペットの将来にも配慮した遺産相続
高齢化はペットの世界でも進んでいます。飼主の死後、残された高齢のペットが困らないよう、ペットの将来に配慮した遺産分割が注目されています。先日、実家で母親が飼っていたマルチーズが亡くなりました…
2020-01-28
Q53.遺言無効を主張する相手がなかなか動かない。遺言有効確認訴訟を提起すること…
できるが受付時点で裁判所は難色を示す 遺言無効確認訴訟という言葉は聞いたことがあるだろう。ところが遺言有効確認訴訟という言葉は聞いたことがあるだろうか。 遺言が無効…
2019-07-01
【「生活の拠点」といえるかどうかがポイント】3000万円控除の特例のメリットを生…
特例のメリットを生かすのは遺産分割の方法次第 被相続人の配偶者が亡くなって、2次相続が発生したときのことを考えてみましょう。仮に相続人は3人の子供たちで、最大の相続財産である自宅不動産を売…
ページトップへ

カテゴリ別 相続相談一覧これまで弁護士に寄せられたカテゴリ別相続問題

遺 言
遺言無効を争う
遺留分を争う
  • 遺言無効
    確認訴訟
  • 遺留分
    減殺請求
  • 遺言執行者
    解任
だましうちで遺言を書かせる。財産の不正操作の常とう手段です。遺言無効確認の訴えや、遺留分減殺請求などにより、財産の不正操作と戦います。
遺産分割
財産の不正操作に
要注意!
  • 預金の
    無断引出
  • 名義の
    無断書換
預金を勝手に引き出したり、不動産の名義を勝手に書き換える。財産の不正操作と徹底的に戦う覚悟がある方のお力になります。
不動産相続
評価や分け方で
モメる不動産相続
  • 評 価
    トラブル
  • 分 割
    トラブル
  • 不動産の
    不正操作
分けられない財産の典型である不動産。不動産の評価について相続人間でモメます。そもそも不動産が相続財産かどうかも問題になります。不動産を独り占めする財産の不正操作と最後まで戦います。
事業承継
同族会社の
内部紛争に勝つ!
  • 取締役の
    不正追及
  • 株主総会
    の形骸化
同族会社の内部紛争や支配権争いでお悩みの方のお手伝いをします。事業を営む方の相続問題は通常の相続以上に複雑です。会社の支配権を勝ちとり、事業を守り抜きます。
国際相続
国外財産があると
どうなるの?
  • 海外財産
  • 海外在住
  • 国際結婚
相続財産が海外にある場合、手続きが複雑になります。国内財産の分け方も絡む紛争を総合的に解決します。
相続税
節税対策の
ポイントを知りたい
  • 税務調査
  • 税務訴訟
  • 相続税の
    還付
生前にどれだけ詳細にシミュレーションすることができたかで、相続税対策は決まります。遺言内容にも影響しますので、多方面からの検討をする意味でも弁護士兼税理士にお任せ下さい。