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相続人の1人を除外して遺産分割を行った場合 -遺産分割の問題遺産分割の弁護士

相続人の1人を除外して遺産分割を行った場合遺産分割の問題

遺産分割は、共同相続人全員が参加し、全員の合意で成立させることが必要です。

明文の規定はありませんが、一部相続人の参加しない遺産分割協議は無効と解され、相続人の1人を除外して遺産分割を行った場合、原則として当該遺産分割は無効としてやり直すことができる、とされています。

遺産分割当時にすでに存在していた相続人を除外した場合

遺産分割当時に存在していた相続人を除外してなされた遺産分割は無効であり、当該相続人は改めて遺産分割を行うことを他の相続人に対して請求することができます。この場合、当該相続人が他の相続人の存在の有無を知っていたかどうかは問題にはなりません。

相続開始時に胎児であった者については、10か月がたてば相続人であるのかどうかが判明しますので、原則としてそれまで遺産分割を待つのが妥当です。

遺産分割当時に相続人としての資格を有しなかった者を除外した場合

遺産分割当時に相続人としての資格を有しなかった者が、後に共同相続人としての資格が認められた場合とは、分割後に、死後認知判決、生前提起した認知訴訟の容認判決、遺産分割後に見つかった遺言で遺言認知があった場合、離婚無効判決、離縁無効判決、父を定める訴え、母子関係存在確認判決などが確定した場合が考えられます。

(1)認知の場合

認知によって相続人となった者は、民法910条の規定により、他の共同相続人がすでにその分割その他の処分をしたときは価額のみによる支払請求権を有するとしています。処分後だと手続きが複雑になってしまうため、遺産分割のやり直しまでは請求できません。

認知された子が現れた場合
(2)その他の場合

上記以外の場合は、価額での支払いではなく、遺産分割をやり直すことが妥当と考えられています。遺産分割の協議は共同相続人全員が参加して行うべきものであり、一部の相続人を除外することは、この相続人の利益を奪い、分割の理念に反するものだからです。民法910条は、遺産分割において権利主張の機会を奪われた上に、分割方法を価額請求に限定するものですから、できるだけ限定的に適用すべきと考えられています。

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