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【相続税評価と遺産分割では財産評価基準時が異なる】相続税納税額の確定と遺産分割協議
相続税評価額の基準時は相続発生時 相続税は相続開始があったことを知った日(通常は被相続人が亡くなった日)の翌日から10カ月以内に、現金で一括して支払わなければなりません。例えば、被相続人が12月1日に亡くなった場合には、翌年の10月1日までに納税額全額を現金で支払わなければならないのです。ちなみに、相続税の申告書の提出先は、被相続人の死亡時における住所地を管轄する税務署ですから注意が必要です。申…
2018-10-06 [ 相続弁護士の最前線 ]
【遺産分割が続く限り相続税を納めなくてもよいのか】遺産分割協議と相続税の納税
遺産取得税方式における相続税の考え方 日本が採用する遺産取得税方式の下では、相続税は相続財産を取得した各相続人が支払うものですから、そもそも相続するかどうか、何を相続するかということが決まっていなければ、相続税を支払う前提が欠けているようにも思えます。そして遺産分割に期限はありませんので、10年でも20年でも遺産分割協議を続けていられることになります。そうすると、遺産分割が決着しなければ納税者も…
2018-09-28 [ 相続弁護士の最前線 ]
【相続税の課税の仕組みにより納税時期に違いはあるか】相続税の課税方式
相続税の課税の仕組み 相続税の課税の仕組みには、「遺産税方式」と「遺産取得税方式」の2つの考え方があります。遺産税方式とは、相続人の人数や相続の配分などに関係なく、被相続人の財産合計額に着目して課税する方式です。被相続人の有するすべての財産に課税し、税金を差し引いた残りの財産を相続人に分配することになります。遺産税方式では、被相続人の遺産そのものに対して税金が課されます。アメリカ、イギリスといっ…
2018-09-26 [ 相続弁護士の最前線 ]
【遺産分割時の評価では納税額は決まらない】相続税における評価額の基準時
相続税の評価は原則として相続発生時です。相続税の申告は相続発生から10カ月以内という期限が定められており、待ったなしであること、遺産分割にどんなに時間がかかっても、相続税の納税は遺産分割に要する期間とは関係なく早期に済ませてもらう必要があることなどから、相続発生時になっているものと考えられます。遺産分割協議は、相続人間の争いが深刻化しているケースですと、5年や10年の期間がかかるものもあります。そ…
2018-09-24 [ 相続弁護士の最前線 ]
【実家不動産と現金少々というのが現実】相続税の財産評価における現状
現金は遺産分割の調整材料 相続財産が預金や現金だけであれば、財産評価の方法は簡単です。預金口座の残高や手元にある現金の金額の総額が、すなわち相続財産の総額になるからです。この場合には、「評価」という問題は生じません。しかし実際には、相続財産には不動産や有価証券、動産などが含まれます。むしろこれらの財産のほうが多くて、現金はごく一部であるというケースも少なくありません。相続財産は実家不動産と現金少…
2018-09-20 [ 相続弁護士の最前線 ]
【税理士は依頼者の「代理人」なのか】弁護士と税理士との共同作業によって明らかになる性格の違い
業務に対する税理士のスタンス 遺産分割や遺言作成などの相続に関する依頼を受けた場合、弁護士と税理士が共同作業で進めることがあります。遺産分割協議が調わないため遺産分割調停を申し立てたいが、相続税の申告期限も迫っているので、遺産分割調停と同時並行で相続税の申告も行わなければならないようなケースです。弁護士として税理士と一緒に業務を行っている時に感じるのが、弁護士と税理士との業務に対するスタンスの違…
2018-09-18 [ 相続弁護士の最前線 ]
【遺産分割の対象と相続の対象は同義ではない】相続における法の多元性
相続税法は公法 相続については遺産分割を律する民法と、相続税法では、基準が異なります。民法が私人間の権利関係の調整を図る目的のものであるのに対し、相続税法は確実な相続税の賦課・徴収を図る目的で制定されています。そもそも民法は私法であるのに対し、相続税法は公法です。私人間を規律する私法に対して、国家との間を規律する公法という違いがあるのです。私法の世界では私的自治の原則が徹底されているため、当事者…
2018-09-16 [ 相続弁護士の最前線 ]
【同じ法律用語でも法律によって意味が異なる場合があるので注意】異なる法律で意味も違ってくる
法律が異なれば、言葉の意味も異なる 法律というと、理路整然としたイメージを持つ世界の話であることから、同じ用語については統一された基準が徹底されているかのような感覚を持つ方もいるのではないでしょうか。1つの法律用語については、厳然として動かず二義を許さない意味が確立されているかのような感覚です。実際には、同じ言葉でも異なる法律においては、全く異なる意味になることもあります。例えば、「労働者」とい…
2018-09-14 [ 相続弁護士の最前線 ]
【相続とは何を継ぐものなのか?祭祀承継や家督相続】相続財産だけではない「家」の事情
家督相続とは何を相続するもの? 財産を長男が継ぐという考えは、明治憲法下での家督相続の名残です。家督相続は、家族を統率する戸主権の一側面として位置づけられ、原則として長男が単独で相続していました。戦後、家督相続が廃止されました。相続は「被相続人の財産的地位の承継」であるとされ、相続から祭祀や家督は切り離されたのです。長男の単独相続から共同相続制度への変更も行われ、性別や年齢での優劣はなくなりまし…
2018-09-10 [ 相続弁護士の最前線 ]
【法律と税金は区別して考えるべきか】「法と税」の誤解
税金も法律もマター 意外に思うかもしれませんが、税金も税法という法律で規定されており、税金も法律マターなのです。したがって、両者を峻別するという意味での「法律と税金」という表現は、ミスリーディングで正確性を欠くといえるでしょう。法律の中に税金という分野があるというイメージでしょうか。法律と税金を明確に区別して別物と扱うのは正しくありません。一般には、法律と税金とは別のものであるというイメージで理…
2018-09-10 [ 相続弁護士の最前線 ]
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