認知症専門医との提携遺言の弁護士
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認知症診断における専門機関との提携
遺言無効確認訴訟において、遺言能力の判断に重要な影響を及ぼすのが認知症診断です。
認知症をはじめとする病変は科学的に捉えられてこそ、説得力を持ちます。
認知症診断は一般に、医師のヒアリングによる問診が中心で、診断の結果だけが独立して診断書に書かれます。
メディカルリサーチ株式会社様は、医師の判断が妥当なものなのかを事後的に検証可能にするために、認知症診断の過程を形に残す遺言意思能力鑑定サービスを業界に先駆けて導入しています。
- (1)認知機能評価:「長谷川式認知機能テスト」による知能評価
- (2)精神疾患診断:「精神科診断用構造化面接」による診断評価
- (3)意思能力評価:「遺言等執行判断能力評価の構造化面接」による診断評価
- (4)鑑定報告書:各評価に基づき総合的に評定された鑑定結果の報告書
- (5)客観的証憑記録の提供:施行事実を証するため、鑑定の施行状況を映像記録
- (6)器質的脳機能評価:PET+MRI検査による器質的な脳機能の状態を評価
遺言無効確認訴訟や遺言作成においては、メディカルリサーチ株式会社と提携しています。
メディカルリサーチ株式会社
- メディカルリサーチ株式会社理事佐藤 俊彦さとう としひこ
- メディカルリサーチ株式会社理事
医療法人DIC 宇都宮セントラルクリニック代表
医療法人社団 NIDC 理事長
セントラルメディカル倶楽部 顧問医
メディカルリサーチ株式会社 顧問医
株式会社AIIM JAPAN 代表取締役社長
株式会社フリール 取締役
略歴
- 1985年 福島県立医科大学卒業
- 1987年 日本医科大学第一病院 放射線科
- 1989年 獨協医科大学付属病院 放射線科
- 1993年 鷲谷病院 副院長 獨協医大非常勤務講師
- 1995年 有限会社ドクターネット設立
- 1997年 宇都宮セントラルクリニック開院
著書
- 『薬いらずで認知症は防げる、治せる! 認知症医療で後悔しない3つの方法』(イースト・プレス)
- 『がんでは死なない!ボケにもならない!』(メタモル出版)
- 『100歳まで現役で生きる人のシンプルな習慣』(幻冬舎)
- 『ボケは止められる!』(PUBLABO)
対 談
長谷川(以降.H)
認知症と相続というと、遺言作成や遺言無効確認訴訟の場面で問題になります。
先生も認知症の診断件数が増えているのではないでしょうか。
佐藤先生(以降.S)
ここ1、2年くらいで、相続に絡んだ認知症の相談は増えています。
しかも相続財産額が必ずしも多くない事案も相談事例として多くなっています。
もはや一部の方の問題ではないという実感です。
H
遺言無効確認訴訟を提起する側とされる側の双方にとって、遺言者が認知症にかかっていたかどうかは重要な情報です。認知症が進行していたとなると、遺言能力の問題が出てきますから。
S
一口に認知症といっても、段階があります。
65歳以上の高齢者における認知症の現状について、要介護認定をされている認知症高齢者(日常生活自立度Ⅱ以上)が約280万人、要介護認定されている認知症高齢者(日常生活自立度Ⅰ)又は要介護認定を受けていない認知症高齢者が約160万人いるといわれ、その前の段階にいる軽度認知症(MCI)の段階の高齢者が約380万人というデータがあります。
認知症と相続の問題は多くの方に関係する問題といえます。
H
厳密にいうと、認知症は医学概念であるのに対し、遺言能力は法概念です。認知症であることと遺言能力の有無は一致しないこともあります。認知症であっても遺言能力があることもあるし、認知症でなくても遺言能力がないこともある。
相関関係はもちろんあるのでしょうが。
S
認知症であっても遺言を書くことが理論上できる点については、医師として矛盾を感じることもあります。
明らかに社会生活が困難であるレベルが認知症ですので、この状態では遺言に関する内容を理解し内容を想像することは難しいのではないでしょうか。
ただし軽度認知症(MCI)では、画像診断で早期に診断できますので、精神科医によるインタビューを通して、意志を各項目に関して確認する様子をビデオで撮影しながら、客観的な証拠を残すことが重要であると思います。
H
認知症でも遺言能力があった旨、弁護士として主張することもあるので、医師の感覚と裁判実務のズレがあるのかもしれません。
遺言を作成することは財産を処分する側面もありますが、基本的に、結婚や離婚のように身分に関する行為であるので、能力の有無について特殊な考慮が必要ともいえます。契約は締結できないが遺言は作成できることも、一般的にあり得ます。
S
認知症かどうかは医師が判断しますが、遺言能力の有無について判断権限を持つ人間は最終的には裁判官で、一次的には公証人です。しかし実際には公正証書遺言を作成する際の本人の意思確認は十分になされているのでしょうか。
H
公証人が判断をして遺言能力がないということになれば、遺言を作成しません。
ただし長谷川式スケールのように、公証人が判断の際に依拠する基準はないです。
受益相続人が主導して遺言作成をし、遺言者に対する意思確認がセレモニーと化している現実もあります。
公証人への連絡も受益相続人が行うケースが少なくありません。遺言作成当日に、遺言者が初めて遺言を見せられて署名を求められることもあります。
S
公証人の判断は医師の判断と異なることもあると聞いています。
H
医学の専門家ではない法律家の判断が、医師の判断よりも優先されることに対しては違和感がありますが、結局は、認知症と遺言能力が別の概念であるということだと考えられます。
S
本当は遺言者本人が自発的に遺言を作成するのが一番問題ないのでしょう。
ところが高齢者は総じて、新しいことをしない。
H
公証役場への問い合わせの段階で遺言者本人からしか受け付けないとした場合、公正証書遺言の作成件数は非常に少なくなるはずです。
相続税も増税され、資産組み換えと遺言作成の必要性が高まる中、決断しない親に対して悩む子の要請にも応える必要があります。
S
相続税対策の必要性もあるということですね。
H
認知症が絡む相続の場面において、先生のような専門家の医師の力を必要としている方は多いと思います。
S
遺言無効確認訴訟においては遺言者の方が亡くなっている以上、事後的に資料を検討して意見書を作成することができます。
遺言を作成する場面においては、財産額が大きい場合は、後々、遺言能力が問題にならないように、認知症のり患状況を確認することをお勧めしています。
診断結果を端的に記載した診断書だけを残すよりも、診断過程を含めて動画に残すことで、相続発生後のトラブルを極力回避することが出来ます。
H
ありがとうございました。
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- 2019-08-19
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