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【遺産分割調停を弁護士に依頼するタイミング】遺産分割協議でいつ弁護士を入れるか[POSTED]:2018-03-25
遺産分割協議から弁護士を入れての遺産分割調停へ
遺産分割協議を続けている方の多くが、弁護士に依頼して遺産分割調停を申し立てる段階で躊躇をする。
遺産分割調停ではなく、あえて裁判外の遺産分割協議における代理を、弁護士に希望するケースもある。
一線を越えたくない。
身内同士の裁判沙汰を回避する気持ちは理解できる。
しかし弁護士に相談する段階で多くの場合、遺産分割調停を申し立てるべき段階になっている。
タイミングはできるだけ早く、もっといえば今すぐに、である。
締め切り効果がない遺産分割協議と弁護士を入れての遺産分割調停の違い
果てのない議論に締め切りが設定される効果が、一番大きい。
遺産分割協議には期限がない。
相続人のうちの誰かが遺産分割調停を申し立てない限り、次のステップには進まない。
裁判外の遺産分割協議を数年間、なかには10年以上続けても、まとまらないこともある。
決定事項は反故になり。口約束は撤回され。徒労感だけが残る。
何年かのちに遺産分割調停の申し立てに至った時には証拠は散逸し(たとえば銀行の預金口座の履歴は10年分しか追跡できない)、さらなる相続が発生して相続人が増え共有関係なども複雑化し、相続開始後の賃料など付随的な法律関係の処理も面倒になる。
相続税の申告期限は当然、間に合わない。
遺産分割調停を申し立てれば、遺産分割の終わりがみえてくる。
遺産分割調停が調停不成立になれば遺産分割審判に移行し、裁判官の決定に委ねることができる。
弁護士を入れるならば遺産分割調停で
弁護士をつける意味(家族間の不合理な話し合いを法律問題に持ち込むことや、相手にも弁護士をつけさせて合理的に進めることなど)も、遺産分割調停を申し立てることで最大化できる。
特定の当事者の利益を代弁する弁護士が、裁判外の遺産分割協議において妥協案を提示し、司会者的に振る舞ってもうまくはいかない。
敵の代理人である弁護士の話には、バイアスがかかるからである。
中立の立場に立つ調停委員や裁判官がいてこそ、弁護士は思う存分、依頼者の利益を実現できる。
遺産隠しや横領行為も遺産分割調停で暴ける?
遺産隠しや横領行為、泥棒行為を暴ける可能性も、遺産分割調停の申立てによって高まる。
合理的な根拠を示した上での追及に対しても、のらりくらりとはぐらかす兄弟。
家族に対する甘えもあり、質問にも一切答えない。
なめられているのである。
説明責任すら果たさなかった兄弟にも、遺産分割調停においては調停委員に対する説明責任が生じる(仮に不合理な内容でも)。
これだけでも大きな前進である。
遺産分割調停で不合理な嘘をつき通すことは、簡単ではない。
多くの場合、裁判外の遺産分割協議において主張していた強弁は、維持できなくなる。
相続手続きも遺産分割調停でスムーズに
手続きの話ではあるが、遺産分割調停が成立すると、遺漏のない調停調書が出来上がる。
調停調書により不動産の所有権登記移転の手続きなどが簡便になる。
遺産分割調停を申し立てない場合、相続人全員に対して遺産分割協議書に実印で押印してもらう必要がある。
印鑑証明書も添付して。
頭を下げてお願いする。
遺産分割協議書の内容で、必要のない妥協をさらに強いられる。
裁判外の遺産分割協議書なので、無理やり書かされた、誤解していた、などの物言いが後につく可能性もある。
遺産分割協議に不満を持つ相続人の方へ
不本意な内容の分割協議書を突きつけられ、勢いで署名を求められている方へ。
後悔のない選択をしてほしい。
いったん遺産分割協議書に署名をしてしまうと、のちに覆すことは難しい。
遺産分割調停を申し立てることを躊躇する理由は何だろうか。
「身内に対して裁判を起こすとは、どういう了見なのだ」
遺産分割調停を申し立てられた相手方の相続人に責められることが、心配なのであろうか。
遺産分割調停を申し立てることは、憲法や法律で認められた正当な権利である。
家族や親戚を裏切ることでは決してない。
何よりも、その身内とは今後も付き合うのであろうか。
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