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【不動産の共有だけは避けるべき】たった1つの不動産を遺産分割においてどう分けるか[POSTED]:2019-04-26

【不動産の共有だけは避けるべき】たった1つの不動産を遺産分割においてどう分けるか

相続財産はたった一つの自宅不動産

不動産を投資対象にしたり、複数の不動産を所有したりしている人は資金的に余裕がある人で、一生のうちに何度も不動産を買う機会に恵まれる人はそう多くはいません。
大抵の場合、居住向けの不動産購入は一生に一度の大きな買い物です。
住宅ローンの返済が終わった頃には、老後の生活のための資金程度しか残らず、相続が発生したときにはたった一つの不動産とわずかな現金という財産構成になりがちです。
たった一つの自宅不動産が相続財産のほとんどを占めていて、他の財産はあまりないというケースは決して珍しくありません。
そこに相続が発生して、相続人が複数いれば、たった一つの不動産をどう分けるかで必ず揉めます。

相続において簡単に分けられない不動産の分割方法

相続財産が預貯金だけなら分けるのは簡単ですが、不動産の場合はそうはいかない。
不動産のような「分けられない財産」の分割方法は主に3つあります。
①現物分割
財産をありのままの姿(現物)で分割する方法。
仮に3兄弟の相続でいえば、たとえば実家不動産は長男、有価証券は次男、現金資産は三男というような分け方。
②換価分割
遺産を売って金銭に換価して、その代金を相続分に従って分配する方法。
3兄弟の相続でいえば、実家不動産を売却して、その代金を長男、次男、三男で分けること。
③代償分割
相続人の誰かが不動産などの財産を取得して、他の相続人に対して相続分相応の金額(代償金)を支払う分配方法。
たとえば、実家不動産を長男が1人で相続して、次男と三男の相続分に相当する金額を長男が2人に支払う分け方。

相続における不動産の分け方の問題点

現物分割は一番シンプルでわかりやすい分配方法といわれますが、不動産を受け継いだ相続人と他の財産を受け継いだ相続人との“格差”が揉める原因になりがちです。
換価分割は思い出のある不動産を手放さなければなりません。すぐに売れるかどうかわからないし、不動産には価格変動のリスクが付き物です。
そこに住んでいる相続人としては新しい生活拠点を探さなければならないという問題もあります。
上記のように長男が実家を相続して、次男や三男に代償金を支払うという代償分割なら、自宅不動産を手放さなくて済みます。
しかし、これは長男に代償金を支払うだけの資力があって初めて成り立つ話です。
また代償分割で合意したとしても、代償金を算出するベースになる不動産の評価方法で揉めるケースもあります。
代償金を支払う側は少しでも安く不動産を評価したいし、代償金をもらう側は少しでも高く評価したいからです。
「共有」という選択肢もあります。相続人全員の共有財産とする方法です。
しかし、とりあえず共有にしておくというのは、分割問題を先送りするだけのこと。
共有財産を処分する場合には相続人全員の合意が必要で、単独ではどうにも動かせない不自由な財産になってしまうのです。

不動産をめぐる遺産分割のトラブルを回避する方法

たった一つの不動産をめぐる遺産分割ではトラブルが生じやすいものです。
それを避けるためにも、現金資産に余裕がある場合には、相続税対策で相続人の人数分の不動産を購入するという手もあります。
不動産が複数あれば物件単位で分けることができるし、それが収益不動産であれば納税資金や代償金としても活用することができます。
相続人分の不動産を買うなんて簡単なことではありませんが、大きな不動産を買うのでなければ、できない話ではありません。
たとえば最近は専有面積30~50㎡程度の小型マンションの売れ行きが好調です。
少子化、単身化の影響だと思いますが、今はコンパクトな物件のほうが貸しやすいし、売りやすいのです。

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