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リビングトラスト[POSTED]:2017-11-23
リビングトラスト
リビングトラストとは
日本語で「生前信託」と呼ばれ、生きているうちに財産の名義を家族などに移す制度のことを言います。日本では、故人の意思を反映した相続を行うためには、「遺言」による方法しかないのに対し、アメリカの場合は、遺言に加えてリビングトラストという制度を利用することができます。リビングトラストが遺言と違う点は、裁判所の検認の手続きが不要なことです。日本の場合、遺言書が公正証書遺言でない限り、遺言書の保全のため裁判所の検認を受ける必要があります。
同様の手続きがアメリカでも行われており、訴訟国家アメリカではさらに厳格な手続(プロベードといわれる裁判)によって行われます。戸籍制度がないアメリカでは、相続が発生すると遺言があってもなくても裁判所で手続を行わなくていけません。これにはコストも時間もかかり、また裁判所等が関与することで内情が外に出てしまうというデメリットがあります。
しかし、リビングトラストの場合は、既に財産の名義が移転しているため、財産は遺言者のものではないと考えられ、プロべード手続を経ないで相続が進められます。裁判所の手続きが不要で遺産の内容が表に出ずにプライバシーが守られますし、裁判所等が関与しないため、異議をとなえられないことから故人の意思を反映しやすい相続方法といえます。
マイケルジャクソンの遺産
2009年6月に亡くなったマイケルジャクソンも遺言書とリビングトラストを作っていました。遺言書にはリビングトラストに従って財産を処分するようにあり、詳細はリビングトラストに記載してあったようです。数日後にその内容が報道され、内容が広く知られることになりました。
しかし先に述べたように一般には遺言書やリビングトラストなどの個人の相続プランの内容は公開されるものではありません。リビングトラストを作って検認手続を避けることの重要な理由のひとつは、一般公開を避けることだからです。しかし、何らかの理由で遺言書が裁判所に提出されることになると、これは一般公開される情報となってしまいます。
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