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【遺産分割協議書の作成を流れを確認】作成必須の「遺産分割協議書」[POSTED]:2018-10-16
相続において遺産分割協議書の作成は必須
家族間で日常的に書面を交わすことは少ないでしょう。
他人にお金を貸す場合とは異なり、親が子どもにお金を貸す時に、わざわざ借用書を作成して親子で署名し合うということは稀です。
仕事上の会議では、その内容を明らかにするために議事録を作成しますが、例えば家族会議を行った場合に議事録を作成する家庭はまずないでしょう。
しかし、家族間においても必ず作成するべき書面があります。
遺産分割協議書です。
遺産分割協議書は、遺産分割協議の結果に基づいて、相続人のうち誰がどの財産を取得するのかを記載した書面です。
遺産分割協議書は、相続手続きを行ううえで非常に重要な書面です。
遺産分割協議書がないと、銀行は預金の引出しに応じませんし、不動産の名義変更もできないのです。
家族間で話合いがまとまっているし、誰も異存がないから作成しなくてもよいというものではありません。
相続における遺産分割協議書作成の流れ
相続財産を最終的に各相続人に分けるにあたって重要な役割を果たす遺産分割協議書ですが、どのような流れで遺産分割協議書の作成に至るのか、また遺産分割協議書作成後にはどのような手続きを行うのかをみてみます。
手続きの流れや内容を理解することで、いかに遺産分割協議書が重要な書面であるかがわかるでしょう。
まずは遺産分割協議書の作成に向けた手続きについてです。
遺産分割に向けて相続開始後に行うべきことは、次の2点です。
①遺言の有無を確認すること
②相続人及び相続財産を確定すること
公証役場で遺言の有無を確認
①遺言の有無の確認について、問題となるケースがあります。
遺言の有無をわざわざ確認する場面は通常、想定できないようにも思えますが、実際にはせっかく作成した遺言が相続人によって発見されず、遺言は存在しないものとされることがあるのです。
遺言者である被相続人が、遺言を作成したことを生前に伝えていれば問題は発生しません。
しかし、被相続人が遺言の存在を告げていなかった場合には、最終的には遺言は存在しないものとして遺産分割が行われることになる可能性もあります。
自分が築いていた財産の処分方法について、自分の意思を反映したいと考えて遺言を作成しても、発見されなければ意味がありません。
もっとも、公正証書遺言については、被相続人が亡くなった後、相続人であれば最寄りの公証役場において、遺言の有無を確認することができ、もし遺言が存在するということであれば、遺言の謄本を入手することができます。
金庫や仏壇の引出しなどを探して遺言を発見できなかった場合であっても、公正証書遺言を作成した可能性も想定して、公証役場でその有無を確認するようにしましょう。
相続人を確定しないと、遺産分割をやり直すことに
次に②相続人及び相続財産を確定することが必要です。
遺産分割協議は、相続人全員の合意が得られなければ成立しません。
また、たとえ遺産分割協議が成立したとしても、相続財産に漏れがあった場合には、再度、遺産分割協議が必須になります。
したがって、②相続人及び相続財産の確定が重要となるのです。
まずは相続人の確定についてです。
相続人を確定するためには、「相続権を有する人の確定」と「その人が現在も生存していることの確認」が必要となります。
被相続人の出生から死亡に至るまでの連続した戸籍を用いて、被相続人の身分関係を洗い出します。
被相続人の戸籍謄本を取り寄せることによってすべての情報を入手できればよいのですが、そうはいきません。
被相続人の現在の戸籍謄本に、被相続人の身分関係に関するすべての情報が記載されているわけではないのです。
結婚歴や離婚歴、養子縁組、内縁関係にあった愛人との間の子どもの認知という情報は、過去の戸籍謄本である除籍謄本や改製原戸籍謄本を確認しなければならず、現在の戸籍謄本には記載されていないケースもあります。
相続人の確定を確実に行うためには、被相続人の死亡から出生に遡った一連の戸籍謄本などを取り寄せる必要があります。
被相続人が生前に本籍地を動かしていた場合には、それぞれの役所から戸籍謄本などを取り寄せる必要がありますから時間がかかります。
相続人を確定するための調査を進めた結果、共同相続人の中に行方不明の者や生死不明の者がいることがわかった場合、それらの相続人を除いて行った遺産分割協議は無効となります。
家庭裁判所に不在者の財産管理人を選任してもらったうえで、遺産分割協議を行うことになります。
調査の過程で、思いもよらない相続人の存在が発覚することもあります。
異母兄弟や異父兄弟の存在が明らかになることもありますし、被相続人が家族に内緒で養子縁組をしているケースもあります。
これらの者を除いて行われた遺産分割協議も無効となってしまいますので、漏れなく相続人を確定することができるよう、慎重に調査しなければなりません。
相続財産の確定は迅速に
次に、相続財産を確定する必要があります。
不動産や預貯金、有価証券などのプラスの財産だけではなく、借金や未払いの税金などのマイナスの財産も相続財産に含まれます。
プラスの財産よりもマイナスの財産のほうが多い場合には、相続放棄や限定承認をするかどうかを検討しなければなりません。
これらの手続きは自分が相続人となったことを知った日から3カ月以内に行わなければなりませんので、相続財産の確定は迅速に行う必要があります。
また、相続税の申告を行ううえでも、相続財産を確定しておく必要があります。
相続財産が特定されていないと、相続税の申告後に新たに相続財産が見つかってしまい、修正申告をする必要が出てしまったり、税務調査で指摘されてしまったりして延滞税などの余計な税負担を強いられることにもなりかねません。
相続財産の確定の際には、遺言で第三者に贈与される内容や特定の相続人に対して生前に贈与された財産(特別受益)に関しても、漏れなく調査する必要があります。
遺産分割協議を行う際に、これらは遺産の一部として考慮されることになるため、遺産分割協議を行う前に遺贈の内容や特定の相続人に特別受益について明らかにしておく必要があるのです。
すべての相続財産を洗い出すことができたら、それらの財産を財産目録の形でまとめておきます。
そして、その財産目録に基づいて、相続人全員で協議を行い、その結果を遺産分割協議書として文書化することになります。
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