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【小規模宅地等の特例の適用の可否にもかかわる重要な制度】家賃保証制度[POSTED]:2019-05-10
相続税対策でも重要となる家賃保証制度
家賃保証制度とは管理会社に入居者の管理を委託する契約のことです。
大手のハウスメーカーなどが行っている家賃保証制度は主に「サブリース(一括借り上げ)」と呼ばれるもので、大家(オーナー)から一括して部屋を借り上げて、個別の部屋を第三者に転貸することで家賃を保証する制度です(家賃収入が保障家賃額を下回った場合に、差額を給付金として支払う「空室保障」という制度もあります)。
家賃保証制度のメリットは空室や家賃支払いの滞納があっても毎月、一定額の家賃が入ってくるので安定収入が得られることです。
入居者の募集から家賃の振込・集金、滞納の督促、契約更新、クレーム処理、建物の維持管理まで、ほとんどの業務は管理会社任せでいいので、賃貸経営の初心者でも気軽に賃貸マンション・アパートの経営ができます。
相続税対策で賃貸経営を始める場合、空き室が一番のリスクです。
相続発生時に空き室になっていて、(一時的な空き室と認められる)入居者募集などの広告を行っていないと、賃貸されていない部屋に対応する土地は自用地扱いで評価することになっています。
つまり貸家建付地としての評価減が使えないのです。
不動産相続において重要な特例にも影響
さらに「小規模宅地等の特例」の適用を受ける場合も、空き室があると、それに対応する部分については適用が認められません。
相続税対策の観点からしても、家賃保証制度を活用して一括貸ししておけば空き室リスクは解消され、物件全体で貸家建付地や小規模宅地等の特例の適用を受けられるわけです。
不動産相続における家賃保証制度のデメリット
空室対策として部屋を一括で貸し付ける家賃保証制度は有効ですが、必ずしもいいことばかりではありません。
サブリース契約ではそれぞれの入居者と賃貸借契約をするのは管理会社ですので、オーナーでありながら、大家は家賃設定にも入居者の選定にも決定権がないケースがほとんどです。
入居の際の礼金や権利金は本来ならばオーナーの収入ですが、サブリース契約では管理会社の収入になります。
退去時に返還する敷金などの保証金も、管理会社が預かることが多いようです。
逆に修繕費や改装費、共用部分の水道光熱費や清掃費などは原則、オーナーの負担になります。
委託する業務内容にしても、礼金や敷金などの取り扱いにしても、管理会社によって条件が違うので、契約時にしっかりと内容を確認することが大事です。
サブリースを受託した管理会社としては、入居者を確実に集められるように、周辺の相場に比べて安めに家賃設定するのが通例です。
そのため都心の人気エリアの新築物件だったりすると、サブリース契約のおかげで随分損をするケースもあります。
業者は「30年一括借り上げ保障」といったセールストークを使い、サブリース契約は定額の家賃が長期にわたって保障されるイメージがありますが、そんなに甘くはありません。
借り上げ家賃も1~3年おきに見直すので、家賃の値下げを求められることもあります。
そもそも大手のハウスメーカーだとしても30年間、倒産しない保証はどこにもないでしょう。
会社の業績が悪化してきたら、家賃保証だっていつまで守られるかわかりません。
家賃の大幅な値下げを迫ってきて、合意できなければ契約解除、というのも十分にあり得ます。
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