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【判例と異なる主張をあえて行うことも】少数説であろうと言えることは何でも言う相続弁護士[POSTED]:2019-02-17
少数説でも主張可能な相続弁護士
弁護士は比較的フリーハンドで法解釈を主張できる立場にあります。
法解釈というのは極端な話、一部の学者が唱える特殊な少数説であっても、主張をすること自体は自由です。
主位的主張と予備的主張をし、当初の主位的主張が認められなかった場合の補充的な主張として、主位的主張と矛盾した内容の予備的主張を掲げることも可能です。
戦略的に、主位的主張としては奇説に依って立ち、本丸を予備的主張として勝負することもよく行われます。
判例があっても、判例と異なる主張をすることも十分にあります。
法解釈に関する裁判所の介入は極めて抑制的
日本の裁判所は、具体的な事件から離れて法解釈のみを単独で取り上げてはくれません。
この法律のこの条文の解釈について、判決を下すということにはなっていないのです。
具体的な事件について判決を下す中で、必要な範囲において、法解釈について触れることになります。
判例の考え方は、具体的事件の中で示された法解釈が蓄積されて、徐々に示されるものです。
また、堂々とそもそも第何条は云々という形で語られるとは限りません。
裁判官が冒険をしなかったり、あえて法解釈にかかわる言及はせずに事実認定で解決したりするという事情もあります。
法解釈に関する裁判所の介入は極めて抑制的に行われています。
判例の射程範囲を争う相続弁護士
判例と異なる主張であっても、判例の射程範囲を争うことは問題なく行えますし、実際に判例の射程範囲の読み方は重要です。
具体的事件を解決する中で必要最低限の範囲で示される法解釈という意味では、判例の射程範囲が非常に重要といえます。
というのも、そもそもこの事件の解決に必要な限りでの法解釈なのですから、前提となる事案の設定が異なれば、結論も異なるからです。
この事案を前提として、法解釈はこうであるということを裁判所が示したものですから、前提である事案を離れれば、示した法解釈の妥当する範囲ではなくなるのです。
これを「判例の射程範囲の問題」といいます。
判例の事案と今回の事案との違いを強調し、判例が妥当しない、または判例の射程範囲外であるということを主張していくことは十分に可能です。
相次いで行われた相続に関する判例変更
判例とて未来永劫変わらないものではありません。
判例がひっくり返されることもあります。
相続分野での判例変更はこの数年で相次いでいます。
最高裁判例が変更されることはそうそうありませんが、この数年は、以下のものがありました。
・非嫡出子の相続分についての判例変更(最大決平成25年9月4日)
・預金債権に関する判例変更(最大決平成28年12月19日)
相続弁護士には新しい判例を作り出す気概が必要
法解釈については、判例の射程範囲を争ったり、新しい判例を作り出したりする気概で臨むこともあります。
また、そもそも法解釈以前に、事実認定を争うことも可能です。
事実認定を争うことと、法解釈を争うことは、実は非常に近接した関係にあります。
勝つためにはどの部分がどう判断されればよいのかを帰納的に考えるのが、弁護士の仕事の特徴です。
極めて弾力的に考えることが、弁護士の業務の進め方の特徴ともいえます。
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