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【被相続人が日本に住んでいない場合でも相続税は発生するのか】海外の不動産を相続した場合[POSTED]:2019-07-17

【被相続人が日本に住んでいない場合でも相続税は発生するのか】海外の不動産を相続した場合

被相続人が海外に住んでいる場合の相続税

近頃は日本国籍を持ちながら、海外で暮らしている人や、リタイア後の第二の人生を海外で過ごす人が増えています。
海外赴任を命じられて家族で海外に移り住んだり、国際結婚したり、海外に留学する日がやってくるかもしれない。
あるいは、余生を南国の楽園で過ごしたいと思うかもしれません。
ところで、海外移住した被相続人があちらで不動産を購入したとしたら、その相続はどうなるのでしょうか。
日本の相続税がかかってくるのでしょうか。
法の適用関係に関する事項を規定している「法の適用に関する通則法」によれば、「相続は、被相続人の本国法による」となっています。
つまり相続財産に日本の相続税が課される前提条件として、被相続人が日本国籍を持っていることが必要になります。
どの範囲の財産に相続税がかかってくるかは、被相続人と相続人の状況の組み合わせによって異なります。

被相続人が日本国内に住所を持っている場合

被相続人が日本国内に住所を持っている場合、相続人が日本国内に住所を持っているか否かにかかわらず、また相続人が日本国籍を持っているか否かにかかわらず、被相続人の国内・国外すべての相続財産が日本の相続税の課税対象になります。
以前は被相続人が日本国内に住所を持っている場合でも、相続人が日本国籍を持っていなければ、取得した財産のうち国内の財産のみが課税対象でした。
しかし、これを利用して、自分の子供を外国籍にするとともに財産を国外に移すという方法で、相続税逃れをする富裕層の人たちが大勢いました。
そのために、平成25年4月1日以降、この方法による課税回避はできなくなったのです。

被相続人が10年以内に国内に住所がない場合

退職後にハワイや東南アジアの国々に移住して、年金だけで比較的優雅な老後を送っている人も多いといいます。
海外に移住した被相続人が移住から10年以内に亡くなった場合、相続人が日本国内に住所を持っているか、または国内に住所を持っていなくても日本国籍であれば、国内、海外両方の財産が課税対象になります。
相続人が日本国内に住所を持たず、かつ、日本国籍を持っていなければ、日本国内の財産のみが相続税の課税対象になります。

被相続人が10年を超えて国内に住所がない場合

被相続人が移住して10年を超えている場合、相続人が日本国内に住所がある、または日本国内に住所がない期間が10年以下の場合は国内・国外すべての財産が課税対象になります。
一方、相続人に日本国籍があっても国外移住期間が10年を超えている場合や、日本国籍がなく国外に移住している場合には、日本国内の財産についてのみ課税対象になります。
日本の土地は路線価や倍率方式をベースに評価します。
広大地やがけ地、不整形地のように使いにくい土地はそれぞれに減算する評価方式があり、小規模宅地等の特例を利用すれば一気に評価額を下げることもできます。
しかし海外には路線価のような考え方はないようです。
そのため海外の土地に日本の評価方式は通用せず、控除や特例も使えません。
では、海外の土地はどうやって評価するかといえば、結局、時価を参考にして鑑定士などに評価してもらうことが多いようです。
ちなみに韓国では標準地価公示価格が示されているので、韓国に不動産を持っている場合にはそれを利用して評価額を計算します。

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