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【相続税と街作りのあり方の関係性】相続では土地細分化が弊害をもたらす[POSTED]:2018-08-14
かつて、江戸幕府が分地制限令という法令で、農地を細分化して相続することを禁止しました。
この場合は、農地が小さくなりすぎてしまっては年貢が取れないという「お上」側の事情があったわけですが、馬鹿者を意味する「たわけ」という言葉は、農地を細分化することほど馬鹿なことはないということから「田分け」に由来するともいわれています。
農地の所有者の側からみても、相続の度に、子供の数で田を分けていくと田の面積が限りなく小さくなっていき、それぞれに少量の収穫しか得られなくなり、家系も衰退するという意味から生まれた言葉だという説もあります。
もちろん、この「田分け」の話は、田園調布や成城のケースとは時代も事情もまったく異なる話ですが、土地の細分化によって個性的な街並みが他地域の光景と同化することになれば、それはそれで寂しく思います。
民主主義国家で定められた相続税の仕組みによって、貧富の差が少しでもなくなり、街の姿が変わっていくとしたら、仕方がないという考え方もあるかもしれません。
しかし、地域の事情や特殊性を一切考慮せず、国民の生活環境の快適さが失われるようであれば、何のための、誰のための税金なのかという疑問も生まれます。田園調布と成城、いずれの地域も独自のルールづくりで、古き良き街並みを一生懸命守ろうとしています。
そうした試みを自治体や国はバックアップすべきですし、相続税と街作りのあり方について改めて考える機会を設けても良いかもしれません。
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