ブログ・相続最前線 遺産相続の弁護士・税理士相談はお任せ下さい|sozoku.com
【不動産は評価される場面により評価方法が異なる】相続における不動産の評価方法 [POSTED]:2019-04-16
相続財産の大半が不動産
相続財産のうち、占める割合が最も大きいのが土地や家屋などの不動産です。
平成24年中に亡くなって、相続税の課税対象とされた被相続人の相続財産の割合を見てみると、「不動産(土地、家屋)」は約51・2%、「現金・預貯金等」が25・4%、「有価証券」が12・3%です。
ちなみにバブル経済華やかなりし平成元年から平成7年にかけては、相続財産に占める不動産の割合が7割に達していました。
バブル崩壊後、土地価格が下落して不動産の割合は半分にまで低下しましたが、相続財産で一番大きなウェイトを占めていることに変わりはありません。
しかも不動産は高額財産。
ゆえに相続税がかかってくるにせよ、遺産分割でトラブルが起きるにせよ、不動産が原因になるケースが圧倒的に多いのです。
相続税対策をする上でも、相続トラブルに対処する上でも、一番大きな財産である不動産の評価方法を知っておくことはとても大切です。
相続における土地や家屋の評価方法
不動産は大きく区分すると土地と家屋に分かれ、それぞれ評価方法が異なります。
一口に土地といっても、宅地や山林など地目の違いによって評価方法は変わってきます。
登記簿上の地目と現況の地目が一致しない場合は、必ずしも登記簿上の地目ではなく、相続や贈与などで取得したときの現況で判定します。
また同じ宅地でも市街地かそうでないかによって評価が変わってきます。
一般的に土地の評価方法は「実勢価格(取引価格)」「公示価格(標準価格)」「相続税評価額(路線価)」「固定資産税評価額」の4つがあります。
それぞれ説明しましょう。
①公示価格(標準価格)
一般の人が土地の取引や資産評価をするに当たって、土地の適正価格を判断する客観的な目安として、国土交通省が発表している評価額のことです。
毎年1月1日時点における標準地の正常な価格を調査して、3月下旬頃に公表されます。
②相続税評価額(路線価)
相続税や贈与税の計算をする際に使われる宅地の評価額の基準となる土地の価格です。
国税庁が毎年1月1日時点における路線価(道路に面する標準的な宅地の1㎡あたりの価格)を財産評価基準として7月頃に発表します。
一般的に、相続税評価額は公示価格の8割程度といわれています。
③固定資産税評価額
市町村長(東京23区の場合は都知事)が決定し、市町村(東京23区の場合は都税事務所)が示す土地の値段です。
この価額が固定資産税、不動産取得税、登録免許税など、土地にかかってくる税金の基準になり、3年ごとに見直されます。
一般的に固定資産税評価額は公示価格の7割程度といわれています。
④実勢価格(取引価格)
時価、つまり市場で実際に取引されている平均的な価格のことです。
公示価格の100~110%程度が通常とされていますが、相場変動や不動産の状況によって変化するので、必ずしも同じとはいえません。
評価される場面によって異なる不動産の価格
このように不動産の価格はそれぞれの評価される場面で変わってきます。
不動産の遺産分割の場面では相続人全員が納得すればどのように評価してもよいことになっていますが、相続税や贈与税の申告・納付や相続税対策で不動産を評価する場面では、「相続税評価額」が問題になってきます。
不動産の評価というのは複数あって、場面ごとに違ってきます。
一般的に相続の話では路線価と実勢価格(時価)が出てくることが多いので、この2つは最低でも押さえておくべきでしょう。
遺産分割で問題になるのは実勢価格です。
それも被相続人が亡くなったときの実勢価格ではなく、遺産分割が成立したときの実勢価格です。
そのため、遺産分割に時間がかかると不動産価格が乱高下するケースもあります。
遺産分割では不動産の市場価格に気を配ることも大切です。
対して、土地の相続税について考えるときには、実勢価格ではなく路線価による計算の仕方が問題になります。
相続税の計算の基準になるのは相続発生時の路線価です。
遺産分割のように分割時の実勢価格ではないので、間違えないようにしましょう。
遺産分割 | 相続税申告 | |
---|---|---|
基準時 | 遺産分割成立時 | 相続発生時 |
基準額 | 実勢価格 | 路線価 |
この記事と
関連性の高いページはこちら
不動産相続のことなら『不動産相続の弁護士.com』
分けられない財産の典型である不動産。不動産の評価について相続人間でモメます。そもそも不動産が相続財産かどうかも問題になります。不動産を独り占めする財産の不正操作と最後まで戦います。
『ブログ・相続最前線 』のその他の記事
- 遺言の増加に伴う争族。認知症の疑いによる無効を防ぐためには
- 普及が加速する遺言 遺言を作成することの重要性は、ここ数年でかなり浸透しています。実際に事務所に来られる相続発生後の相談者の中で、遺言を持参される方はこの10年間でかなり増えました。10年前は遺言を持参されるケースは極めて少数でしたが、今は逆に法律事務所に相談する相談者の半分以上は、遺言を持参されている印象です。日本公証人連合会公表による全国で作成された遺言公正証書の件数も、年々増加傾向にありま…
- 相続税対策や相続争い(争族)における養子縁組』で氏は変わる?
- 相続税対策や相続争いにおいて、特定の相続人の遺留分を少なくするために養子縁組をすることは、非常に有効です。それにもかかわらず養子縁組を躊躇される方が多いのですが、理由の1つは氏が変わるからというものです。養子縁組をすると必ず氏は変わるのか。変わらないために何か対策はないのかを考えます。 養子縁組をした場合の養子の氏がどうなるかは、養子になる方の属性によって異なります。まず養子が単身者で結婚をして…
- 相続税申告が間に合わないときには
- 相続税の申告には期限があります。相続開始から10カ月以内、つまり被相続人が亡くなってから10カ月以内、もしくは、被相続人の死亡を知ったときから10カ月とされています。ちなみに納付期限と申告期限は同じです。 10カ月と聞くと一見長いようにも感じますが、相続開始からの10カ月は本当にあっという間に過ぎ去ります。相続人が複数人いた場合、そう簡単に遺産分割は終わりません。しかし、相続税は遺産分割が終わっ…
他にはないサービス。無料相談は原則、受け付けません。
無料相談を掲げる法律事務所とは一線を画し、価格競争には参加せず、報酬に見合う良質なサービスを提供しています。他の弁護士事務所にできないミッションを達成し、紛争解決に集中してリソースを割くために、相談対象を紛争性がある相続事件に限定しています。
「内容証明が届いた」「対立当事者に弁護士が就いた」「調停・裁判中」「調停・裁判目前」「弁護士を替えることを検討中」など、紛争性が顕在化している方は電話相談(初回15分)・メール相談(1往復のみ)・土日夜間の電話相談(初回15分)で対応します。
相続税を納める必要があり、
かつ遺産分割でもめている方は相談無料
来所 | ビデオ通話 | 電話・メール・土日夜間 | |
---|---|---|---|
相続税の納税義務があり、 かつ遺産分割でもめている事件 | 無 料 | 1時間:62,000円税別 | 電話:初回15分 メール:初回1往復 土日夜間:初回15分 無 料 |
内容証明が届いた事件 | 1時間:12,000円税別 ※来所困難な方に限り、 1時間30,000円税別にて 電話相談に応じます。 | ||
対立当事者に弁護士が就いた事件 | |||
調停・裁判中、調停・裁判目前の事件 | |||
弁護士を替えることを検討中の事件 | |||
その他、紛争性がある事件 (潜在的なものも含めて) | 非対応 | ||
税務に関する法律相談 | 1時間:50,000円~税別 | 1時間:100,000円~税別 | |
国際法務・国際税務に関する法律相談 | 1時間:100,000円~税別 | 1時間:150,000円~税別 |
来所 | ビデオ通話 | 電話・メール・土日夜間 | |
---|---|---|---|
内容証明が届いた事件 | 1時間: 12,000円(税別) ※来所困難な方に限り、1時間30,000円(税別)にて電話相談に応じます。 | 電話:初回15分 メール:初回1往復 土日夜間:初回15分 無 料 |
|
対立当事者に弁護士が就いた事件 | |||
調停・裁判中、調停・裁判目前の事件 | |||
弁護士を替えることを検討中の事件 | |||
その他、紛争性がある事件 (潜在的なものも含めて) | 非対応 | ||
税務に関する法律相談 | 1時間: 50,000円~(税別) | ||
国際法務・国際税務に関する法律相談 | 1時間: 100,000円~(税別) |
- ※お電話やメール、土日夜間の電話相談は、「内容証明が届いた」「対立当事者に弁護士が就いた」「調停・裁判中」「調停・裁判目前」「弁護士を替えることを検討中」など、紛争性が顕在化している相続事件に限定して、簡略なアドバイスを差し上げる限度で提供しています。メール相談、電話相談または土日夜間の電話相談よりお問い合わせください。
- ※一般的な相続知識については、お電話やメールでのお問い合わせを受け付けておりません。
一般的な相続知識に関する情報は弊所の各サイトでご案内していますので、こちらをご利用ください。
- 来所予約・お問い合わせ
- 03-5532-1112 9:00~18:00 土日祝日除く※お電話又は予約フォームにて法律相談のご予約をお取り下さい。
※小さなお子様の同伴はご遠慮ください。