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【遠方の相続事件についてどこの弁護士に依頼すべきか】相続における弁護士への依頼内容[POSTED]:2018-08-02
弁護士への依頼内容ですが、主に任意交渉と調停、審判の方法があります。
任意交渉とは、裁判所での手続き以外において相続の当事者と交渉すること。
ただし物わかりが良くない相手との任意交渉は、はっきり言って時間の無駄です。
調停では、相続人間で遺産分割協議がまとまらないときに、家庭裁判所の力を借ります。
調停委員は各相続人に対して、妥当と思われる分割案を提案します。
調停はあくまでも相続人全員の合意が必須なので、合意が期待できない相手方との紛争解決には適しません。
中には、初回から調停期日に出頭しない当事者もいます。
他方、審判では不動産の売却を最終的に競売で行うため、相場価格よりも低い値段で不動産が換金されるリスクがあります。
審判は、調停でもまとまらないときに、家事審判官(裁判官)が各相続人の主張や生活状況などを考慮して、分割の判断を下します。
弁護士は、依頼人の代理人として関わることになります。
ところで調停手続きを利用する場合は、モメている相手方の住所地の家庭裁判所に申し立てます。
どこの裁判所で訴えるかの問題は重要で、最寄りの弁護士に依頼できるのがベストです。
そこで、実質的には対立していない当事者を相手方として調停を起こし、実質的に対立している当事者も一緒にまとめて最寄りの家庭裁判所に申し立てるテクニックがあります。
ただし審判の場合は、被相続人の最後の住所地の家庭裁判所に申立てることになります。
佐賀出身で東京に在住する相談者のケースです。
実家の父が他界し、父と同居していた兄が財産を独占しようとしているとのこと。
調停は、兄の住所地である、佐賀の裁判所で起こすことになります。
審判もやはり、被相続人の最後の住所地である、佐賀の裁判所で起こすしかない。
相談者は仕事をしていて、毎月1回の調停に自ら出席することが現実的ではありません。
実家近くの弁護士に依頼すれば交通費などの問題は生じません。
しかし、東京の弁護士と違い、すぐに会って相談できるわけではない。
実家近くの弁護士に知り合いはいない、ということでした。
このような場合、相談者は、調停のたびに東京から佐賀の裁判所まで通わなくてはならないのでしょうか。
実は、どこの裁判所で訴えるかという問題は、以前に比べて解決されつつあります。
平成25年1月から、家事事件手続法が施行され、当事者が遠隔の地に居住しているときなどには、テレビ会議や電話会議でも調停や審判が進められるようになったのです。
調停や審判は、これまでよりも使いやすい制度になったといえます。
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