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【保証債務から生じる悲劇をなくすことはできるのか】相続に影響を及ぼす保証制度の法改正[POSTED]:2018-07-12
「連帯保証人だけにはなるな」。
昔、親が口を酸っぱくするほど言っていた言葉です。
当時は意味も分からず、フレーズだけが頭に残っていましたが、大人になってその意味がようやく理解できました。
連帯保証は保証の一種ですが、保証人が債務者と連帯して債務を負担するため、通常の保証よりも強力な効果があります。
連帯保証人は、債務者の返済が滞った段階ですぐに債権者から請求を受け、「先に債務者に請求してくれ」(法律用語では、催告の抗弁権といいます)とか「先に債務者の財産を調べて取り立ててくれ」(同じく、検索の抗弁権といいます)とは言えません。
債務者から「迷惑をかけないから、名前だけ貸してくれ」と言われて印をついただけで、債務者の返済が滞れば、即座に多額の金銭の支払いを求められることがあり得るのです。
この連帯保証を含む保証制度に関する新しい動きが今あります。
平成27年3月31日に「民法の一部を改正する法律案」が閣議決定され、同日、国会に提出されました。
これは民法の債権関連部分の改正に関わる法案です。
平成21年10月28日に法務大臣から法制審議会が諮問を受けてから、法制審議会及びその部会が5年以上の歳月をかけて検討してきましたが、この民法改正法案が成立すれば、約120年ぶりの歴史的な民法大改正になると見込まれています。
銀行や貸金業者が中小企業などに融資する際に求めてきた個人保証(ほとんどの場合が連帯保証です)は、これまで事業をする側の円滑な資金調達に不可欠なものとされてきましたが、善意で保証人を引き受けた人が高額な請求を受け、自殺や自己破産に追い込まれる悲劇も生んできました。
このため、個人の連帯保証人に自発的な意思に基づいて保証人となることを確認したうえで、保証契約を締結するための新たな規律が設けられました。
連帯保証人になる者が、事前に公証役場において公正証書を作成して保証意思を明確にしなければならないとしたのです。
また、主たる債務者が根保証を個人に委託する場合において、委託を受ける者(連帯保証人となる予定の者)に対して、例えば主たる債務者の財産や収支の状況等の情報を提供しなければならないとする等、一定の保証人保護の規定を設けました。
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