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【お金の分け方だけではない相続問題】相続分をゼロにする方法[POSTED]:2018-07-06

【お金の分け方だけではない相続問題】相続分をゼロにする方法

江戸時代と異なり、勘当は法的に認められません。
しかし親不孝者の相続分をゼロにする方法はいくつかあります。
典型的には、家庭裁判所に廃除を申立てて相続権を失わせる方法です。
ところが単に親不孝であるというだけでは、廃除はなかなか認められません。
親のお金を無断で費消したり、多額の支払いを負担させたり、さらに暴力をふるうなど、よほどの事情が無ければ廃除は認められません。
また、子供が遺言書を偽造、変造、破棄、隠匿するなどした場合は、相続欠格事由に該当し、当然に相続できなくなります。
ただ相続廃除や相続欠格は滅多にないことなので、教科書に大々的に書いてある割には、実務には頻繁に発生していません。
実際に利用することは難しいのです。
財産を長男が継ぐという考えは、明治憲法下での家督相続の名残です。
家督相続は、家族を統率する戸主権の一側面として位置づけられ、原則として長男が単独で相続していました。
戦後、家督相続が廃止されました。
相続は「被相続人の財産的地位の承継」であるとされ、相続から祭祀や家督は切り離されたのです。
長男の単独相続から共同相続制度への変更も行われ、性別や年齢での優劣はなくなりました。
相続により承継する財産には、不動産や預貯金はもちろん、借金や連帯保証債務などの負の財産も含まれます。
ただし、身元保証人の地位など被相続人の一身に専属するものや、生命保険金や死亡退職金など、相続人が固有に取得する権利は相続財産には含まれません。
仏壇や墓の使用権などの祭祀財産の承継者は、被相続人の指定、地方の慣習、家庭裁判所の審判の順番で決定します。
相続というと、「結局のところはお金の分け方の問題」というイメージを持っている人もいるかもしれません。
しかし、もともとは「家の財産は家を治める者の地位に付随する」ということが常識でした。
相続は電卓だけで答えを出せる問題ではないのです。

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