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生前贈与は計画的に

生前贈与を活用すれば、孫や義理の息子にも財産を残すことができます。
贈与は誰に対してもできるので、甥やその子どもにも生前贈与できるのです。
もちろん、節税にも有効です。法定相続人に加えて孫や甥にも110万円の非課税枠を活用して生前贈与すれば、それだけ相続財産を圧縮することができます。
生前贈与は計画的に行ってこそ、節税効果を発揮します。
高齢になってから贈与を始めても、どれだけ続けられるかわかりません。
それどころか、生前贈与を始めて３年以内に被相続人が亡くなった場合には、節税効果はゼロになってしまうので注意が必要です。
たとえば、妻と子どもたちに110万円ずつ非課税枠内で生前贈与を行ってから一年も経たずに父親が亡くなった場合、生前贈与の110万円は「相続開始前3年以内の贈与」とみなされて、相続税の課税対象になってしまうのです。
これは「相続開始前3年以内の贈与」が相続税の課税を回避するために行われた財産の移動とみなされるためです。
計画的に生前贈与を行っていたとしても、相続開始前3年以内の贈与分は相続税の課税対象になります。
毎年妻と子ども3人に年間110万円ずつ生前贈与していたとすれば、過去３年にさかのぼって、年間440万円×3年＝1320万円が父親の相続財産にカウントされて相続税の課税対象になるのです。

相続権のない孫や義理の息子への贈与

ただし、相続財産に加算されるのは「相続や遺贈によって財産を受けた人が、相続開始前３年以内の贈与によって取得した場合」に限ると定められています。
相続権のない被相続人の孫や義理の息子などに対して行われた贈与には、この制度は適用されません。
相続放棄をした人も同様です。
つまり、孫や義理の息子への生前贈与は、相続開始前３年以内であっても相続財産に持ち戻されることなく、したがって相続税の課税対象にはなりません。
ただし、遺言を書いて、法定相続人以外に財産を残した場合（遺贈）は別です。
「遺贈によって財産を受けた人」に該当するので、相続税の課税対象になります。

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• 2019-03-17
• [CATEGORY]： 相続税編
• [TAG]：遺言,相続税,遺贈,生前贈与,相続税対策,贈与税
• [AUTHOR]：遺産相続の弁護士･税理士 永田町法律税務事務所