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【相続税の課税の仕組みにより納税時期に違いはあるか】相続税の課税方式[POSTED]:2018-09-26
相続税の課税の仕組み
相続税の課税の仕組みには、「遺産税方式」と「遺産取得税方式」の2つの考え方があります。
遺産税方式とは、相続人の人数や相続の配分などに関係なく、被相続人の財産合計額に着目して課税する方式です。
被相続人の有するすべての財産に課税し、税金を差し引いた残りの財産を相続人に分配することになります。
遺産税方式では、被相続人の遺産そのものに対して税金が課されます。アメリカ、イギリスといった英米法諸国や台湾などにおいて主に採用されています。
遺産取得税方式とは、相続人1人当たりが財産をいくら取得しているかに着目して相続税額を決定する方式です。
遺産分割の割合に応じて、相続税の合計額も変動することになります。
遺産取得税方式では、財産を取得した人ごとにその取得した相続財産に対して税金が課されます。ドイツ、オランダ、フランスといった大陸法諸国において主に採用されます。
日本の相続税制度
日本の相続税制度も、遺産取得税方式のひとつです。
もっとも、相続税の計算の一部で遺産税方式の考え方を取り入れている面もあり、複雑な方式になっています。
わかりやすくまとめると、遺産税方式は相続財産から相続税を支払う考え方で、遺産取得税方式は相続財産を取得した相続人が支払うという考え方になります。
遺産税方式の考え方
遺産税方式の考え方からすると、相続が発生した瞬間に相続財産から相続税を支払わなくてはならないということでもおかしくありません。
なぜならば、遺産税方式の下では、相続税は遺産分割前の相続財産そのものから徴収するものなので、相続が発生した瞬間に納税額が確定するといえるからです。
むしろ徴税ができる状況であるにもかかわらず、相続税額が決定していないほうが整合的ではないといえるでしょう。
遺産分割前の相続財産から徴税するのですから、遺産分割が未了であったとしても相続が発生した段階で納税ができることになるはずです。
すなわち、遺産税方式の考え方に従うと、相続が発生した時には相続税額が決まっていることになります。
そのためには相続財産の評価額は相続が発生した段階で決まっていることが望ましいですし、整合的であるといえるでしょう。
一方、遺産取得税方式の考え方では、相続税を支払う者は遺産分割によって相続財産を取得した各相続人ということになります。
遺産分割はすなわち、相続税を支払う者を決めるプロセスということになりますから、遺産分割が完了しない限り相続税の納税義務者が決まらないということになっても理論上、おかしくはありません。
相続税の納税も、相続財産の帰属が決まってから、つまり遺産分割が終了してからになりますから、相続財産の評価も遺産分割終了時の段階のものということになるのが整合的にも思えます。
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