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【配偶者控除を受けるためには手続きが必要】相続税の配偶者控除の仕組み[POSTED]:2019-06-13
相続税額に大きく影響する配偶者控除
相続税には相続人の立場を考慮した税額控除がいくつか設けられています。
なかでも、税額が大きく軽減されるのが「配偶者の税額の軽減(配偶者控除)」です。
配偶者の税額の軽減とは、被相続人の配偶者が遺産分割や遺贈により取得した財産額が、次の金額のどちらか多い金額までは配偶者に相続税は課せられないという制度です。
◎1億6000万円
◎配偶者の法定相続分相当額
つまり、配偶者が法定相続分通りに相続した場合には、いくら相続しても相続税はかからないことになります。
もし法定相続分を超えた財産を相続したとしても、1億6000万円以下であれば相続税は発生しません。
いずれかの金額を超えた場合、超えた部分について、相続税を支払うことになります。
仮に被相続人の相続財産が1億5000万円だったとして、それを配偶者が全部相続したとしても、1億6000万円以下なので、一切相続税がかからないわけです。
相続税の申告の際に必要な手続き
配偶者控除を受けるためには、納税申告の際に、別途手続きが必要になります。
また、この税額控除は配偶者が遺産分割などで実際に取得した財産を基に計算することになっているので、相続税の申告期限までに分割されていない財産は税額軽減の対象になりません。
ただし、相続税の申告書に「申告期限後3年以内の分割見込み書」を添付した上で、申告期限までに分割されなかった財産を申告期限から3年以内に分割した場合は、税額軽減の対象になります。
その場合は分割が成立した日の翌日から4か月以内に更正の請求の手続きを行う必要があります。
「更正の請求」とは、税金の確定申告後に税金が多すぎた場合や、還付される税金が少なすぎた場合に、税務署に対して、税金の還付を請求することをいいます。
配偶者控除は配偶者の財産形成に対する貢献や今後の生活保障を考慮して設けられた特例で、この特例を利用すればほとんどの相続で配偶者に相続税はかからなくなります。
ちなみにこの税額控除には婚姻期間の制限はありません。
極端に言えば、婚姻期間が1日でも、配偶者控除を受けることはできます。
永年連れ添った妻と別れた後に愛人と結婚して、直後に相続が発生した場合でも、妻になった愛人は配偶者控除を受けられるのです。
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