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【都市部に不動産を持っていると課税対象に】相続税増税のポイント[POSTED]:2019-03-03
平成25年度の税制改正で、相続税の基礎控除額が大きく減額されたうえ、税率については最高税率が引き上げられるなどして、相続税が大幅に増税されました。新しい基礎控除額や税率は平成27年1月1日以降の相続からの適用です。
相続税増税のポイントは2つあります。
1つは基礎控除額の引き下げです。
「ここまでの金額には相続税はかかりません」という相続財産の上限のことを「基礎控除額」といいますが、これが4割引き下げられました。
つまり、それだけ相続税が課税されやすくなったのです。
もうひとつのポイントは、税率構造の見直しです。
相続税の税率の枠組みが6段階から8段階に細分化されて、2億円を超える金額(法定相続分に基づく取得金額)に対する税率がアップしました。
たとえば、相続財産が2億円以上3億円以下の場合、税率は40%から45%になります。
最高税率は50%から55%に上がるため、富裕層ほど増税になります。
基礎控除額の引き下げについて簡単に説明しておきましょう。
改正前の基礎控除額は「5000万円+(1000万円×法定相続人の数)」でした。
これが相続税改正によって平成27年1月1日以降は、「3000万円+(600万円×法定相続人の数)」となり、一気に4割も減額されました。
例えば、子どもが3人いる夫婦の夫が亡くなった場合、法定相続人になるのは配偶者と子どもたちですので、法定相続人の数は4人となります。
改正前の基礎控除額は「5000万円+(1000万円×4人)=9000万円」。
しかし平成27年1月1日以降に亡くなって相続が発生した場合、基礎控除額は「3000万円+(600万円×4人)=5400万円」。
もし相続財産が9000万円ならば、改正前では基礎控除額の範囲なので相続税はかかりませんでした。
しかし、平成27年年1月1日以降は「9000万円-5400万円=3600万円」に相続税がかかることになります。
改正前の状況に関する国税庁の統計によれば、我が国で一年間に発生する相続のうち、相続税が発生する割合(課税件数/死亡者数)は約4%。
つまり被相続人100人に対して4人程度しか相続税は発生していないことになります。
しかし基礎控除額が4割もカットされることで、課税の網が広がるのは確実です。
相続税といえば富裕層の税金のイメージが強かったのですが、地価の高い都市部に不動産を持っている自営業者やサラリーマンも相続税とは無縁ではなくなりました。
東京都世田谷区に不動産を所有していて、仮にその相続税評価額が1億5000万円だとすると、相続人にどれくらいの相続税がかかってくるのでしょうか。
改正前の基礎控除額なら、1億5000万円から基礎控除の9000万円を差し引いた6000万円が課税対象になり、相続税を計算すると総額で700万円になります。
しかし、平成27年以降は基礎控除額が4割引き下げられて、課税対象額は「1億5000万円-5400万円=9600万円」。
課税対象となる財産は9600万円となり、相続税の総額は1330万円まで膨らんでしまったのです。
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